湯浅誠さんをまねいて貧困問題、公契約条例などで討論会
2008,07,24, Thursday
「シンポジウム 格差社会の中での自治体の役割」開く
「ネットカフェ難民」問題など現代日本の貧困問題を現場から訴え続けているNPO法人自立生活支援センターもやい事務局長の湯浅誠さん、公契約条例への発展をめざして「調達に関する基本方針」を定めた国分寺市の市会議員の川合洋之さんをまねいて、7月20日、中原区で日本共産党川崎市議団がシンポジウムを開きました。
大庭裕子議員が司会を、佐野仁昭議員が開会の挨拶、竹間幸一議員が閉会の挨拶を努めました。また他共産党市会議員も参加しました。
反貧困 これは「彼ら」の問題ではない
湯浅さんは、貧困化してゆく具体例を紹介しながら「誰が相談に来てもふしぎでないくらい相談事例が多様化している。そこに『自衛隊を紹介してほしい』と自衛隊がアプローチしてきている」「貧困の原因は労働市場にあり、貧困ラインは失業者・無職者だけでなく非正規労働者、周辺的正規社員を超えて正規社員にまで貧困ラインがせまっている。中核的正規社員には長時間労働が押し付けられ、それと非正規の貧困はコインのウラオモテになっている。生活相談と労働相談は入口の違いにすぎず、両方に対応が必要。労働市場内とその外側の問題も一緒に考えないといけない」「貧困の問題を『彼ら』の問題と考えることは禁物。『本当に困っている人なら助けるがその人にも問題があるのなら…』の思考と手を切る。それでは『人権』ではない。『完璧』でなくても生きていける社会をつくることをめざしたい」と述べました。
3年後の公契約条例制定をめざして
国分寺市の川合洋行市会議員は、「ゴミ収集運搬事業者が『安値落札』で労働者の賃金が払えなくなり途中で契約解除する事件、前年度実績と基準とした入札制度が年々落札価格を低下させ人件費にしわ寄せされていると考えざるをえない問題などが起きている。公契約条例の制定を求める陳情が採択され同条例制定を求めるシンポジウムが開かれ、市は「調達に関する基本指針」を策定した。これは市発注事業の元請け下請契約や労働条件を「民民問題」としないで、労務単価や下請の代金支払い等に関する労働条件の適正化、価格以外による新たな入札方式の実施により適正な価格水準の確保などをふくむもので、3年後の公契約条例制定をめざしている」と報告しました。
全国一律最低賃金の大幅アップ要求、神奈川県内の公契約条例取り組みの現状、市の福祉窓口の現状について報告がありました。