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議会報告

2010年第1回川崎市議会臨時会で竹間幸一団長がおこなった労働者派遣法の早期抜本改正を求める意見書の提案説明

20100318ikensyo   3月18日、竹間幸一団長がおこなった、労働者派遣法の早期抜本改正を求める意見書の提案説明はつぎのとおりです。

  私は、ただいま議題となりました意見書案第10号「労働者派遣法の早期抜本改正を求める意見書」につきまして、提案者の方々を代表して提案説明を行ないます。
一昨年来の世界的大不況で、多数の労働者の解雇・雇い止めがおこなわれ、職を失うだけでなく住居も失う労働者が多数生まれていますが、3月2日に厚生労働省が発表した「非正規労働者の雇止めの状況について」の2月報告によれば、平成20年10月から本年3月末までに失職したか失職する見込みの非正規労働者は26万3千人にも達しており、そのうち約56%が派遣労働者となっています。このような中、派遣労働者法の抜本改正は失業者・不安定雇用者の生活支援・就職支援とあわせて喫緊の課題になっています。
鳩山首相は、今国会の施政方針演説で、「製造業への派遣を原則禁止する」としていました。ところが、政府の改正案では、「常用型派遣」を「禁止の例外」にしてしまいました。しかし、製造業における労働者派遣の実態は、「常用」でも「登録型」でも、派遣先企業が派遣契約を解除すれば解雇されるという不安定さは同じです。「常用型」にすれば「雇用が安定する」などという根拠はどこにもありません。大きな社会的批判をあびた「派遣切り」を全国的に引き起こしたのも自動車や電気などの製造業です。どんな形であっても製造業での派遣を存続させれば、生産の変動が、生身の人間の首切りに直結します。さらに製造業派遣を容認、存続させれば生産が回復しても派遣労働が復活するだけで非正規から正規雇用という流れの障害にしかなりません。
現在でも製造業で働く56万人の派遣労働者のうち63%は常用型派遣です。製造業への派遣の原則禁止をいいながら、常用型を禁止の例外とすれば、原則容認になってしまいます。「常用型派遣」を禁止の例外とする規定を撤回し、製造業への派遣は例外なしに禁止すべきです。
また、「登録型派遣の禁止」をいいながら、「専門26業務」を「禁止の例外」としています。専門性が高い職種だから派遣であっても雇用が安定し、派遣先との交渉力もあるなどというのがその理由です。
しかし、「専門26業務」で働いている派遣労働者は100万人にのぼっています。「専門26業務」のなかには通訳など専門性の高い業務もありますが、建築物の清掃、ビルの受付なども含まれ、パソコンを使う仕事は何でも「専門業務」として例外扱いされています。専門業務という看板があればいつまでも派遣で使い続けることが許されることが、直接雇用から派遣社員への置き換えを進める大きな抜け道にもなっています。「専門26業務」は抜本的に見直し、専門性が高く、交渉力のある業務に限定すべきです。
  以上、製造業への派遣は常用型派遣を例外扱いすること無く、全面的に禁止すること、現行法における専門26業務はその内容を全面的に見直して抜本的な規制の強化を図ることを内容とした労働者派遣法の改正を行なうよう、強く要望し、意見書を提出いたします。
  議員各位におかれては、この趣旨を充分にご理解いただき、本意見書にご賛同たまわりますよう、お願い申しあげまして、私の提案説明を終わります。


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