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住居や生活に困窮する求職者への支援について学ぶ

CIMG5618 11月11日、全労働省労働組合の河村直樹さんを講師に学習会を開きました。日本共産党川崎市議団主催。河村氏は次のように話しました。
リーマンショック以降、ハローワークには連日長蛇の列ができ、有効求人倍率は0.95(2008年4月、季節調整値、含パート、以下同じ)から0.42(2009年8月)まで落ち込み、現在でも0.55(2010年9月)でしかない。正社員だけに限れば0.33倍しかない。依然と低い状況が続き、限りなく最低賃金に近い金額で生保より低い場合もある。正社員求人に応募する人も100倍超えも当たり前になっている。
年越し派遣村や各地の相談会で生活困窮の実態が明らかになった。派遣村に来た人は、電気屋のTVで見たとか拾った新聞で知ったとか、情報を得る手段さえ奪われており、お金がないため徒歩や自転車で地方からたどり着いている。「仕事を探している」から始まった相談であったが、生活基盤が完全に破壊されているため、仕事の相談と生活保護や債務整理の相談を一体で実施しなければならなかった。住所が無い、連絡先が無い、最初の給与まで生活が持たない等の場合は、職業紹介に至らず生活保護につなげるしか無かった。これまで、「生活保護から就労」の方向の相談はあったが逆の方向の相談ははじめての経験だった。
2008年12月、第2のセーフティネットがつくられたが問題もあった。「就職安定資金」は無審査の貸出しで多数利用されたが窓口審査するようになって利用されなくなり10年9月で新規申込は中止に。「総合支援資金」は、審査に2週間、支給は月2回のため入金まで1ヶ月かかることから結局生活保護にもどってきている。基金訓練と「訓練・生活支援給付金」は、ほとんどの仕事でパソコン使用が当たり前になっている状況で職業訓練機会に恵まれなかった離職者には有効だ。「いますぐに」と言う人と「しばらくは」という人を分けて対策を準備する必要がある。
雇用保険制度は、6ヶ月以上雇用見込みが要件のため雇用保険に加入できなかった労働者の存在、給付開始までの長い期間と短い給付期間、低い給付額などの課題がある。全ての人に90日延長する全国延長給付制度があっても「100年に1度の危機」でも発動されないのは、受給資格者が少なくなっているからに他ならない。受給率は08年で2.7%しかない。
昨年末のワンストップサービスデイは実施機関の連携が不足する中でおこなわれたが、日常的、365日の「つなぎ」が必要になっている。連携はすすみつつあるものの、なお相互理解の不足が課題にある。経験3年未満が7割、年齢30歳未満が7割のケースワーカー職員の能力向上と熟練、多様なニーズを把握し解決に結びつけるゼネラリストとしてのハローワーク正規職員の育成と増員は問題解決に不可欠だ。派遣村に協力しあった人たち200人はメーリングリストで問題を共有しあい、専門家が連携して、日常的に問題の解決相談をはかっている。万策尽きたとは絶対言わないことが大切だ。
いますすめられている「地域主権改革」は雇用のセーフティネットを破壊する。出先機関改革ではハローワークが最大のターゲットになっている。その真の狙いは民間の「人材紹介」ビジネスチャンスの拡大と規制緩和にある。人材ビジネスは公共職業紹介が邪魔でしかたない。過去に行われた職業紹介事業での市場化テストや民間企業とハローワークの官民共同窓口によるテストではコスト、質、量共にハローワークが上回る結果が出ているにもかかわらずだ。


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