市政と市民のくらしを結ぶ
議会報告

2010年第1回川崎市議会定例会で市古てるみ議員がおこなった予算組替え動議の提案説明

3月18日に市古てるみ議員がおこなった予算組替え動議の提案説明は以下の通りです。

私は日本共産党を代表して、2010年度川崎市一般会計予算等の組替えを求める動議について、提案理由、基本方針及びその内容について説明いたします。

川崎においても、非正規労働者など「働く貧困層」の増大は年収200万円以下の労働者が19万人以上にのぼり、経済不況を口実にした大企業の大規模な非正規・派遣労働者の解雇や雇い止めによる失業者も増大しています。非正規労働者のみならず、正規労働者も含めた勤労者全体の所得の減少が、人口増にもかかわらず、個人市民税が97億円も減となった要因となって表れています。

国民のくらしを守るには、雇用・中小企業を守り、社会保障の拡充をはかることが求められていますが、民主党政権は根本的な転換策をとろうとはしていません。こうしたもとで地方自治体には市民生活を支える市政運営が求められています。こうした立場から市民の切実な要望を実現し、市民生活をしっかり支えるため、次の組み替えの基本方針及内容により、2010年度の予算の再提出を求めるものです。

組替えの基本方針は、第1に深刻な経済危機の長期化で中小・零細業者の営業・くらしが深刻ななか、公共工事の発注を増やし、工場の固定費補助、コーディネート支援事業の10倍化で、直接下支えをする支援をおこなう。木造住宅耐震改修などの助成を大幅に増やすなどです。

第2は貧困と格差が拡大しているもとで、低所得世帯への生活応援をはかること。子どもを貧困から守り、貧困の連鎖を断ち切るための手立てをとること。そのためにも「行革」で削減した就学援助品目、支給額を元に戻すこと。高校奨学金の予算を増額し、受給資格のある生徒全員が受けられるようにすることなどです。

第3に子育て・教育にかかる費用が大きな負担になっていることから認可保育園の緊急増設、私立幼稚園保育料補助の増額と入園料補助創設、子どもの医療費助成制度の所得制限を撤廃し、中学生まで拡充する。どの子にもきめ細かな指導が行き届く少人数学級を小学2年生まで拡充する。食教育の一環として中学校給食を実施することなどです。

第4に、高齢者に増税・負担が集中しているもとで、安心して医療・介護が受けられるために、老人医療費助成事業と介護援助手当を復活し、特別養護老人ホームを増設すること。介護施設等の職員の定着・確保をはかるための支援を行う。障害者の低所得1,2の方の利用料を無料にするなどです。

第5に、企業誘致の補助を行うイノベート川崎の中止やガントリークレーンの新たな設置、羽田空港再拡張に伴う国への事業貸付金、殿町3丁目の土地の購入など不要不急の大規模事業を中止・延期し、一般会計および水道・工業用水道事業会計の市債発行を抑制することにより、後年度負担の軽減を図ることです。

組替えの内容ですが、歳入予算として、高速川崎縦貫道路関連事業、羽田空港再拡張にともなう「神奈川口構想」関連事業の中止、臨海部再生関連、東扇島コンテナターミナルガントリークレーン3号機の設計等、廃棄物埋め立て護岸の整備などを中止・延期し、競輪施設等整備事業基金、競輪事業運営基金、港湾整備事業基金、土地開発基金等の当面使用する予定のない基金の中からの借り入れなどで、約110億円を確保します。

歳出予算として、提案いたしましたアからネまでの事業に充当するものです。この組み換えによる総事業費は一般財源で約110億円で、市債と企業債の発行は約35億円削減できます。

長引く経済不況のなか、市民のみなさんの生活実態に思いを寄せる議員各位のご賛同を心から呼びかけ、予算組み替えの提案説明とさせていただきます。


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