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日本共産党川崎市議団は、3月19日(水)第1回市議会定例会最終日において、提案された2025年度予算案に反対し、渡辺 学副団長が約192億円の予算組み替えを提案しました。
予算組み替えの中身は以下の通りです。
2025年第1回川崎市議会定例会
予算組み替え動議の提案説明
2025年3月19日
日本共産党 渡 辺 学
私は日本共産党を代表して、2025年度川崎市一般会計予算等の組み替えを求める動議について、提案理由、基本方針及びその内容について説明いたします。
物価高騰はあらゆる分野に及んでいます。2025年1月の総務省消費者物価指数は、総合指数で前年同月比3.2%上昇し、消費者物価指数を用いて負担増を試算すると、家計の一人あたり負担増加額は、2025年は2.7万円、4人家族で11万円増加すると試算している民間保険会社もあります。
社会保障は、年金、医療、介護などあらゆる分野で負担増と給付削減が繰り返されました。第2次安倍政権以降の12年間に、公的年金は実質で7.8%も削減され、目減りした年金額は30兆円を超えています。この30年程の間に、国民年金保険料は2倍、1人当たりの国民健康保険料・税は1.5倍、介護保険料も2倍にもなり、市民の生活を圧迫しています。
日本の子どもの貧困率は11.5%で、約9人に1人の子どもが「貧困ライン」を下回っており、ひとり親世帯については半分が貧困状態にあります。2024年版男女共同参画白書によると、母子世帯の年間平均就労収入が236万円で、母子家庭の母親を含む、非正規雇用の女性がより深刻な状況に陥っています。
世界有数の高い学費に加え、無償とされる義務教育においても、給食費や教材費など重い教育費の負担が暮らしにのしかかっています。高い学費と不十分な奨学金制度によって、若者が背負わされている奨学金の借金は総額10兆円にも及び、この30年間で7倍にもなっています。
日本は、世界でも特異な「賃金が上がらない国」となっています。実質賃金は、1991年から2022年にかけて、アメリカは1.48倍、イギリスは1.46倍になっていますが、日本は1.03倍と、この30年間、先進国で唯一「賃金が上がらない国」となっています。実質賃金はピーク時の1996年から年収で平均74万円も減少しています。日本経済の5割以上を占める個人消費の落ち込みは、国内経済を停滞させ、2024年12月に発表された国民一人あたりのGDPは韓国に抜かれ、OECD加盟国中22位となりました。また、非正規労働者が約4割に上り、貧困と格差が広がっています。さらに全企業数の99.7%を占め、全雇用者の7割を雇用する中小企業は、コロナ債務の重圧に加え、円安による原材料費高騰が直撃し、物価高騰で苦境に追い込まれています。
こうした中、地方自治体には国の悪政から市民生活を守る防波堤の役割を果たすことが求められていますが、新年度予算案は、市民の福祉や暮らし、市内中小企業への支援、雇用対策など極めて不十分なものとなっています。
その一方で、不要不急な大規模事業への予算は大幅に増えており、市民にとって必要のない臨港道路東扇島水江町線整備に約35億円、コンテナターミナル整備事業に約30億円、東扇島堀込部土地造成事業に約28億円、扇島地区等の大規模土地利用転換に約7億円など、臨海部に係るものとして約114億円といった多額の予算が計上されています。
我が党は、市民生活を支えるための緊急課題に絞って、次の組替えの基本方針及び内容により2025年度予算案の再提出を求めるものです。
組替えの基本方針は、
第1に、2024年1月1日に起きた能登半島地震の教訓から、防災対策の第一の要である旧耐震基準の木造住宅の耐震化促進を図るため、今年度予算の助成対象件数と限度額を更に拡充する。また、災害時の避難所トイレに活用できるよう、トイレトレーラーを各行政区に1台配置することです。
第2に、子育て世代の賃金・経済状況が悪化しているため、第2子保育料の無償化を行い、保育料の負担軽減を図る。また、保育士の平均年収が全産業平均より低く、保育士の確保が困難になっているため、市単独の保育士への処遇改善を更に上乗せする。小児医療費助成制度の一部負担金を撤廃し、助成対象を高校卒業・18歳まで拡充する。私立幼稚園の入園料について補助制度を創設する。一人ひとりの子どもに目が行き届き、学習・生活指導などあらゆる面から教育条件を改善する有効策として、少人数学級を中学3年生まで実施する。非営利で保護者からの利用料だけで運営している自主学童保育へ助成を行うことです。
第3に、がん対策として、15歳の尿検査でピロリ菌検査を行い、除菌も実施する胃がん対策推進事業を行うことです。
第4に、高齢者に増税・負担が集中している状況下で、介護保険料の基準額を第7期の額に戻し、19段階にする。安心して介護を受けられるよう、介護援助手当を復活、特別養護老人ホームを増設し、人材確保が困難な介護老人福祉施設等に職員の定着・確保を図るための支援を行う。補聴器の購入費用の助成制度を創設する。削減した障害者支援施設等運営費の市単独定率加算を復活させるとともに、非課税世帯等の低所得の障がい者の医療費を無料にし、重度障害者等入院時食事代補助制度を復活することです。
第5に、貧困と格差が拡大している状況下で、被保護世帯への上下水道料金の基本料金減免の復活により、低所得世帯への生活応援を図る。とりわけ、子どもの貧困が深刻化する中で、小・中学校の給食費無償化、小・中学校の自然教室の食事代補助、生活保護・就学援助世帯の入学祝金・修学旅行支度金・就学援助世帯への眼鏡支給・社会見学等の実費支給補助を復活するとともに、市立定時制高校の夜食代補助を復活することです。
第6に、大学生の約半数が奨学金制度を利用していることから、若者支援として返済が不要な給付型大学奨学金を拡充し、生活を支えるため、単身者家賃補助として1か月1万円の補助を行うことです。
第7に、中小企業活性化条例の施行にふさわしく、工場の家賃や機械リース代などの固定費補助制度創設で中小・零細企業を直接下支えする。建設業の振興とともに経済波及効果が大きく、市民にも喜ばれる住宅リフォーム助成事業を創設する。奨学金返還支援制度を拡充し、雇用をめぐる環境が厳しい中、こうした取組により雇用拡大を図ることです。
第8に、交通不便地域での市民の足として、コミュニティバス事業を行うことです。
第9に、国際コンテナ戦略港湾関連や、臨海部の基盤整備等への投資、臨港道路東扇島水江町線など市民生活にとって必要性が示されない橋の整備、高速川崎縦貫道路など、不要不急の大規模事業を中止・延期することで、一般会計の市債発行を抑制し、後年度負担の軽減を図ることです。
組替えの内容ですが、不要不急の大規模事業の中止と基金からの借入れ、取崩しなどにより、後年度負担を軽減するとともに、約192億円を確保します。歳出予算として提案しましたアからホまでの30事業に充当するものです。この組み換えによる総事業費は約227億円、一般財源で約192億円です。市債の発行は約56億円削減できます。
ア 防災のための木造住宅の耐震補強工事への補助(200件×200万円)
イ トイレトレーラーの配置(各行政区に1台 7行政区分)
ウ 胃がん対策推進事業の実施(ピロリ菌検査料、除菌治療)
エ 介護保険料の基準月額保険料を第7期の額(5,825円)に回帰
オ 特別養護老人ホームの緊急増設(5か所)
カ 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設の人材確保のための補助(1施設当たり500万円を支給)
キ 介護援助手当の復活
ク 補聴器購入費用の助成
ケ 障害者支援施設等運営費の市単独定率加算の復活
コ 障がい者で低所得1、2の方の医療費の無料化
サ 重度障害者等の入院時食事代補助の復活
シ 被保護世帯への上下水道料金の基本料金減免の復活
ス 国民健康保険料について、1世帯年額1万円減額
セ 国民健康保険料について、19歳未満の子どもの均等割の免除
ソ 第2子保育料の無償化
タ 認可保育所等の保育士の処遇改善
チ 私立幼稚園の入園料の補助(入園料1人10万円補助)
ツ 小児医療費助成の一部負担を撤廃し、高校生まで無料化
テ 小・中学校の就学援助費の復活(生活保護世帯等への入学祝金・修学旅行支度金、眼鏡支給・社会見学費等)
ト 少人数学級を中学3年生まで実施
ナ 小・中学校の給食費無償化
二 小・中学校の自然教室の食事代補助の復活
ヌ 自主学童保育の補助(1か所500万円×20か所)
ネ 定時制高校夜食費の復活
ノ 給付型大学奨学金の拡充(入学金1人15万円、授業料年40万円補助100名)
ハ 単身者家賃補助(月1万円×12か月×2000人)
ヒ 中小・零細企業への固定費(貸工場の家賃、機械のリース代等)の補助
フ 奨学金返還支援制度の拡充
へ 住宅リフォーム助成制度の創設
ホ コミュニティバス事業の実施
物価高騰の中、さまざまな負担増で市民のみなさんの生活が苦しさを増しており、こうした市民生活の実態に思いを寄せる議員各位のご賛同を心から呼びかけ、予算組み替えの提案説明とさせていただきます。