市政と市民のくらしを結ぶ
議会報告

2010年第1回定例会で竹間幸一議員がおこなった代表質問の要旨

2010年川崎市議会第1回定例会で、3月3日、日本共産党の竹間幸一市議団長がおこなった代表質問の要旨をお知らせします。

新年度予算案の特徴と評価について

竹間議員は、新年度予算の最大の特徴は市税収入の大幅減少であり、中でも昨年は法人市民税の落ち込みをカバーした個人市民税が97億円も減少したことで、その原因は長引く不景気で市民のくらしが底なしの悪化を続けていることにあると指摘。市民の雇用安定と地域経済の土台を支える中小企業への支援を強化することを要求しました。 市長は、今の制度を紹介するだけで、市民と中小・零細企業の生活と営業に実態に全く思いを寄せない冷たい態度に終始しました。

高校生など若者の雇用確保を

県内高校生の就職希望者内定率は昨年12月時点で67,6%と全国ワースト4の深刻な状況。北九州市は市長自ら市内企業を訪問し求人開拓をしたことを紹介。阿部市長も先頭に立って雇用確保に動くよう求めたのに対し、国の制度活用を述べるに止まりました。

中小企業支援について

先の見えない不況で市内の倒産件数が高い水準の中、新年度予算の中小企業支援事業費は約2400万円も減額されている事実を示し、機械るリース代や家賃補助などの固定経費補助を行なうよう要求。

公契約条例の制定と入札制度改善について

公契約条例については、新年度中に制定することを表明。また、低入札価格調査時に一定の基準以下の入札を無効とする「失格基準」の導入と最低制限価格の対象工事の範囲拡大について新年度の早い時期に実施することが約束されました。

貧困から子どもを守る施策

就学援助の拡大について、国は新年度7月からPTA会費や生徒会費なども項目に含める予定であることを示し、本市も前倒しで実施するよう求めました。同様に、国が7月に実施する予定の、無保険の若者をなくすため短期保険証を高校生世代まで発行するよう要求。

子育て支援策について

小児医療費助成制度については所得制限をなくし中学生までの拡大を要求。私立幼稚園保育料補助について、国の補助単価見直しでEランクとの逆転現象がおきるDランクに市は上乗せをしたが、新年度、市の保育料平均額がまた増額になったと指摘。Dランクへの補助増額を要求。

保育園の待機児解消について

今年2月の認可保育所の入所申込み者は市6367人で、不承諾数は2513人、約40%に。竹間議員は、潜在的なニーズはさらに高まることを指摘し、待機児ゼロにするための緊急対策をとることを要求しました。公立保育園の民営化、学童保育の問題も質問。

教育問題について

教員の欠員問題の解消と、小学校2年生までの少人数学級実施を要求。ランチサービスの喫食率が下がっている事実を示し、中学校給食の実施を要求したのに対し、はじめて小学校の給食室活用を検討していると答弁。

道徳副読本について

副読本を学校備え付けで共用で使用することは問題ないにもかかわらず生徒1人1人に購入させ、その額は3千万円にのぼっています。

竹間議員は、文部科学省に誤りがあったとしても、その説明を鵜呑みにした市教育委員会が責任を取るべきで、保護者に責任転嫁すべきでないと主張。市は「教育的効果が高まる」などと責任逃れに終始しました。

障害者施策について

国は低所得1,2の方の福祉サービスと補装具の利用料を無料にする方向ですが、市独自の地域生活支援事業についても無料とするよう要求。川崎市心身障害者手当を削減せず充実すること、障害者施設で働く労働者の労働条件改善のための補助増額を要求。

特別養護老人ホームの整備を急げ

1月末で待機者が5,339人となっているのに、08・09年の開設はわずか29床に過ぎません。 竹間議員は、待機者の数を低く抑える要介護度3以上という入所基準を撤廃し、希望する人すべてが入所できるよう整備計画を抜本的に引き上げるよう要求。介護施設などでの実効性のある人材確保策も要求しました。

防災対策について

防災対策の中心である旧耐震基準の木造住宅の耐震改修について、新年度予算では耐震診断士派遣事業が500件に対し、改修工事がは10分の1以下の40件という事実を指摘。助成限度額を倍にし、補助率2分の1を引き上げるよう要求。

コミュニティ交通について

コミュニティ交通の本格運行に向けた支援についてただしたのに対し、高石地区については本格運行の適用に向け検討する、有馬・東有馬地区については、試行運行を実施するとの答弁がありました。

殿町3丁目地区中核施設整備事業について

川崎市が都市再生機構より1,3ヘクタールの土地を23億5千万円余で購入し、第1段階で0,6ヘクタールを財団法人実験動物中央研究所に貸し付け、第2段階で0,7ヘクタールを公募で貸し付け、建物を建ててもらって川崎市が借りるというもの。

第3段階も同じようなスキームで企業誘致を図っていくことが予想され、こうした企業誘致策を続けていくことが今必要なことではないと批判しました。

コンテナターミナルの整備について

新年度予算に3機目のガントリークレーン(1機約16億円)の設計費が計上されました。

答弁では、船会社からの要望や物流拠点地域に誘致した企業からの要望をあげているが、週に9隻程度の利用しかないコンテナターミナルの取り扱い量をみれば、新たに整備する必要は全くないと批判しました。

かながわ廃棄物処理事業団に対する損失補償やめよ

かながわ廃棄物処理事業団の解散にともなう、政策投資銀行への11億6千万円の損失補償について、川崎港コンテナターミナルの債務に対し、川崎市が「損失補償」した事件の裁判で、すでに「違法」だとの判決が出て確定していることを指摘。これとまったく同じ構図となる違法な支出はとりやめるよう主張しました。


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