黒崎羊二氏とともに武蔵小杉駅周辺の再開発を視察~共産党市議団
日本共産党川崎市会議員団は、7月21日、駅周辺開発により変貌を遂げる武蔵小杉の街を視察して廻りました。
武蔵小杉駅周辺の開発はすでに南部地区、東部地区、中丸子地区などで超高層ビルやマンションが立ち並び、平成22年春の武蔵小杉横須賀新駅の開業とあわせ、さらに建設中です。高層マンション群の中に入ると周りはマンションの壁に囲まれて、わずかに空が見えるような空間であり、通行していても重圧感に襲われます。今後、小杉3丁目地区をはじめ、北側の小杉2丁目、日医大病院を含む周辺の再開発が行われようとしています。
武蔵小杉駅周辺の再開発による人口の急増で、保育園や学校、駐輪場などインフラ整備の遅れも深刻です。平成17年に策定した新総合計画「川崎再生フロンティアプラン」に基づき、新百合丘駅周辺地区などと共に、重点地区として再開発を行っているものですが、本当に住民参加のまちづくりになっているのかどうかの検証を行い、もう一度原点に立ち返って「まちづくり」について考えてみようと視察したものです。
視察には、アドバイザーとして、建築家で「まちづくり研究所」所長であるにも一緒に歩いていただき、ご意見を伺いました。
黒崎氏は、既存建築物を壊し、住んでいる人を追い出した後を再開発するという、これまでも全国的に行われてきたやり方に対して「間違ったやり方」「とんでもないこと」と指摘。そこに住んでいた人間や、あるいは労働者のみなさんがどうなっていくのか?これらの検討をさせる必要がある。何も問題はないという人はいないはずで、今の制度の中では、自己負担なくしては何もできないしくみになっていると、一般の民間をも対象とした「合意形成」の重要性を強調しました。
また、南側は工場跡地だから住民の声が聞こえてこないというのは間違いで、4割近くの人がまだ残っているはずと指摘。この声をつぶさに聞く必要があると述べ、「マスタープラン」に既存の住民のことが一言も書いていないのは、開発関係者の怠慢というほかはないときびしく指摘しました。
「公益のため」というが、「公益」とはそもそも、そこに住んでいる人のためであり、みんなが「私利私欲」を出しつくし、折り合いがつく内容こそ「公益」というべきであると持論を述べ、「公平性」について、それぞれの生活の内容によって一律ではない選択肢が用意されていて初めて公平といえるのであって、閉塞的な選択肢しか用意しないで「公平をはかった」とは言えないと述べました。
黒崎氏は、武蔵小杉の再開発は、あきらかに過剰投資というべきものであり、やがて値崩れがおこれば、大変なことになると指摘。再開発のプロセスの中で、はじめから考えていく必要があると述べました。
参加者は、竹間幸一、市古映美、佐野仁昭、宮原春夫、大庭裕子、石田和子、石川建二、井口まみ、勝又光江と政務調査員2名。