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意見書提案「福島第一原子力発電所事故により発生した汚染水(ALPS処理水)の海洋放出中止を求める意見書(案)」(2023年第四回、川崎市議会定例会)

2023年10月13日の川崎市議会定例会で、斉藤のどか議員が意見書提案を行いました。議員各位へ賛同を呼びかけましたが、残念ながら反対多数で否決となりました。

【意見書とは】 地方公共団体の公益に関することに関して、議会の意思を意見としてまとめた文書のことです。 地方自治法第99条には「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」と規定されており、具体的には議員が発案して本会議にはかり、議長名で関係機関に提出します。

福島第一原子力発電所事故により発生した汚染水(ALPS 処理水)の
海洋放出中止を求める意見書(案)

 政府は、本年 8 月 22 日、東京電力福島第一原子力発電所から発生した汚染水を多核種 除去設備(ALPS)によって処理した ALPS 処理水の海洋放出について決定し、同月 24 日よ り海洋放出が開始された。
 核燃料が溶け落ちたデブリに接触して汚染された水は、 ALPS で処理しても、トリチウムが 除去できないだけでなく、それ以外のセシウム、ストロンチウムなどの 放射性物質についても 国の規制基準を下回るとはいえ含まれている。
 2015 年 8 月、政府と東京電力は、福島県漁業協同組合連合会に対し、東京電力福島第 一原子力発電所から発生する汚染水について、関係者の理解なしにはいかなる処分も行わ ない、と文書により約束を交わしているが、今般の政府の海洋放出の決定にあたって、全国 漁業協同組合連合会は 、漁業者や国民の理解を得られない海洋放出に反対する 立場は変 わらないと表明している。
 直近の報道機関の世論調査では、海洋放出に関する政府の説明について、不十分と回 答した人は 81.9%に上り、国民の理解を得られてるとは言い難い。
 地方議会においても、福島県内のおよそ 4 割に当たる 23 の市町村議会が海洋放出に関 する意見書を可決し、方針の撤回や反対、陸上保管、風評被害対策や丁寧な説明等を国に 対して求めている。
 また、国連人権理事会の普遍的・定期的レビューの日本に対する第 4 回審査において、 処理水の放出は太平洋諸島フォーラムの独立評価の結果を待つこと、太平洋の人々と生態 系を守るよう代替案を策定すること 、安全性について満足がいく科学的根拠を更に示すこと なく処理水の放出は行わないことなど、6 か国から 12 の勧告を受けている。
 よって、国におかれては、モルタル固化や大型タンク保管、広域の遮水壁の設置等につい ての真剣な検討と対策を行い、海洋放出を直ちに中止するよう強く要望するものである。
 以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。


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