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岩手県への視察(1) 【住田町・一戸建て木造仮設住宅】

はじめに

日本共産党川崎市会議員団は7月9日から10日にかけて、①災害時に被災者の負担と自治体の財政負担を軽減し地元産業の振興にもつながる仮設住宅などについて岩手県住田町を、②災害廃棄物の広域処理や震災からの復興、防災政策のあり方にかかわって宮古市などを視察しました。

1、岩手県住田町―木造仮設住宅の視察

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地元産木材を活用した低価格で良質な一戸建ての仮設住宅を活用している岩手県住田町の取り組みを川崎市の災害対策に活かすことを目的に、川崎市議団は岩手県住田町を7月9日に視察しました。同町には震災後、視察が相次いでいるため会派が視察に対応することになっているとのことで、佐々木春一町議(日本共産党)に案内と説明をしていただきました。

“90%が山林”という住田町は、町をあげて「林業日本一」をめざしているとのことで、中国の四川大地震などアジアの被災地にも地元材を活用した仮設住宅を提供し支援するなど、従来から林業を活かした支援活動に取り組んできました。震災前の予定では、2011年3月20日に政府と調整して、国内での木造仮設住宅の本格的活用に見通しがついたところで東日本大震災が起きた、と佐々木議員は話します。住田町は内陸部のため津波の被害はなく、地震の揺れによる被害も比較的軽微だったため、前述のような木造仮設住宅にする支援をはじめた、とのことです。

今後の課題は、柱や建物などは単一自治体で準備できても、サッシ・ユニットバス・下水パイプ・断熱材などは手配できないこと、と佐々木議員は言います。昨年の被災時にも大手がこれらの材料を抱え込んでしまったため調達に手間取り、ようやく5月に入居を開始できたとのことでした。

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(上の画像:住田町の資料より)

「子どもが騒いでも安心」と好評の戸建仮設住宅

仮設住宅は、床面積9坪、2DK、バストイレ別、地元材を活用したペレットストーブもついています。「長屋」形式の仮設住宅とは異なり、一戸建てのため、お子さんのいる家庭の方から「隣の家に子どもの声が聞こえてしまうのを心配しなくて良いので助かる」と好評だ、とのことです。

住田町には木材を乾燥する設備などが充実しているため、木造仮設住宅を早く建てることができた、「安価」と言われるプレハブ協会の仮設住宅は450~500万円程度かかるけれど、住田町の木造仮設は水道・トイレ・風呂などふくめて350万円ほどで建設可能だ、と佐々木議員は言います。

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(画像左:住田町の資料、画像右:仮設住宅のペレットストーブ排気口)

予算については町長の決断で

応急仮設住宅は県・国の管轄のうえ、直接の被災地ではない住田町に建てるということで、なかなか国からOKが出なかった、とのことです。NPOの資金協力も受けて、町長は「予算の問題を度外視して国の金を待たずにやる」と決断、町議会では日本共産党も合意して取り組んだ、と佐々木議員は話してくれました。

利用後の仮設住宅を「払い下げてほしい」と希望が続々

住田町の仮設住宅には、陸前高田からの方が9割、他に釜石市、大船渡市、大槌町から入居されているとのことで、これまで退居されたのは5世帯ほど、退去した後は次の人がすぐ入居する、という状況だそうです。

仮設住宅の期限は「ひとまず2年」ですが、その期間では住宅再建・自力再建は難しく入居期間の延長が必要な状況なため、「現状では仮設住宅の処分の方針をする時期ではない」と佐々木議員は言います。仮設住宅の再利用はもともと計画しておらず、ペレットストーブの燃料に活用することを考えていたが、入居者などから「このまま譲ってほしい」「茶室に活用したい」という希望が出されており、今後検討する、ということでした。

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(写真:「木造仮設住宅」について説明を受ける川崎市議団)


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