住民福祉への行政の公的責任を狭める「基本構想」「基本計画」、市民サービス削減・負担増の「行革」に反対~井口真美議員が代表討論
川崎市議会第5回定例会で12月16日、井口真美議員が提案された議案について代表討論を行いました。
川崎市基本構想・基本計画について、同時に提案された「行革」素案では、こどもの医療費助成や重度障がい者医療費助成への一部負担金導入、保育園保育料の値上げ、一般ごみの有料化など市民サービスのさらなる切捨てと負担増が検討されていることを指摘しました。今後6230億円もの大規模事業を行なっても問題ない豊かな財政状況で「行革」を行なう理由がなく、きっぱりやめるよう要求しました。
そのほか、第161号、第163号、第172号、第173号、第181号、第183号、第193号、第209号について反対しました。上記以外の議案第171号川崎市中小企業振興条例、議案第184号中部・北部給食センターの契約の締結などについては賛成しました。
討論原稿は以下の通りです(議事録ではありません)。
井口真美議員の代表討論
私は日本共産党を代表して、今議会に提案された諸議案について討論を行ないます。
川崎市基本構想・川崎市基本計画についてです。市長は今回の新総合計画の提案にあたり、「『安心のふるさと』『力強い産業都市』の調和を図り、市民が愛着と誇りを持てる『最幸のまち かわさき』をめざす」と強調されました。そのもとで提案された「基本構想」「基本計画」です。
いま川崎市民の生活実態はどうなっているでしょうか。1997年から2013年の16年間で労働者の平均年収は70万円も減収となっています。川崎市では、1997年から2012年までの15年間で非正規労働者は2倍となっており、それに伴い、年収300万円以下の労働者は31.5万人、市内労働者の44%、年収200万円以下の労働者は26.5%、19万人にのぼっています。深刻なのは年収100万円から199万円の階級では1.6倍にも増えていることです。
基本構想でいえば今後30年間を見通し、10年間にわたる施策を展開するにあたっては、こうした市民の現状に心を寄せた構想・計画とすべきです。そのためにも、憲法でうたわれ、地方自治法第1条の2第1項に、自治体の責務として規定された「住民福祉の増進をはかる」ことをしっかりと規定すべきと要求したのに対し、市長答弁は、「『安心のふるさとづくり』と『力強い産業都市づくり』による、成長と成熟が調和した持続的な発展が広く住民の増進につながるものと考えている」というものでした。「力強い産業都市」がつくられ、「成長と成熟が調和」すれば、「住民福祉の増進」が図られるというのは、「市の経済成長がうまくいけば市民に恩恵が回ってくる」という発想で、逆立ちした考え方であるといわなければなりません。真正面から、「住民福祉の増進を図る」と位置づけ、その理念にもとづき、福祉施策の充実を図る基本計画とすべきです。
今回の総合計画では、日本全体の「少子高齢化のさらなる進展、人口減少への転換、生産年齢人口の減少」を強調しています。総合計画の前提となる将来人口推計では、2030年152万人をピークに人口減少へと転換するといいますが、30年後の2045年推計で146万人、今年の147万人から1万人少ないだけです。就業者人口をみても、2010年度は64万人44.8%、2030年度は66万人43.4%で、就業者の割合はわずか1.4%低下するだけです。5年後の2020年に超高齢社会の到来といいますが、2019年以降は収支不足が解消する見通しです。つまり、少子高齢化はマイナス要因ではないことを自らが認めていることになります。
2014年度の川崎市の財政力指数は前年度に続き政令都市でトップであり、今後の財政見通し素案でも市の歳入はほぼ右肩上がりで推移し、2019年度以降、黒字になることが明確になりました。減債基金の積立残高は、毎年返済を行なっても2015年度末に1848億円、その後も毎年増え続け、2025年度には3000億円を超え、一般会計の約半分に匹敵する額になるほど豊かです。代表質問のやり取りでも、連合審査会で出された「大規模事業一覧表」の6230億円もの残事業費について「決して無理のあるものではない」と答えました。これは、川崎市には6230億円もの大規模事業をやる財政力があるということ、つまり財政が厳しくないことを認めたものです。
それなのに、総合計画には市民の切実な要求を実現する施策の展開はきわめて不十分です。その一方で際立っているのが、新たに互助を加えた、自助・互助・共助の強調です。これは、自助でまずやらせて、それでできないところを互助・共助、それでもできないところを「公助」でやるという、公的責任を非常に狭め、自治体の果たすべき役割を限りなく後景に追いやる主張です。しかし、そもそも、「公助」としての自治体のナショナルミニマム保障の支えがあってこその自助・共助です。「安心して住み続けられる川崎」といえるような構想・計画とするためには、市独自の福祉施策の充実こそ求められているのではないでしょうか。総合計画に「住民福祉の増進」をしっかりと明記し、少子化を克服するための子育てしやすい環境整備、高齢者の施策充実など市民要求実現を公的責任で拡充することを実施計画にしっかりと位置づけるべきです。ところが、市長は、福祉施策の充実どころか、新たな行財政改革として、わずかに残された高齢者・障がい者などの福祉サービスの削減のみならず、市民に対する使用料、手数料のさらなる負担増を打ち出しました。
「行財政改革に関する計画素案」では、小学校全児童対象の「わくわくプラザ事業」の利用者全員からの利用料徴収、子どもの医療費助成事業に一部負担金の導入、保育所保育料の値上げ、ひとり親家庭の特別乗車証交付事業の見直し、一般ごみの有料化、事業系一般廃棄物処理手数料の値上げ、市民農園の利用者負担の値上げ、高齢者外出支援乗車事業の年齢引き上げと料金値上げ、高齢者に対する市単独事業の更なる削減、重度障害者医療費助成事業にも成人ぜん息患者医療費助成制度にも負担導入、テニスコート・野球場なども利用料値上げ、バラ園の有料化の検討など、市民サービスのさらなる切り捨てと負担増が検討されています。
問題なのは、今後6230億円もの大規模事業を行なっても問題ないと答えたように、川崎の財政がまったく厳しくないのに、こうした市民への負担増が出されていることです。財政上まったく必要のない行財政改革はきっぱりやめるよう求めておきます
市民の所得は増えない、年金額は引下がる、このままいけば2017年度には消費税10%の増税が市民に重くのしかかる中、市民生活に追い討ちをかける容赦のないもので、これが福田市長のめざす「最幸のまち」「誰もが幸せを感じられる川崎」を具体化する「総合計画」の中身だということです。以上より、川崎市基本構想・基本計画には賛成できないものです。
議案第161号川崎市事務分掌条例の一部を改正する条例についてです。この条例は、局の再編を行い、新たに総務企画局・こども未来局とともに、局相当の臨海部国際戦略本部を創設するものです。これまでの国際戦略特区に関連する投資のうち、主な土地購入費用だけをとっても、2010年度の実験動物中央研究所には23億円、2012年度以降の国立医薬品食品衛生研究所の30億6千万円、2013年度のものづくりナノ医療イノベーションセンターには16億4千万円など、巨額の費用がすでに投入されています。また今議会でも国際戦略特区関連で、総額1000億円が投じられることが明らかになりました。11月26日に文科省の外郭法人が公募し、「国の支援で最先端の研究開発拠点を発展させる」とする『リサーチコンプレックス推進プログラム』の採択が行われました。川崎市は本年度から支援が受けられる“採択拠点”とはならず、再審査を受け来年度末までに採択を判断される“FS拠点”に選定されました。
今回“採択拠点”とされた神戸市では、医療産業都市関連事業に国と県も合わせると3400億円もの予算を投じて基盤整備を行ってきましたが、2014年度までに進出した医療関連企業の437社の3分の1以上、155社がすでに撤退しています。本市がこの局再編でめざすとする「臨海部の持続的発展」を実現しようとすれば、際限なく投資を続ける悪循環になることは避けられないと言わざるを得ません。巨額の投資が求められる国際戦略拠点づくりのために、「迅速かつ機動的に取り組む」というのが局相当の「本部」をつくる目的というこの議案には賛成できません。
議案163号川崎市行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例の制定についてです。川崎市でも通知カードが11月17日から配達を開始しましたが、26日には川崎区で通知カードが違う世帯に配達されるという、誤封入が起きました。この通知カードの印刷、封入は地方公共団体情報システムに委任されて行われたということであり、事故原因については現在、調査中ということです。今回の条例改定では、川崎市の保育所の事務、子どもの教育・保育給付の際の事務、重度障害者手当支給などの事務の際に地方税関係の情報を利用するための条例改定です。保育、教育、障がい者関係の職場の上記の事務にもマインバーの取り扱いを広げることにより、情報漏れの危険性はますます高まります。また、今回の神奈川県在宅重度障害者等手当支給条例に伴う改定は、独自事務です。これは法定事務以外に利用範囲を広げるということであり、さらに情報漏れの危険性は高まります。わが党は、マイナンバーに対して反対し、制度の中止と延期を求めていますが、今回の改定も、取り扱いや利用範囲を広げ、情報漏れの危険性が高まることから、この議案には反対です。
第172号川崎市保健所条例の一部を改正する条例の制定についてです。代表質問の答弁で、地域保健法では、保健所支所への医師の配置は、「必置」ではないことがわかりました。同時に、「保健所や支所の行う公衆衛生や地域保健の業務が母子保健、精神保健、感染症対策、健康づくりなど多岐にわたっていて、高い専門性が必要とされている。医師会や地域の関連団体との連携、医療と介護の連携など地域包括ケアシステムの構築に向けた取組においては、医師の役割はますます重要となってくることから、今後とも医師を配置してまいりたい」とのことでした。だとしたら、従来どおり、各区の保健所は継続すべきと考えます。そのうえで、新型インフルエンザや大規模食中毒などの健康危機管理体制の強化も重要と考えることから、健康福祉局の医療政策推進室の強化を図るべきと考えます。将来を考えた場合に、法令上、医師職を必置としない支所とすることは、賛成できません。
議案第173号川崎市葬祭条例の一部を改正する条例についてです。内容は受益者負担の適正化の観点から火葬料を値上げするというものです。川崎市の火葬料は長い間低額に抑えられてきました。低額な火葬料金は、川崎市が亡くなられた方への哀悼を示し、市民を大切にしてきた象徴として続けてきたものと私たち市民は誇りに思ってきました。火葬料無料の自治体もあります。火葬料は受益者負担になじまないことからも、本議案には賛同できません。
議案第181号神奈川県道高速横浜羽田空港線等に関する事業の変更の同意についてです。これは、神奈川県道高速横浜羽田空港線などの運賃の改定に関し、本市が首都高速道路株式会社より道路管理者の同意を求められているものです。料金改定の内容には、車種区分を現在の2種類から5種類に分類し、それぞれのランクで上限料金を引き上げるものです。現行で普通車の上限金額が930円なのに対し、普通車が軽自動車と普通車、中型車に分類され、軽自動車1070円、普通車1300円と値上げされます。中でも、営業車も多い中型車は2020年まで1380円、21年からは1530円と1.6倍にもなります。運送業者からは、「トラック運送業者は99%が中小企業であり、多くが赤字経営をしている」「原価に見合った運賃を取るのは困難」との悲鳴が上がっており、激減緩和や大口利用の割引継続などが盛り込まれているものの、市内事業者、ひいては市内経済に深刻な影響をもたらすものであり、同意できません。
議案第183号負担付きの寄附の受納についてです。本議案は、等々力第一サッカー場のグラウンドの人工芝を張替え夜間照明を設置することを民間企業が寄附行為として整備し、その見返りにその民間企業が優先的に使用できる優先枠を提供する負担付き寄附の受納について議会の議決を求めるものです。そもそも、公共施設整備は川崎市の責任ですすめるべきで、グランド確保の手配で困難を抱えている市民に抜本的に利用枠を増やし多くの市民が活用できるようにすべきです。しかも、今までの第2サッカー場の実績で示されているように、平日利用で、利用率が95%を超えている16時枠と18時30分枠は、週3日間も寄付を行った企業の優先枠となり市民は利用できません。また、土・日についても市民利用はそれぞれ月2日と限定されてしまいます。施設を企業からの寄付を受け、その見返りに寄付を行った企業に優先枠を設けるということは、公共施設としてなじみません。よってこの議案には賛成できません。
議案第193号川崎市こども文化センター及び川崎市ふれあい館の指定管理者の指定についてです。私たちは、指定管理制度導入当初、職員の専門性と継続性が何よりも重要な事業であり、管理経費の縮減を図ることを目的のひとつとする指定管理者制度はなじまないとして反対した経過から、本議案についても賛成できません。
議案第209号平成27年度川崎市港湾整備事業特別会計補正予算についてです。これは当初見込みを上回るコンテナ貨物の補助金を増額するための補正予算ですが、そもそも、外貿による貨物量の増加を前提にした補助でありながら、横浜からのはしけ輸送コンテナ貨物にも補助を出しています。横浜港との経営統合というならば、補助金を出す必要がありません。また、貨物量が増えれば、効率が上がり、コンテナ単位当たりの経費が下がることになるわけですから、コンテナ貨物が増えたとしても、増額の必要は無いのではないでしょうか。そもそも、コンテナ貨物の補助を当てにしなければ成り立たない事業というのは、やめるべきであり、本議案については、賛成できません。
議案第171号川崎市中小企業活性化のための成長戦略に関する条例についてです。2000年の「地域経済振興基本条例」制定直接請求運動に示された市内中小企業者と市民の条例制定の強い願いを受け止め、私たちは、条例化を求めてきた経過もあり、このたびの条例化には、市内中小業者の願いが実ったものと受け止めています。ただ、条例制定にあたっては、現状を深く把握し、理念条例にとどまらず、実効性のあるものとして活用でき、かつ、一つ一つの施策について検証するための機能を兼ね備えたものであるべきと考えて議論してきました。
条例制定の趣旨では、「川崎市の中小企業は事業所数の99.6%、従業員数の76.9%など市内の大半を占め、地域社会に欠かせない存在であるとともに、新たなサービスの創造や新事業創出など地域の雇用創出、地域経済の発展にも大きく貢献している」と明確に規定していますが、前文では、市内経済の主役としての位置づけが不明確と感じています。経済労働局長は、「中小企業の大切さや重要性を踏まえ、本市としての中小企業支援を支援する姿勢の明確化を図る」と答えていますが、「地域経済の主役」としての位置づけにふさわしい具体的施策の展開を求めておきます。
また、中小企業の活性化が、市民生活とどのような密接な関係があるのかを表す上で、雇用の位置付けは欠かせません。前文の中には、雇用という言葉が用いられておらず、雇用対策も明確に位置付けるべきと指摘しました。局長は、「前文において、中小企業が、地域経済を支える努力を重ねることで、市民生活を豊かにしてきたことの中には、地域の雇用を支えてきたことをその趣旨として含んでいると答えられましたが、改めて雇用の位置付けは欠かせないことを強く指摘しておきます。
市内中小企業の多くを占める小規模企業者への支援についてです。経済センサス調査結果によると、2014年の9人以下の小規模事業所で、12年に比べて、企業数470事業所、1149人減少しています。つまり、従業員9人以下、特に、2~3人の小規模企業において深刻な実態がより広がっていることを示しています。そうした点からも、小規模企業については、特段の支援が必要なことを明確に位置付けるべきです。
第15条2項において、「経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業者の事情を考慮する」という条文に関連して、中小企業基本法第8条では、「経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業者の事情を踏まえ、小規模企業の経営の発達及び改善に努めるとともに、金融、税制、情報の提供その他の事項について、小規模企業の経営の状況に応じ、必要な考慮を払うこと」とされ、金融や税制についても考慮の対象に挙げています。委員会では、小規模企業者への事情を考慮することについて、法の趣旨と同様の認識にあることが確認されました。
また、実態調査については、第21条「調査及び研究について」に含まれていることについて、確認しました。しかし、実際には、年間500件を超えるペースで日々訪問活動を行っているとのことですが、1週間では10件程度です。条例制定を踏まえ、改めて悉皆調査を含めた市内中小企業実態調査を行うべきことを求めておきます。
第22条中小企業の活性化に関する施策の実施状況の検証については、産業振興協議会の意見を聞くことになっていますが、今後、「専門部会」を立ち上げる際、業種別、業種規模別、特に、小企業の代表者も対象とすべきです。要望しておきます。指摘した内容を含め、条文には表し切れない内容について、また、市内中小企業にとって活用しやすい条例とするためにも逐条解説等の資料が必要です。委員会では、逐条解説を整備すると答えましたので、今後の推移を見守っていきたいと思います。以上から、本議案については、賛成します。
議案184号(仮称)川崎市中部給食センター整備等事業の契約の締結について、議案185号(仮称)川崎市北部給食センター整備等事業の契約の締結についてです。文科省の学校給食衛生管理基準にそって、「調理後2時間以内に生徒が喫食できるようにすること」「管理者による検食は児童生徒の喫食開始時間の30分前までに行うこと」は遵守できるのか、その立場から配送ルートの見直しを求めてきました。さらに、小学校給食調理業務委託共通仕様書では、給食の運搬及び回収業務について「食器・食管などすべての給食を各担任に直接渡す」「その間、空白の時間をつくらないように各階に運搬車及び給食を監視する者を必ず配置をする」とされ、これは異物混入防止など安全対策を徹底させるための重要な取り決めだった、と指摘し、教育委員会もそれを認めました。私たちは、中学校給食においても、この仕様書に準じて運搬のルールを作ることを要望してきました。それに対して教育委員会の答弁は「各学校における生徒の安全面を考慮した運用・指導の下、生徒自身が行うことを基本としていきたい」ということでした。私たちは、異物混入防止など安全対策をどう徹底させるのか、という問題が、体力的に中学生なら運べるという問題にすりかえられているのではないか、と指摘しました。実際、学校内に死角が多いことから、異物混入を心配される校長もおります。少なくとも、配膳員の配置については、各学校の状況をしっかりと把握し、安全がきちんと確保できるよう配置すべきです。配膳時のエレベーターの使用についても、学校の状況に応じて使用できるように求めておきます。食育は川崎の中学校給食を取り組む基本的な柱です。栄養士は食育を進め、各学校におけるアレルギー生徒対応をしっかり取り組む上で絶対必要です。その立場からの各中学校への配置を求めておきます。
さらに、北部給食センターの見学コースについてですが、6千食もつくる大きなセンターが密室状態で調理することは、さけなければなりません。南部給食センターを見学してもらう、といってもそこまでの距離や、そもそもここでの調理業務をリアルタイムでみられることが大切なのです。北部給食センターの見学コースについては、マイコンセンターの事務室を借りて、リアルタイムで見学できるカメラの設置はぜひ、業者に要求して、その実現に教育委員会として努力してください。中学校給食の実施まで、まだ時間があります。議案については賛成しますが、ぜひこれらのことについて実現されますよう、強く要求しておきます。
請願第10号所得税法第56条廃止の意見書を国にあげることに関する請願についてです。自営商工業者の多くが家族労働によって事業を支えています。しかし、事業専従者控除を配偶者に86万円、その他の家族に50万円しか認めていません。これは時給に換算すれば配偶者は344円、その他の親族は200円です。家族従事者の多くは女性です。その働き分が給料として認められないことは女性に対する差別という以外ありません。どこで働こうが労働という点では同じであり、無償労働を女性に押し付けることはまさに時代に逆行しています。申告の方法が青色、白色とかいう問題ではありません。白色申告であってもすでにすべての事業者に記帳が義務付けられています。国の課税当局も「正確な申告の徹底が必要という立場から、青だ白だなどと申告に格差をつける理由はなくなっている」と言っています。私たちは真の男女平等、人権無視の差別制度は放置しない、そのためにも意見書を国に提出すべきであり、請願の採択を主張します。
以上の立場から、議案第161号、議案第163号、議案第172号、議案第173号、議案第176号、議案第177号、議案第181号、議案第183号、議案第193号、議案第209号については反対または同意できないこと、その他の議案、報告、請願については賛成を表明して討論を終わります。