補助犬ユーザーの会と懇談しました。
7月8日(月)に日本共産党川崎市会議員団は、補助犬ユーザーの会と懇談しました。同会から8名の方が参加されました。
冒頭、代表の方から「議員の皆様にもお力添えいただき、昨年度は補助犬医療費助成の予算が付きました」とのご挨拶をいただきました。
同席された、神奈川視覚障害者の生活と権利を守る会や、日本盲導犬協会の方々と共に、川崎市での盲導犬ユーザーの状況と、市への要望について意見を交わしました。
市議団からは、皆さんの粘り強い運動が着実に成果を出していること、川崎駅アゼリア地下街の点字ブロック設置についても議会で取り上げてきたことをお話しし、引き続き一緒に運動に取り組んでいきたいと話しました。
要望内容は、以下の通りです。
① 所得制限を外してください。
市民税、年4万円以上のユーザーは助成を受けることができません。
会社に勤めているユーザーは助成の対象外になります。
現在市内に9頭の補助犬(盲導犬8頭、不明1頭)がいまが、予算は9頭分あるのに多くのユーザーが助成を受けられません。
補助犬ユーザーが所得に関係なく、平等に助成を受けられるようにしてください。
②申請手続きを簡素化する仕組みをつくってください。
申請書類が数種類あり、毎年年度の初めに利用対象かを審査のための申請書を提出し、年度末に助成金の請求申請書を提出が必要です。
年度末の助成金の請求申請には、領収書の中のどれを請求するか一覧表を書くことになっています。
私たち盲導犬ユーザーは、見えないためそれらの申請書類を書くことができません。
犬を登録するときに補助犬であることも登録されます。
一度登録すると毎年を保健所からユーザーに狂犬病予防接種の接種券と減免票が送られてきます。
その情報を活用して申請手続きを簡素化する仕組みをつくってください。
障害者社会参加・就労支援課長は、狂犬病予防接種は各区の保健所が担当しているため、国が定める公務員のコンプライアンスの規定により、部署をまたがる情報共有はできないので、申請書の記入は家族やヘルパーさんに代筆を頼んで対応してください、と言っています。
同じ健康福祉局内でも情報共有はダメなのでしょうか。
ヘルパーさんにお願いするためには通常の利用時間枠から代筆の時間を捻出しなければなりません。家族であってもリラックスしたい時間に頼むのは心苦しいです。
川崎市の補助犬ユーザーは主に視覚障害者です。視覚障害(見えない・見えにくい)に配慮した仕組みをつくってください。
③ユーザーが立て替えなくてよい仕組みをつくってください
動物病院を受診した時は代金をユーザーが立替払いをすることになっています。健康診断や混合ワクチンなど高額な代金も立て替えになり、受診時の負担は以前と変わらず大きいです。
一頭につき年6万円と決まっているのであれば、福祉タクシー券のようなチケットや医療証の提示など、ユーザーが立て替えをしなくてもよい仕組みをつくってください
④川崎市は盲導犬ユーザーへの偏見を解消してください
3月31日の説明会で障害者社会参加・就労支援課長から、盲導犬ユーザーに対する偏見と受け取れる発言がありました。
担当部署の以下のような考え方は、障害者を支援する立場でありながら大きなバリアとなっています。
就労や積極的な社会参加のために盲導犬を選択し、自立した生活をしたいと考える視覚障害者の自立を阻むものです。
ア.視覚障害者が盲導犬を選択した時点で医療費、フード代等、犬の飼育にかかる費用が自己負担になることを納得してい る はずである。
犬を飼育できるだけの金銭的余裕があるから盲導犬を選択したのである。
「身体障害者補助犬法」に「健康管理」「衛生管理」「行動管理」がユーザーの義務と記してある以上、飼育費用は当然全額自己負担であり、法律に自治体が補助すると記されるまでは自治体が補助するものではない。
盲導犬に医療費補助を出すことは、盲導犬を持たない視覚障害者に対して不平等になる。
私たちが盲導犬を選択した理由は、就労や社会参加をしたいと考えたからです。犬を飼育する目的が社会的不利益を補う手段のである補助犬と愛玩用のペットでは全く違うことを理解していません。
他の視覚障害者団体からも「医療費助成」の要望は出ており、導犬を持たない視覚障害者が不平等を感じているとは思えません。
イ. 盲導犬を希望する視覚障害者も多くいるが、新規の場合は数年待たないと盲導犬を持てない。その状況で、既存ユーザーだけがすぐに新しい盲導犬を持てるのは不平等である。
盲導犬の育成頭数が少ないことは、私たちも知っていまが、その背景はユーザーにはどうすることもできません。
既存ユーザーが優先される理由は、育成団体にきちんと確認して、正しく理解してください。
ウ. 川崎市では通勤・通学にガイドヘルパーを利用できるので、視覚障害者の外出はガイドヘルパーを利用すれば良い。
川崎市の視覚障害者には盲導犬は必要ないと受け取れます。しかし、ガイドヘルパーは登録人数に比べて実際に稼働している人数は少なく、高齢の方が多いのが実情です。
日常の外出でも複数の事業所と契約して、ガイドヘルパーを確保している状況です。
通勤でガイドヘルパーを使うことは、ラッシュ時間帯の混雑の中を高齢の方と歩くことになり、かえって事故に遭う可能性があります。
会社側も勤務先まで単独で通勤できないと雇ってくれません。
エ.
区役所に行くときは盲導犬を置いてヘルパーを使っているんでしょう。勝手な憶測での発言で、ペットと盲導犬の違いを全く分かっていません。
私たちは、自分の目である盲導犬を家において出かけることはありません。
⑤ガイドヘルパーの調査をしてください。
ア 実際に活動している人数
イ 通勤、通学時にヘルパーを使っている人数
ウ ヘルパーの平均年齢
⑥日常用具について
ア 音声付きグリルレンジを日常用具に指定してほしい。
イ 音声血圧計を日常用具に指定してほしい。
高齢者が多く健康管理に必要です。横浜市はすでに指定されています。
又その他の市町村でも日常用具としになっています。