政策・提案 • 資料室

2007年1月31日

川崎市によるビジネスホテル建設事業の中止を求める緊急の申し入れ(2007.1.31)


川崎市長 阿部孝夫 様

2007年1月31日
日本共産党川崎市会議員団
竹間幸一 市古映美 西村英二 徳竹喜義
石田和子 石川建二 佐野仁昭 井口真美

昨年11月から日本共産党川崎市会議員団は、全市域で「市民アンケート」を実施し、本日、1月31日までに4566通の回答が寄せられました。
このアンケートでは、川崎市の施策について9項目の設問で回答を求めましたが、このなかで、市が推進している施策に反対の方向でもっとも強い意思が示されたのが、川崎市によるビジネスホテル建設でした。「推進する」はわずか11%、「中止する」が62%(「わからない」が27%)にのぼり、圧倒的多数が「中止」すべきと考えているという結果です。同時に、アンケートの自由筆記欄でも、市のビジネスホテル建設にたいする批判と怒りの声が殺到しました。《高津区・20代・女性》は、「ホテルの建設だけはどのような理由があったとしても、それは市がやることではないとはっきりと思います。この計画を中止させるためにできることがあるのなら教えてください。絶対中止すべきです。これこそ民にできることは民です。幼稚園よりも」との訴えを寄せました。
ホテル建設について、阿部市長は、「容積率をムダにせずフルに活用するため、消防署の上階を民間ホテルに貸し、収入を確保しながら、災害時の救済拠点に使う」(「市政だより」06年12月1日付)などといっていますが、“何かつくらないと消防署上の空がもったいない”という程度の話で、市が32億円も借金する理由にはなりません。「災害時の救援拠点」という理由も、ホテルの客室がガラ空きを前提にした議論で、いつ起きるかわからない大地震・災害時に、宿泊客がいた場合は、追い出して避難民を受け入れるという話になります。
これまで、わが党も市議会で、ホテル建設は自治体がやる必要がまったくない事業であること、「民間でできるものは民間で」という市長の持論とも矛盾することなどを指摘し、中止を求めてきました。今回の市民アンケートは、市のビジネスホテル建設について、初めて市民に賛否を問う世論調査でもあり、その結果として、「中止」が大多数の民意であることがはっきりしました。市長は、市民の声を真摯に受けとめ、ただちに政策転換すべきです。
今年度から着工された同事業は、まだ基礎工事の段階であり、手続き的には、川崎市と同まちづくり公社(財)による「中原消防署服複合施設建設に関する基本協定書」第17条にある「川崎市公共施設整備事業の推進に関する協定書」でも、「市は公社に事業依頼を行った後においてやむを得ない理由により内容の変更が生じたときは、速やかに変更実施依頼書を送付する」(第5条)とされています。いまからでも、ビジネスホテル部分の工事は中止すべきです。
同時に、小杉周辺再開発ですすめられている大規模・高層マンション乱立による人口急増に対して、保育園、小学校、医療施設等が不足になることへの不安の声も多数寄せられており、その対応こそ急務となっています。以上のことから、次のことを緊急に申し入れるものです。

1、中原消防署との合築によるビジネスホテル建設を中止し、工事は消防署の改築だけで凍結すること。

2、ホテル計画中止後、やむを得ず消防署上階に複合施設を整備する場合は、市民討議のうえ、保育・高齢者・医療施設、市営住宅など、市民利用施設として計画変更すること。
(以上)