幼稚園不足に拍車をかける市立幼稚園の廃園をやめ、存続・増設を求める申し入れ(2007.1.31)
川崎市長 阿部孝夫 様
2007年1月31日
日本共産党川崎市会議員団
竹間幸一 市古映美 西村英二 徳竹喜義
石田和子 石川建二 佐野仁昭 井口真美
川崎市および川崎市教育委員会は、川崎市立幼稚園(新城、生田)の廃園の検討をすすめ、年度内にも結論を出すとしています。
この問題で、昨年11月から日本共産党川崎市会議員団が全市域で実施した「市民アンケート」(回答者4566人、1月31日現在)では、「市が検討している市立幼稚園の廃園」について、「廃園してよい」が一四%にたいし、「存続すべき」が58%(「わからない」28%)であり、地元の中原区・多摩区だけでなく、すべての行政区で「存続」を求める世論が圧倒的多数との結果が示されました。
アンケートの自由筆記欄では、市立幼稚園の存続と増設を求める声、私立幼稚園の高い保育料への悲鳴がたくさん寄せられました。《中原区・20代・女性》は「市立幼稚園は廃園してほしくありません。というよりも、いまよりもっと数を増やしてほしいです。抽選会に350人も来るのですから」、《川崎区・30代・女性》は「とにかく子育てにお金がかかる。私立幼稚園に子どもが通っているが、とても高い。公立の幼稚園がもっとあればよいと思う」との訴えを寄せました。
この問題では、昨年五月に廃園の検討が発表されて以後、新城・生田など市立幼稚園の保護者らが存続を求めて約六千人の署名を市議会に提出し、この間の保護者説明会・意見交換会でも、廃園に反対する声が集中したと仄聞しています。わが党議員団は、この間、現地調査や園長・保護者等からの聞き取りを踏まえ、毎議会で、市民合意のない廃園をすべきでないと、存続を強く求めてきました。市議会総務委員会審議で教育長が、廃園検討の理由は「コストパフォーマンス、行財政改革で検討を始めた」と答弁しましたが、子どもたちをコスト削減の「行革」の犠牲にすべきではありません。
今回の市民アンケートは、市立幼稚園の存廃の賛否を市民に問う初めての世論調査でもあり、そこではっきり示された市民多数の「存続すべき」の世論を、市長は真摯に受け止めるべきです。
川崎市の私立幼稚園の状況は、県内市町村で最大の定員超過率(06年5月、119.71%)となり、昨年11月から市全域が「就園児人口増加地域」に指定されるなど幼稚園不足が深刻になっています。今後、大規模マンション急増で、ますます不足することが予想されます。また、「格差と貧困」の広がり、保育料が高い私立幼稚園に預けられない家庭も増えるなか、こうした世帯の子どもたちも低料金で幼児教育・保育を受けられる施設として、市立幼稚園の役割・存在価値はますます大きくなっています。存続は当然のこととして、増設・充実こそ、行政がとるべき道です。同時に、東京特別区や横浜市のように、私立幼稚園の保育料補助・市単独部分を思い切って増額すべきです。
以上、「市民アンケート」の結果をふまえ、次のことを申し入れるものです。
1.既存の市立幼稚園(新城、生田)を廃園とする結論を出さず、両園とも存続すること。
2.他の五つの行政区にも市立幼稚園(三年保育)を新設し、当面、全区一ヵ所設置すること。
3、私立幼稚園の保育料補助・市単独部分を大幅に増額し、入園料補助を創設すること。
(以上)