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2013年1月18日

政務調査費の使途を広げる条例案が2月議会に提案される予定


2013年川崎市議会第1回定例会(予算議会)が2月14日から開かれる予定です(3月19日までの予定)。

本会議の初日(2/14)には、これまで「議員の調査研究」に限定されていた政務調査費の使途を「要請・陳情活動の交通費、地域で行う市民相談・意見交換会や会派単位の会議に要する経費」などに拡大を可能にする条例案が提案される予定です。

昨年改正された地方自治法で、地方議員に支給されている政務調査費を政務活動費とし、これまで「議員の調査研究」に限定されていた使途を「その他の活動」にも拡大できることになり、川崎市の条例も改定することになったものです。その範囲は自治体が条例で決めることになりますが、“できる”規定なので、裁量権は自治体にあります。

衆議員総務委員会で民主党・自民党・公明党らが突然の提案

地方自治法改正案は2012年3月に国会に出され、論議されてきました。

ところが、当初改正案にはなかった政務調査費から政務活動費への改定案が、8月に民主党・自民党・公明党・国民生活第一の4会派の共同提案で突然提出され、衆議院でも参議院でもわずか3時間で可決。自民党議員でさえ「提案趣旨説明の直後に質問の時間というのはいかがなものか」と述べたことに審議の拙速さが示されています。改正をすうr必要性について審議が尽くされたわけではなく、まして国民に説明がなされることもないまま成立させたものです。日本共産党は反対しています。

政務活動費を「その他の活動」にも支出可能に

その内容は、政務活動費をこれまでの「調査研究に資する活動」に加え、「その他の活動」にも支出できるようにしたことです。提案者の稲津久衆院議員(公明)は、「従来、調査研究の活動と認められていなかった補助金の要請、陳情活動等の旅費・交通費、地域で行う市民相談・意見交換会や会派単位の会議に要する経費のうち調査研究活動と認められていなかったものを対象とできる」と述べています。都道府県議会議長会、市議会議長会などから示されている条例案は、こうした答弁をそのまま条文化したものとなっており、川崎市議会でも大筋でこの内容と同じものが提案される可能性が高いと考えられます。

全国市民オンブズマン連絡会議は、この改正について「違法な政務調査費の支出に免罪符を与える」と懸念を表明。施行日までの改正は活動費への名称変更にとどめ、使途基準の内容は十分な時間を取って市民意見を聴くべきとしています。
宇都宮市議会は、現条例が失効する3月1日までの条例改正は名称変更にとどめ、「その他の活動」の内容は今後1年かけて決定するとしています。
相模原市議会は、使途を拡大せず、政務調査費を政務「活動」費と名称変更するだけの条例改正を全会一致で議員提案する予定です。

市民の意見を聴かないで制定するのは問題では?

川崎市議会では、2012年1月に横浜地方裁判所で、共産党以外の自民・民主・公明党が政務調査費の使途について不正支出と認定され、不正な支出額を返還するよう判決が出されたところです。いま川崎市議会に必要なことは、使途基準を厳格に守ることであり、使途範囲を拡大する条例改正ではないのではないでしょうか。
また、パブリックコメントにかけるなど市民の声を聴くこともなく制定されようとしているのは、問題ではないでしょうか。これは、「議会基本条例」を制定し、その中に「市民の意見を議会活動に反映する」と定めている川崎市議会として、あってはならないことだと考えます。ぜひ、皆さんの声を議会・議員にお寄せください。