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日鉄住金鋼管川崎製造所の重大火災事故を受け、原因究明と再発防止策、労働者・周辺住民の安全対策を徹底することを求める申し入れ

川崎市長 福田紀彦 様
                            
二〇一五年八月二五日
                           日本共産党川崎市議会議員団
                             団長 市古映美 

 昨日(八月二四日)午前十一時過ぎ、川崎区浮島町の日鉄住金鋼管川崎製造所で火災事故が発生、床面積約一万平方㍍の倉庫一棟を全焼し、約五時間半後に消し止められました。
火災が起きた倉庫は瞬く間に炎に包まれ、おびただしい黒煙が上空を覆い、焦げたようなにおいが広がり、石油化学コンビナートが立ち並ぶ京浜臨海部一帯は一時騒然となりました。
事故発生時、現場には社員十二人と作業員六人がおり、幸いケガ人は出なかったということですが、隣接する「花王」川崎工場の一部も延焼し、同工場にいた社員約六百人が現場から最も離れた屋外の場所に避難し、火災現場の前をルートとする首都高川崎線(縦貫道)は昼頃から上下線とも通行止めになりました。また、現場は羽田空港から多摩川を挟んで約一㌔の場所にあり、航空機の運航に大きな影響は出なかったものの、四本ある滑走路のうち現場に近い一本の滑走路は使用を一時取りやめる事態となりました。
 同製造所は今年十一月末に閉鎖する予定で、六月には操業を休止して同工場の解体工事中に起きたもので、日鉄住金鋼管の委託を受けた作業員五人が倉庫近くにある屋外冷却装置をガスバーナーで焼き切る作業中に可燃性の物質に引火したと報じられています。
日鉄住金鋼管は新日鉄住金(東京)の完全子会社ですが、新日鉄住金名古屋製鉄所(愛知県東海市)は昨年から今年にかけて五回も黒煙排出事故を起こしており、昨年九月三日には爆発事故により従業員十五人が重軽傷を負い、周辺に甚大な被害を与えたとのことです。同企業の安全軽視の体質が問われます。
これまでも、一九九五年には浮島の東燃川崎工場で硫化水素ガスが噴出し、四三人が病院に運び込まれ、三人が死亡するという重大事故が発生し、九〇年代の十年間だけで十件以上の事故が起きました。今回の事故は、これらの石油化学コンビナート地帯が、危険物も多く事故も頻発する危険地域であることを再認識することとなりました。
 以上のことから、川崎市に対し、次の要望項目について対応を図られますよう緊急に申し入れるものです。

    1.    日鉄住金鋼管川崎製造所に対し、事故の原因究明と再発防止策の徹底を求めること。
    2.    当該企業と周辺企業及び京浜臨海部コンビナートの労働者、周辺住民の避難・安全対策を徹底すること。
    3.    火災・爆発等の事故が多い石油化学コンビナートの危険地域に羽田空港側から人と交通量を直接呼び込む「羽田連絡道路」整備計画は中止すること。
                                                                      以上


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