「地方自治体における防災行政のあり方及び防災対策の方策に関する調査」の報告会
日本共産党川崎市議団が中村八郎&都市防災研究会に調査依頼していた 「地方自治体における防災行政のあり方及び防災対策の方策に関する調査」その2がまとまり 7月18日、一般市民を対象に報告会が行われました。全国自治体の実態調査(その1)に続く第2弾です。 中村氏は、(1)防災対策の根拠に係る現状、(2)市の対策に係る実態調査、(3)方針と対策の検討、(4)政策的な提言(被害の軽減と防災協働社会の形成)、など概要を報告しました。
中村氏は、川崎は、地震防災施設の整備は比較的すすんでおり、公共施設の耐震化についてはレベルが高いと思うが、住宅の耐震対策はまだ進んでいないという問題点があるとして、すぐれた実績を上げている静岡県や愛知県、名古屋市などの例を挙げ、制度面では違いはないが、取り組み方が違うと指摘。人づくりの面でもしっかり進めないと、防災対策も進まないと述べました。地域社会の防災対策は打ち出されるが、なかなか成果が上がらない、行政が考えた事を行政側だけでは進まない社会構造になっていることを認識しておく必要がある、市民と一緒に進める必要がある、などと述べました。
ハザードマップについて、自分の住んでいる場所でどんな災害が想定されるのかを知る上で大切なものであるが、川崎は準備はされているが、紙ベースになっていないものが多く、自分の住んでいる場所と災害内容が必ずしも明確になっていない、行政側にまだ重要性の認識が薄いのではないかと指摘しました。
地域の具体的な被害想定に対する防災対策は、防災コミュニティー活動の主題であり、できれば区の単位で地域住民と一緒に取り組むべきものであり、市民が生涯学習として防災を取り組む必要がある、と提起しました。
木造の耐震改修の促進については、耐震診断した家屋の95%は普通なら問題ありと判断がされるが、川崎市は耐震診断した家屋の6%程度しか改修がすすんでおらず、努力が足りないといわざるを得ないと指摘。30%前後になっている国分寺市の例を示し、職員の姿勢によっても改修の促進は違ってくるとも話しました。 川崎市は急傾斜地や造成宅地が多く、この対策も遅れていると述べました。
石油コンビナートの防災緊急時には、地元の市長が避難命令を出すなど、住宅・市街地とは質の異なる対応が求められることから、しっかりした計画を示しておく必要があると述べました。
また、高層集合住宅の家具の固定の困難さや供給施設の復旧対策など、課題を抱えているが実態は進んでいないと指摘し、ここをしっかり対策しないと、町の避難所が溢れることになるとのべました。 その他、全市的対策としては、避難場所が均等に配置されていないなど、不十分なところがあると指摘。中学校を地域防災センターとして位置付けるといっているが、それだけの設備が充実されているかというと疑問であると述べました。
報告書の概要版ができています。必要な方はご連絡ください。