副食費負担の軽減を~井口議員が代表質疑
川崎市議会第4回定例会で9月2日、井口真美議員(多摩区)が代表して、先行して審議される議案の特定教育・保育施設などの運営の基準に関する条例の一部改正案(議案115号)に対して質疑を行いました。
いわゆる「幼児教育・保育無償化」では給食費(主食費+副食費)は無償化の対象外とされ、保育料の一部であった3~5歳児の副食費(おかず代+おやつ代)は主食費と同様に保護者負担に変わりました(年収360万円未満相当の世帯及び第3子以降のこどもは副食費は徴収しません)。本議案は保育所等がその利用者から副食費の徴収を行うことができるようにするためのものです。
井口議員は、副食費の保護者負担軽減に取り組んでいる他自治体の例をあげ、川崎市でも取り組むよう質問しました。
井口議員の質疑原稿は次の通りです。(議事録ではありません)
日本共産党の代表質疑
私は日本共産党を代表して、議案第115号・川崎市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準に関する条例の一部を改正する条例について伺います。
この議案は、いわゆる「幼児教育・保育無償化」にともない、保育所等の設置者がその副食費の支払いを保護者から受けられるようにするためのものです。
今回の「幼児教育・保育無償化」は、無償化とは言うものの実際は程遠いものです。そもそも「無償化」の財源は10%への消費税の増税です。消費税は低所得の方に負担が重いという逆進性があるため、「無償化」と言いながら低所得層には負担が増えることになります。加えて、今回の「無償化」の対象となるのは比較的所得が高い層に設定されており、低所得層にはメリットが少ないという問題があります。
幼稚園の場合は入園料や政府の示す「無償化」の額を上回る保育料の部分は自己負担となり、3年で平均30万円ほどの負担となります。給食費については元々幼稚園の場合は自己負担でしたが、保育所も今回の「無償化」に伴い、これまで実費徴収していた主食費に加え、副食費も実費徴収されることになります。
「幼児教育・保育の無償化」と言うのであれば、本来、給食費も含め幼稚園・保育所等の費用は全額無償化すべきです。しかし、今回の制度は「無償化」と言いながら、比較的所得の低い層も含めて保育費用を自己負担させるものであり、さらに本議案では、保育所の利用者に対し副食費の徴収を行うものとなっています。
従来、保育所を利用する3歳から5歳の「2号認定」のお子さんの給食費については、副食の費用は公定価格として保育料の中に含まれるという対応がされており、主食の費用は保護者の負担として川崎市の場合は保育所によって千円から2千円が、所得階層を問わずすべての保育所利用者から実費徴収されてきました。ところが今回の「無償化」制度では、保育所の副食費について1カ月あたり4500円の実費が保護者の自己負担とされました。その理由は、従来から主食費・副食費とも保護者の実費負担とされてきた幼稚園との均衡をはかるため、などとされています。
秋田県は市町村と2分の1ずつの負担で、幼稚園を含めて副食費4500円を上限に助成する事業を行います。他にも各地の自治体で「主食費も含め無料にする」「副食費の一部のみ徴収する」など、独自に負担を軽減する制度がつくられています。本市も副食費の負担軽減に取り組むべきと思いますが、伺います。
今回の制度で、保育料は全ての所得階層で無償とされます。年収360万円未満の世帯では副食費は徴収しないとのことですが、年収360万円以上の世帯では保育料が無償になったとしても新たに副食費4500円を徴収されることになります。このことによって負担増となる階層はないのか、伺います。
副食費の徴収についてですが、保育所は利用者一人一人に対し副食費の請求手続きを行わなければならないことになります。請求や保護者への説明、徴収や管理などの仕事が、新たに保育所や保育士に加わることになります。市はこうした保育所の事務などの負担軽減をするべきと思いますが、伺います。
保育所の給食費の滞納への対応について伺います。年収360万円未満の世帯については副食費は徴収されないこととされていますが、年収360万円をぎりぎり上回る世帯などでは、従来の主食費に加えて月々4500円の副食費で合計5500円から6500円の給食費となります。家計の中で大きな割合を占めることになり、滞納せざるを得ない世帯が生まれることが考えられます。子どもにはどうしようもない親の経済状況によって保育が中断されるということは、万が一にもあってはなりません。滞納がある場合でも保育を継続する対応をとるべきですが、伺います。