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羽田連絡道路建設に反対〜宗田議員が討論

SONY DSC7月2日の市議会で、民党などが提出した「羽田連絡堂をの整備に係る川崎市の取り組みに対する財政支援を求める意見書」に対して、宗田裕之議員が反対討論をおこないしました。討論の原稿は下記の通りです(議事録ではありません)。

宗田議員の反対討論

 

私は日本共産党を代表して、ただいま提案されました意見書案第13号「羽田連絡道路の整備に関わる川崎市の取組に対する財政支援を求める意見書」について、反対討論を行ないます。
羽田連絡道路の整備は必要な事業なのか、次の3つの観点から反対するものです。
第1の理由は、市民生活にとっての必要性について、市長も関係局も説明できないということです。災害時の避難経路になるという理由が成り立たないことは3月議会で明らかになりました。2020年の東京オリンピックに向けて実現を目指すということも、東京オリンピックは東京都内を主な会場としており、川崎市内では何の競技も行なわれない、なぜそれまでに間に合わせる必要があるのかという質問にも、市当局は答えられませんでした。
川崎市側から羽田空港までの交通アクセスの短縮もわずか6分だけで、すぐ近くには大師橋があります。わが党の市民アンケートに、市民から「現在、羽田空港に勤務しているが、特に不便を感じたことはないし、空港の利用客は飛行機で旅行に行く人がほとんど。車での利用を便利にする必要はないと思います」との声が寄せられています。
国家戦略特区の整備などにからめて、殿町地区には国内外から医療従事者などが年間1万人来訪しており、今後も増加の見込みと説明されていますが、年間1万人ということは1日あたり27人です。その方々も飛行機を利用して来る人とは限りません。そのために新たな橋を架ける必要性はありません。
第2の理由は、殿町地区の住環境と、貴重な自然環境を破壊する事業だということです。議会でわが党が「羽田からの交通量が増加すれば産業道路へ抜ける格好の抜け道になり、人身事故が増加する可能性があり、既存住宅には迷惑だ」と指摘したのに対し、総合企画局長は「殿町地区を含め、交通量や流れの変化が見込まれる」と認めました。川崎側に新たな自動車公害と事故の危険性を呼び込む道路になります。また、貴重な自然の生態系が残る首都圏最大の多摩川河口干潟を壊す事業だとして、日本野鳥の会、世界自然保護基金ジャパン、日本自然保護協会など、自然保護3団体が建設反対の意見書を安倍首相らに提出しています。市内の小学校も毎年、自然体験学習で利用している貴重な干潟は守るべきです。
今回、片側1車線の計画にしたのは、こうした環境破壊となる事業を否定できないことと、オリンピックに間に合わせたいために環境アセス手続きを省くことが狙いと考えられます。
第3の理由は、財政面からも不要不急の大規模事業であるということです。羽田連絡道路予定地のすぐ海側には数千億円といわれる国道357号線多摩川トンネルの整備が今年度中にも事業着手される予定です。同じように、市民にとっての必要性が説明できない540億円もの臨港道路東扇島水江町線の整備が事業着手されており、内陸部では多摩川に新等々力大橋の整備が計画されています。厳しい財政状況を理由に新たな「行財政改革」で市民に痛みが押し付けられようとしている時に、これだけの大規模開発を同時に進める余力はどこにあるでしょうか。後年度の債務の返済が市の財政を圧迫し、それを理由にさらに福祉と市民サービスを切り捨てる「行革」の悪循環が繰り返されることになります。
意見書は、橋梁の整備にあたって財政面の支援を県に求めるものですが、県の財政負担も元をたどれば、市民から吸い上げた税金が使われる点では同じことです。
以上の点から、羽田連絡道路の整備計画の中止を強く求める立場から、同意見書には同意できないことを表明して反対討論を終わります。


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