後期高齢者医療保険料の納付方法変更の延長を緊急申し入れ
2008,08,20, Wednesday
日本共産党川崎市会議員団は、8月20日、後期高齢者医療保険料の納付方法の変更手続き期間を8月末まで延長するよう、阿部市長に緊急の申し入れを行い、22日までの申し出については何とかしたいとの一定の前進をみることができました。
後期高齢者医療保険料の納付は、原則年金からの天引きとされていましたが、新たに、直近の2年間、国保料の滞納がない方、あるいは年金の年額が180万円未満の方について、年金からの引き落しを中止し、口座振替での納付が可能になりました。しかし、これが高齢者の中に大変な混乱を招く結果となりました。
川崎市からは8月5日に「お知らせ」が発送されましたが、10月からの引き落としに間に合わせるためには、銀行に口座振替の申し込み後、8月20日までに申し出ることが必要だというのです。高齢者の中には、何枚もの「お知らせ」を読んで内容を理解するまでに時間を要する方も大勢おられ、しかもお盆をはさむわずか2週間の間に、銀行の手続きを済ませて、窓口に申し出るのは大変なことで、混乱が起きるのは当然です。
さらに、配偶者の保険料を世帯主の口座から振替にすれば、住民税の控除対象になる場合がありますが、「お知らせ」には、これについての説明がありませんでした。今回の緊急申し入れは、こうした事態をなんとかしてほしいとの市民の声に応えたものです。
対応した曽禰純一郎副市長は「国から政令が下りたのが7月25日で、自治体の準備日程がとれず、ご迷惑をおかけしています」と述べるとともに、「国のほうも、厚労省だけでなく、総務省や財務省との連絡が必要なので大変なのはわかるが、もう少し自治体のことを考えてゆとりを持ってやってほしかった。(行政として)やれることはやりたいと思います。申し出のタイムリミットについて、担当課長のほうから報告させます」と述べました。
8月22日の申し出分までは何とかしたい
その後、担当課長からは、国保連合から社保庁に集約する国のタイムリミットが25日と決められているため、20日の締め切りとしたが、区役所の整理状況によってはギリギリ22日までの申し出についても、何とかしたい気持ちを持っていますと述べました。
申し入れ文書は次の通りです
川崎市長 阿部孝夫 殿
2008年8月20日
日本共産党川崎市会議員団
団長 竹間幸一
後期高齢者医療保険料の納付方法の変更手続き期間延長の申し入れ
今年、4月からスタートした後期高齢者医療制度は、これまでの保険料の負担のなかった扶養家族を含めて、75歳以上の高齢者から、保険料を徴収することや、75歳以上の高齢者に対して別立ての診療報酬体系をつくるなど、差別医療に対して反対の声が広がっています。全国では35の都府県の医師会が、県内でも医師会をはじめ、社保協や年金者組合など多くの団体が廃止や見直しを表明しています。
こうした中で、国は制度の一部を見直し、保険料の納付については、年金天引きの代わりに本人や世帯主の口座振替での納付を選択できるようになりました。そのどちらを選ぶかにより、実質増税になることもあることから、その内容の丁寧な周知期間が必要です。
ところが川崎市では「保険料の納付方法の変更」について、通知を発送したのが8月5日であったことから、本人に届いたのは早い人で8月6日でした。通知には「口座振替に変更したい方は8月20日までに申し出ください」と書いてあります。
有無を言わさず年金を天引きすることについて、高齢者から怒りの声があがっていました。保険料の納付について、選択肢が増えることになりますが、これが新たな矛盾を生んでいます。これまで、国保に加入していたら、保険料は住民税の控除対象になりましたが、後期高齢者医療の保険料は4月からは年金天引きされており、税金の控除対象とならなくなりました。
ところが、制度の見直しにより口座振替が可能となり、配偶者や世帯主であるこどもの口座からの振り替えにすれば、住民税の控除対象となります。
同じ年金額でも保険料の納付方法によって、世帯全体の税負担が変わってきますが、こうしたことへの説明はありません。
8月20日までに申し出れば、10月からの納付方法の変更はできるが、それ以降は12月分からの変更になるということであります。高齢者にとって、僅か2週間程度の期間内に手続きをするのは大変なことです。
高齢者の中には、お盆の忙しい時期に、黄色い封筒に黄色の文字で書かれた封書が届き、(同時に国民健康保険の納付方法のお知らせが届きました。)何が来たのか分からず、混乱している人が大勢いるとみられ、「12月からでは確定申告に間に合わない」「何とか手続きの期間を延ばしてほしい」という問い合わせが我が議員団にも沢山寄せられています。
つきましては、制度の変更について、十分な説明をしていただくとともに、せめて8月末まで、手続き期間の延長をしていただきたく、緊急に申し入れるものです。