カジノ誘致検討余地なし~12月議会で片柳議員が代表質問
川崎市議会第4回定例会で12月6日、片柳すすむ議員(川崎区)が代表質問し、、臨海部の不要不急の大規模開発に税金をつぎ込む福田紀彦市長の姿勢を厳しく追及しました。
カジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致について片柳議員は、福田市長が国の調査に「検討中」と答え、「羽田空港に隣接している(市臨海部の)地の利は最高にいい」と述べたとの報道について質問しました。
福田市長は「市の地域特性を踏まえて必要な情報収集を行う」と答弁。片柳議員は「極めて違法性が高く、依存症を増やすようなカジノ誘致は、検討の余地などない」と撤回を求めました。
医療法人社団葵会(東京都)が、自由診療に特化した外国人専用の医療ツーリズム病院(100床)を2020年夏までに川崎区に開設するとしている問題で、片柳議員は「医療法の趣旨や理念に外れ、地域医療や国民皆保険制度にも多大な悪影響を及ぼす」と指摘し、「開設許可を出すべきではない」と迫りました。
片柳議員の質問予定原稿(初回分)は次のとおりです。
代表質問
私は、日本共産党を代表して2018年第4回定例会に提案された諸議案、ならびに市政一般について質問を行います。
最初に市長の政治姿勢についてです。
カジノ誘致についてです。
11月6日、カジノを含む統合リゾート施設、IRの誘致に関する政府の調査に対し、川崎市は「検討中」と答え、市長は「羽田空港に隣接している地の利は最高にいいと思う」と積極的な姿勢を示したと新聞報道されました。
カジノ誘致の元となる統合型リゾート・IR実施法、いわゆるカジノ実施法は、大多数の国民の反対を押し切って強行採決された法律であり、多くの問題点が明らかになっています。第一は、ギャンブル依存症の問題です。日本はすでにパチンコなどでギャンブルの市場規模は27兆円にものぼり、ギャンブル依存症も300万人をこえ、深刻な社会問題を引き起こしています。カジノ誘致は、依存症をさらに増やすことにつながります。第二に、米国カジノ企業から資金提供を受けた議員が中心に立法化し、利益の大半は米国カジノ企業に流れていくという問題です。米国のカジノ企業の要求によりカジノ面積の上限規制も緩和され、日本人から吸い上げたお金を海外企業に提供する、これがこの法律の本質です。第三に、本法律は歴史上初めて民営賭博を解禁しようとするものであり、極めて違法性が高いものとなっています。日本は刑法で賭博を禁じています。その例外として、競輪、競馬などが特例法で認められていますが、その要件の第一は、「目的の公益性」です。しかし、カジノの利益の大半を自分の懐に入れる民間カジノ企業は、公益性など全くなく、極めて違法性が高いとともに、民営賭博を際限なく広げ、日本社会に深刻な害悪をもたらします。
刑法で禁じられてきた犯罪行為である民営賭博を解禁し、依存症をさらに増やすようなカジノを誘致するべきではありません。市長の見解を伺います。
医療ツーリズム病院について市長に伺います。
医療法人社団・葵会は、自由診療に特化した外国人専用の医療ツーリズム病院、100床の開設申請を行い、2020年夏までに開設する計画を発表し、医療界に大きな衝撃を与えています。医療ツーリズム病院開設に対して、今年10月以降、川崎市医師会をはじめ川崎市病院協会、神奈川県医師会などから川崎市長へ開設反対の意見書や要望書が出されています。14大都市医師会連絡協議会でも、近く日本医師会に決議文書を提出する予定としているなど、医師会はこぞって反対を表明しています。
医師会は、まず営利目的性の問題で反対を表明。葵会の外国人専用病院は経産省が旗振りをする医療ツーリズムの枠組みにそってJTBグループのJMHCが外国人患者をコーディネートするとしています。新設の病院の治療費・健診収入は年間35億4千万円とされており、同程度の体制の収益の2倍にもなります。これらのことから医師会は、“医療ツーリズム病院は株式会社ではないので非営利とされるが、営利企業との紐帯が強い事業であり、実質的にみれば「営利」と考えられる。新設の病院にしても極めて営利性が高いということで、開設は是認できない”と表明しています。さらに病床過剰地域の川崎市南部領域に開設することにより、新たな病床増設が困難になること、利潤性の高い病院に医療人材が流入し、医療人材不足を助長すること、自由診療の拡大により国民皆保険制度の形がい化につながるとして強く反対しています。
11月19日の地域医療構想調整会議では「人材の引き抜き」「営利目的性」「病床過剰」について懸念や意見が出され、11月21日、周辺の6町会定例会合で「地域医療がおろそかになる」「地域病院の医師が手薄になる」など不安の声が出されています。
さらに医療法との関連で大きな問題があります。医療法は第1条で「国民の健康の保持に寄与すること」を目的としています。このため外国人専用の病床のみの病院開設は、法の趣旨、法の理念から外れることになります。実際、外国人が国内で治療、入院する場合はありますが、あくまで「例外」であり、人道的、国際的な見地からの対応です。医療法の趣旨から外れる病院開設や医療提供は違法の疑いがあります。
すべての人が貧富などの差別なしに適切な医療を受ける権利は日本医療の根幹です。しかし、医療ツーリズム病院は外国人の富裕層を対象に自由診療に特化した医療機関であり、このことは医療法の趣旨、理念から外れ、地域医療、国民皆保険制度へも多大な悪影響を及ぼします。医師会もこぞって反対しているこのような医療ツーリズム病院は開設すべきではありません。外国人専用の病院開設は全国初であり、川崎市が認めれば典型例として全国に大変な悪影響を広げるなど、川崎市の責任は重大です。医療法では、都道府県知事は都道府県医療審議会の意見を聞いて、開設等について「勧告」を行うことができるとしていますが、現在、神奈川県はどのような見解を持っているのか、伺います。厚生労働省の地方厚生局である関東信越厚生局は、開設についてどのような見解を持っているのか、伺います。様々な懸念があり、医療機関団体や住民の理解を得られていない現時点で、川崎市はどのような立場なのか、伺います。
ヘイトスピーチへの対応についてです。
6月3日、ヘイトスピーチデモに繰り返し参加してきた人物らが主催した講演会が教育文化会館で行われた件についての検証報告書が11月に示されました。市が「利用許可申請者から『参加者は関係者のみである』『ヘイトスピーチは行わない』との旨を確認した」にもかかわらず、参加者が会場から階下の道路上に向かって「日本から出て行け」などと、法務省の示す典型的な類型の「誹謗中傷」をし、「地域社会から排斥」する発言を行いました。この発言について「今後の利用許可申請時の判断材料にする」とのことでしたが、どのように判断したのか、市長に伺います。
京都府のガイドラインでは、「ヘイトスピーチをしない」という『条件付き承認』をした場合について、その「条件に反し不当な差別的言動を行った場合は……以後の府施設の使用に際し、『客観的な事実に照らし、具体的に明らかに予測される場合』に該当するものとして考慮することにする」としています。つまり、以後は「言動要件」に該当するものとして対応する、ということです。川崎市の検証報告書では「不適切な言動があった」「今後の利用許可申請の判断材料となる」と曖昧な表現をしていますが、法務省の類型どおりの差別的言動が行われたのですから、今後は京都府のように言動要件に該当するものとして対応すべきと思いますが、市長に伺います。
また、本市のガイドラインについて「言動要件」に該当すれば不許可等の判断ができるように改めるべきですが、市長に伺います。少なくとも「人権全般条例」の制定に向けて、他都市の事例も参考にして言動要件のみでも判断できる仕組みにすべきです。市長に伺います。
子育て支援策についてです。
小児医療費助成制度についてです。
私たちが7月から行った市民アンケートでは、「子育て支援で力を入れてほしいことは何ですか?」との設問に対し、回答者の30%が「小児医療費助成制度の拡充」をあげています。さらに自由記述欄には、「医療費の無料化は今すぐ高校卒業までにしてほしいです。中学生で部活していたら、骨折だのケガだので病院ばかり通っています」「他都市は所得制限なしで行えているのに、豊かな財政があるのにできないわけがない。早急に所得制限の廃止をお願いしたい」などの切実な声が寄せられています。県内では、10月から相模原市が中学卒業まで対象年齢を拡大しました。横浜市と藤沢市も来年4月から中学卒業までの拡大を予定しています。全国の20政令市でも、高校卒業まで無料化の大阪市を入れると、すでに12政令市で中学卒業まで無料化が拡大している中で、川崎市は大きく遅れています。これで市長がいう「安心して子どもを産み育てることができる環境づくり」を推進しているといえるのでしょうか。せめて来年4月から横浜市と同時に中学卒業まで通院の対象年齢を拡大すべきです。伺います。また、所得制限についても入院だけでなく、通院も撤廃すべきです。伺います。
保育事業についてです。
2019年4月の認可保育園の利用申請受付が11月13日に締め切られました。「申し込みはしたが、入れるだろうか」と保護者の皆さんは今、不安でいっぱいです。
今年4月の利用申請数は3万1769人ですが、今年10月時点の利用申請・待機状況がまだ公表されていません。例年の実績から4月時点より1600人から1700人利用申請が増えていることから考えると、また、人口増加や保育ニーズの更なる増加を考えると3万3000人台には上ると考えます。今年度中の認可保育所整備計画1840人に対し、公有地活用型ゼロ、民有地活用型5園、民間事業者活用型1350人ですが、どこまで整備が具体化されているか伺います。民間事業者活用型の整備についてです。高津区のある公園の大きな樹木が台風で倒れた翌日、知らないで遊びに来たいくつもの保育園児が、別の公園や帰路に着く園児の列が徒歩10分くらいの道のりの駅方向にずっと続いていたとの話を聞き、胸が痛くなりました。園庭の確保が困難である民間事業者活用型の手法に整備の7割も託すのは改めるべきです。この間ずっと指摘してきました。乳幼児の発達に欠かせない園庭を確保する事に市があらゆる努力を傾注すべきです。そのために公有地と民有地活用型の整備に重点を移すべきです。伺います。
保育士の処遇改善と確保対策が急務です。保育士の賃金は全産業の平均より月10万円ほど少ないといわれ、専門職にふさわしい賃金を含め、抜本的な処遇改善に踏み出さなければ保育士不足の問題は解決できません。国は7年以上の経験者にキャリアアップの処遇改善策を講じましたが、本市においては対象者が多い保育園の中には人数割りをしてひとり1万円のところがあるとのことです。横浜市は2018年度に対象者が全て4万円の処遇改善ができるよう、市単独で10億円の予算を組みました。本市は2万円となる5544万円の予算です。横浜市並の処遇改善をすべきです。伺います。基本的には、国に対し、保育士配置基準を改善し、公定価格の増額を図るよう強く求めるべきですが伺います。
本市の企業主導型の保育所についてです。過日、世田谷区内の企業主導型の保育士が一斉退職して休園しているとの報道がありました。同じ会社の企業主導型の保育所が本市市内にありますが、当該園に保育士不足が生じていないか、又、他の企業主導型の保育園についても運営実態など含め市として把握しているか伺います。地域保育園として入園の案内にも掲載されていますが、市としての審査、指導についての考え方と対応についても伺います。
ひとり親家庭支援施策の再構築についてです。
ひとり親家庭支援について、市バス以外の交通機関も対象とした高校生対象の通学費助成を行なうこと、及び、通勤交通費が職場から支給されない親を対象に、通勤費助成を行なう案が提示されました。しかし、従来の現物支給から償還払いにするとのことですが、償還払いについてはパブリックコメントで意見を聴取していません。ひとり親世帯の貧困率は大人がふたり以上いる世帯の約5倍であり、母子家庭の総所得は、年270万円余りです。こうした厳しい経済状況にあるもとで、いったん自己払いをするのはかなり困難ではないでしょうか。
本市ではかつて小児医療費助成制度は償還払いでしたが、市民からの強い要望が寄せられ、現物支給に変更されてきました。今回の再構築にあたっても現物支給とすべきです。伺います。小・中学生を対象とした学習支援の実施について、生活保護世帯及びひとり親世帯の学習支援を中学生以上から小学5,6年生を対象に拡大する計画が示されました。この間、貧困の連鎖を断ち切るために小学生からの支援が必要と求めてきましたが、5ヶ所の選定と今後の拡充について伺います。
教育をめぐる環境改善についてです。
学校へのエアコン設置についてです。
国は2018年度補正予算で公立小中学校の「ブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金」を創設しました。文科省は、11月下旬に各自治体に交付の内定を示し、12月中旬の交付決定をめざすとしています。猛暑による熱中症から子どもたちを守る対策は急務であり、冬休みや春休みを活用して設置を急ぐべきです。川崎市の来年度に向けた特別教室の設置計画及び国への申請について伺います。また、先の議会で特別教室の空調設置は、長寿命化計画とは別に立てることを求めましたが、取り組み状況を伺います。
体育館への空調設置については課題への対応を検討しながら、この夏の気温上昇を踏まえ、関係局と協議するとともに国や他都市の動向を注視していくとの答弁でした。新設される小杉小学校に空調設置を今からでも検討すべきですが伺います。今後の新設及び大規模改修時には空調も設置すべきと考えますが伺います。総務省の「緊急防災・減災対策債」を活用することについて、伺います。
就学援助事業についてです。
認定率は、2013年度小中学校全体の7.7%から、申請方法が改善された2014年度10%に上がり、その後、10%台で推移しています。それでも依然として、横浜市、相模原市に比べて低い認定率です。
はじめに、小学校新入学準備金の入学前支給についてです。中学校では今年度から行っていますが、小学校は検討中ということでした。来年度、小学校でも実施の方向と思いますが、新入学準備金の入学前支給の実施に向けてのスケジュールについて伺います。
この間の生活保護基準の改定は凄まじい削減でした。最近では2013年度を皮切りに3年間、今年10月から、さらに今後3年間続けて削減が行われようとしています。川崎市は就学援助の認定基準は、生活保護基準の1.0倍ですが、2013年から3年間行われた改定では、従来のままの基準なら認定されるはずの計369人が基準を超過しました。あまりにも切ない話です。単純に生活保護基準を適用させるのではなく、特別な事情がある場合には認定基準を超過しても認定しているといいますが、生活保護基準に連動させることが基本である以上、わずかな収入の差で、この制度から外されてしまいます。いま就学援助を受けている児童生徒が外されないことを保障するには認定基準を生活保護基準の1.0倍から引き上げる以外ありません。相模原市では生活保護基準の1.5倍の係数で認定基準額は437万円余、川崎市の330万円余と比較して基準額が100万円余多くなっています。学校教育における保護者負担が家計に重くのしかかっているいまの状況のもと、やはり川崎でもいまの住宅扶助なども加味した生活保護基準の1.3倍への見直しこそ必要ではないでしょうか、伺います。
学校給食の無償化についてです。
文部科学省の調査によれば、学校給食費の無償化を実施しているのは全国で504自治体に達しています。私たちが7月に行った市民アンケートでも、「教育環境で力を入れてほしいこと」の回答では、「いじめ問題」に次いで2番目が「学校給食費の無償化」で、20代30代では1位でした。給食費は小学校で年間4万9500円、6年間で29万7千円、中学校でも3年間で12万8064円になります。親の所得は増えないなか、教育費の負担は大変です。そもそも憲法26条で「義務教育は無償」とされているのですから、今こそ、本市でも小学校給食の無償化に踏み出すべきです。伺います。
行き届いた教育と教職員の働き方についてです。
学校現場の長時間労働は極限に達し、社会問題になっています。本市でも、教職員の勤務実態調査の結果(速報)では、中学校の教諭は毎日平均12時間45分余り、小学校教諭は約11時間働いているなど、長時間労働が際立っています。
10月配布資料によると、2017年度のいじめの件数は小中学校合計2176件で16年度より780件の増加、不登校児童生徒数は小学校430人で前年より52人増加、中学校では1242人で前年度より126人増加、1000人当たりの出現数は42,4人です。生徒指導や保護者との意思疎通を図ることが求められます。
文科省は2016年「次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース」を設置。教員の長時間労働の是正を図ることが不可欠であり、業務の大胆な見直しを着実に推進し、教員が子どもたちと向き合える環境整備を推進するとしました。生徒にゆきとどいた教育を実践し、教員の異常とも言える長時間勤務を解消するために、最優先で行なうべきは教員の定数を増やすことです。先の第3回定例会で教育長は少人数学級がもたらす効果も充分に認識していると答弁されました。政令市に教員の定数を決める権限が委譲された今、既に12政令市が少人数学級にふみだし、2016年9月の資料においても県レベルで、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、群馬県、千葉県、新潟県などをはじめ多くの自治体で実施しています。一人一人の子どもたちに目が行き届き、学習のつまずきの発見や個々の学習進度等に応じた指導が可能となる少人数学級のための定員増を検討すべきです。伺います。
給食業務の公会計化についてです。
文科省も、先に述べた「タスクフォース」で公会計化の必要性を述べています。国のガイドラインを待つことなく、既に実施している自治体があるのですから、本市も早急に踏み出すことをこの間求めてきました。本市の取組み、検討状況、スケジュールを伺います。
障がい者施策についてです。
現在、人権全般にかかわる条例を準備していますが、すでに本市では、子どもの権利条例などいくつかの個別の条例が制定され、そのなかで具体的な差別を禁止しています。障害者差別解消法が制定され、具体的な施策が行われており、この法に基づいた個別の差別解消条例を制定すべきです。伺います。
差別解消法の制定以来、自治体は障がい者の方々から寄せられる差別の事例を掌握し、それを「対応要領」に反映させることとなっていますが、本市では、差別の事例を掌握する仕組みがありません。その結果、障害者差別解消支援地域協議会への報告事例は数件とのことです。問題は、差別を相談する窓口が「差別があったとされる当該部署」になっているため、相談もしにくく、当該部署がちゃんと報告せず、集約できない可能性があるということです。差別の内容を相談する窓口を新設し、それを広く周知すべきですが伺います。
拠点型通所施設についてです。「第2期障害者通所事業所整備計画」では、ショートステイを併設した生活介護事業所、すなわち拠点型通所施設を各区1か所開設するとし、川崎区と宮前区に続き、中原区上平間に開設となっていますが、その後の計画の進捗について伺います。公有地の活用を強く求めてきましたが、取り組みについて伺います。
障害者スポーツ推進事業についてです。
先の第3回定例会において、健康福祉局長は、川崎市リハビリテーション福祉・医療センターの体育館とプールについて、10月末をめどに提出される予定の老朽化の調査結果を踏まえ、関係局と調整を図りながら、必要な老朽化対策について検討を進めていきたいとのことでした。調査結果の概要及び、老朽化対策について伺います。
また、2008年度策定の川崎市リハビリテーション福祉・医療センター再編整備基本計画書で示された4つの主な機能について、既存の機能を鑑みつつありかたの検討を行なうこととし、現在、利用者の意見などを踏まえ検討を進めているとの答弁でした。大規模改修を行なう場合、どのような機能とするのかについて伺います。
プールについてです。リハビリ等のために水泳に取り組んでいるある障害者のクラブの方々が、ある企業の温水プールを週1回午後に3コース借りて行なっていますが、老朽化のために使用できなくなるということで、施設を探しているとの問い合わせがありました。市内の温水プールを有する施設で、障害者団体に枠を取って利用可能にしている施設について市民文化局長に伺います。井田のリハビリテーション福祉・医療センターのプールの大規模改修の際に、温水プールにして、7,8月だけでなくオールシーズン使えるように、市民文化局と健康福祉局と協議をすべきと考えますが両局長に伺います。
議案第160号「川崎市老人福祉センター条例の一部を改正する条例の制定について」及び議案第161号「川崎市久末デイサービスセンター条例を廃止する条例の制定について」についてです。
本議案は公設老人デイサービスセンター廃止に関するものです。
廃止の理由は、民間事業所数が292事業所であるから「民間で十分なサービスが提供されている」というものです。292事業所があるからといって、現在通っている人たちが通える場所にあるかなど十分代替できるという調査をされてのことでしょうか、「十分なサービスが提供されている」とした根拠について、伺います。
国民健康保険事業についてです。
この25年近くの間に、市民ひとりあたりの国民健康保険料は、介護分保険料は除いて6万4500円余から10万600円余と約1.6倍に引きあがっています。給与年収400万円の小学生2人を含む4人世帯で、年間34万円ほどの保険料ですが、仮に協会けんぽに加入した場合、保険料の本人負担分は年間20万円前後で、約1.7倍の格差が生じています。高すぎる保険料問題を解決することは、住民の暮らしと健康を守るためにも、国民健康保険制度の持続可能性にとっても、社会の公平・公正を確保するためにも、重要な課題になっています。
全国知事会は、国保料を「協会けんぽの保険料並み」に引き下げるために「1兆円の公費負担増」を政府に要望しています。私どもも大賛成で、その財源も示して、協会けんぽ並みに引き下げることを提案しています。
国保料が、協会けんぽなどの被用者保険と比べて、著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保しかない「均等割」という保険料設定にあります。
仮に公費を均等割として徴収されている部分に投入すれば、給与年収400万円・4人家族で、保険料はいくらからいくらになるのか、伺います。
つぎに、川崎市独自で1世帯当たり年間1万円の保険料引き下げを行った場合に必要な金額を伺います。
この4月から国保の財政を都道府県に集約することなどを内容とする「国保の都道府県化」がスタートしました。厚生労働省は、「都道府県化」実施後も「一般会計の繰入は自治体の判断でできる」「生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ない」としています。この国会での答弁のもと、今後も一般会計からの繰入、生活困窮者への軽減策を持続させ、さらに充実させることこそ必要です。伺います。
これからのコミュニティ施策の基本的考え方(素案)についてです。
回避すべきシナリオから「希望のシナリオ」へという考え方についてです。
この中で、「各種統計データや推計値などからは、悲観的な未来が語られがちであり、現状の取組を継続していくだけでは、これからの環境変化に対応できず、様々な将来リスクを避けることはできない」とし、「孤独死の発生や災害時の対応面での課題、都市のスポンジ化などを回避するために未来の「希望のシナリオ」を目標として想定し、今からすべきこととして、多様な主体による地域づくりの「新たなしくみ」の構築に取り組む」としています。
地域の自治やコミュニティをつくれば、「孤独死の発生」や「災害時の対応面での課題」や「都市のスポンジ化」がなくなるかのように描かれていますが、これは一面的な捉え方といわざるを得ません。孤独死の発生する背景には、経済的な背景、医療、福祉などさまざまな背景があります。災害時の対応の課題についても根本的には被害を最大限減らすための、抜本的な防災・減災対策が今こそ求められます。まずは、こうした行政の担うべき事業の充実こそ必要と考えますが伺います。
第5章の、市民創発に呼応する行政のあり方についてです。
「複雑化する課題に対して、公費を直接投入し、その解決を図る従来型のサ-ビス提供手法や行政主導の協働スタイルを見直し、地域の自治の力を育むことにより、多様な主体による市民創発型の課題解決ができるような業務のすすめ方や予算のあり方などを検討する」としています。これは、多様な主体に名を借りた、公費の直接投入をやめていくことが前提の考え方なのか伺います。しかも、この「考え方」を来年4月から実施としていますが、何故そんなに急ぐのか、伺います。
市内中小企業の対策について、とりわけ、建設業の支援策についてです。
市内建設業の事業所数は、2016年度の経済センサスによると、4年前と比べ291事業所、7%も減少しています。このままでは、次世代に技術継承ができなくなってしまいます。わが党が提案している「住宅リフォーム助成制度」は、市内のリフォーム需要を市内建設業に結びつけるもので、2017年度も全国573自治体で取り組まれ、地域経済への波及効果や地元建設業の活性化、技術を継承する場としても、その効果は実証済みです。住宅リフォーム助成制度の実施を検討すべきです。市長に伺います。
「公契約条例」では、「作業報酬下限額」を定め、労働者に支払われる賃金がこの額を下回ってはならないとされています。現場の労働者がこの賃金以上を受け取るためには、事業者に必要経費を加えた金額を支払わなければなりません。国土交通省はその経費の試算を県毎に示していますが、神奈川県では設計労務単価の約40%の経費を見込んでいます。市の見積もりは設計労務単価の何パーセントを経費と見込んでいるのか伺います。下請けの事業者においても「作業報酬下限額」が支払えるように積算すべきと思いますが、見解と今後の対応についても伺います。
次に、ヒートアイランド現象への対応として遮熱性舗装の導入について伺います。遮熱性舗装は路面温度を最大で8度から10度程度抑制する効果があり、より地面に近い子どもやベビーカーに乗った赤ちゃんにも優しい舗装といわれています。本市でも川崎駅東口駅前広場のバス・タクシー待機スペースや国道409号線中丸子付近の歩道など一部で整備されています。今後の道路や歩道整備にあったっては、整備箇所を増やしてゆくべきと思いますが伺います。
アスベスト対策についてです。今後、アスベストが使用された建築物等の解体作業の増加が予測されます。建物の解体時には事前の調査が義務つけられ、含有が認められるときは届出の義務が生じます。昨年度の大気汚染防止法に基づく届出件数は232件、立ち入り調査は151件でした。その他にも公害防止等生活環境の保全に関する条例の対象工事に対する立ち入り調査は793件とのことです。市が把握できない解体工事はあるのか、その対策についても伺います。住民への周知方法についても伺います。
市内大企業のリストラ対応について市長に伺います。
大企業が集中する本市内でもリストラによる人員削減が行われ、更にリストラ計画が次々と発表されています。これまでも指摘してきたNECの45才以上を対象にした3千人リストラは、本人の意思に反して繰り返し「自己都合退職」を迫る面談が行われてきました。この「自己都合退職」の募集期間は11月9日まででした。NEC及び神奈川労働局に対し、どのような対応を行ってきたのか、伺います。また、自己都合退職に応じた方の人数を確認しているのか、伺います。
東芝は、11月8日、東芝と国内子会社で計1,060人の早期退職を2019年3月末予定に、今年10月から12月中に募集を開始すると発表しました。対象の国内子会社は今年3月にリストラを実施したばかりの本市に本社を置く東芝エネルギーシステムズで800人、東芝デジタルソリューションズで60人です。更に他の子会社で300人から400人の希望退職の追加を検討中としています。2社から神奈川労働局にリストラに伴う「大量雇用変動届」は提出されているか、伺います。併せて、本市が2社及び神奈川労働局にどのように対応しているのか、伺います。
また、富士通は10月26日、2020年度をめどに人事や総務、経理などの間接部門の従業員を営業やシステムエンジニアなどのITサービスへの職種転換を促す「5千人規模の配置転換」の方針を示しました。まるで職種の違う部門への配置転換は実質、自主退職を余儀なくされるものと危惧されます。
大企業が労働者に犠牲を強いる大リストラに対し、これまでも働く者の権利・尊厳と地域経済を守る立場で、繰り返し市長の権限で「雇用対策本部」を設置し対応するよう求めてきましたが、市長は「国、県、市のそれぞれの役割、責務に基づき、適切に対処してまいりたい」とくり返し答弁されています。「市の役割、責務」の中に、働く者の人権と地域経済を守る役割、責務は有るのか、無いのか、伺います。
武蔵小杉のまちづくりについてです。
11月16日、まちづくり委員会で「武蔵小杉の超高層マンション建設見直しについて」の陳情を審査しました。これまで小杉駅周辺地区では高さ100mを超える超高層住宅10棟が完成し、さらに事業中・計画中の超高層住宅は、今後7年間で5棟建設され、合計3162戸、人口は約1万人増加します。委員会で、質問があった「今後10年間の保育利用者数、小学校児童数、JR駅の利用者数の推計」について、回答は最後まで出されず、行政側は、公共施設の今後の利用者推計もないまま超高層マンション建設を推し進めているという、異常な実態が明らかになりました。
保育所の整備についてです。中原区の保育所利用申請者数の推計は、今後4年間分しか出されませんでしたが、その推計から試算すると、年間500人、今後10年間で5000人増にもなり、60人定員の保育所にすると80か所必要になります。80か所の認可保育所を確保できる見通しはあるのか、伺います。
小学校についてです。超高層マンションが今後5棟建つエリアの小学校は、西丸子小と新築される小杉小の2校です。西丸子小の学区では、今後7年間で計2030戸のマンションが完成し供用開始となります。新設される小杉小の学区には、今後2年間で計1132戸のマンションが完成し供用開始となります。教育委員会からは、児童数の推計は6年後までしか出されていませんが、教育委員会の試算方法で試算をしたところ、西丸子小は、現在の628人からピーク時には1260人と倍加し、現在の1クラスの人数で試算すると必要な教室数は、42教室となります。新設の小杉小も、2019年の410人からピーク時には806人となり、ここも倍加し、必要な教室数は、28教室です。両小学校の教室数は、合わせて56教室ですが、ピーク時には約70教室が必要となり、完全にパンクします。このように小学校が足りなくなるような現状が予想されるのですから、早急に推計を出し、計画の見直しを提案すべきと思いますが伺います。
JR武蔵小杉駅についてです。南武線はラッシュ時の川崎方面の本数は1時間に25本で山手線のラッシュ時の本数23本より多いということで、今でも限界の状態です。横須賀線・湘南新宿ラインのラッシュ時の上りの本数は、東海道線も含めると23本で、山手線と同じ状況で、すでに限界です。過去10年間の実績を見ても、中原区の人口は3万3千人増加しましたが、JR武蔵小杉駅の乗車人数は、約5万人増えていて、人口増以上に乗車人数は増えています。中原区の人口は今後10年間で3万人以上増加すると推計されていますが、JR利用者は何人増加するのか、推計されているのか、伺います。相鉄線が武蔵小杉駅に乗り入れ、1時間に上り4本程度になるとのことですが、現在の23本という状況から考えて小杉駅に停車できるのか、伺います。
議案第165号川崎市都市公園条例の一部を改正する条例の制定についてです。
本議案は、公募により選定され、得られる収益を公園整備に還元すれば、都市公園内に民間事業者が飲食店、売店等を設置できるようにするというものです。その公募対象公園施設の面積は、これまで認められてきたトイレや管理施設などの面積とあわせて最大12%までとするというのが議案の内容ですが、これにより、とどろき緑地、生田緑地はどれだけの面積の当該施設を建てられるのか伺います。関連して、「生田緑地整備の考え方」案についてです。向ヶ丘遊園の跡地について、2004年に川崎市は小田急電鉄株式会社と基本合意を結び、貴重な緑地を保全することを確認してきました。この立場に変わりはないのか伺います。「整備の考え方」案では、「憩い・賑わいのエリア」を誘導する記載がありますが、そういうエリアにおけるみどりの創出が重要と考えますが、伺います。
議案第187号川崎市こども文化センター及び川崎市ふれあい館の指定管理者の指定についてです。
本議案は、指定管理者の指定期間終了に伴い、指定管理者を指定するものです。小学校で実施している「わくわくプラザ事業」について、私たちは、低学年や障がい児の保護者から強い要望である夏休みなどの長期学校休業中のわくわくプラザの開始時間を朝8時にするよう繰り返し求めてきました。これまで試行校を増やし今年の夏休みには8校で実施され、来年度の指定管理者指定から全校実施予定との事でした。来年度から全校実施となるのか、指定管理者との協議、体制などについて伺います。
防災対策についてです。
西日本豪雨災害の際、岡山県倉敷市では、氾濫した川には木が茂り、本来確保できるはずの水量を流すことができなかったことが指摘されています。計算上は氾濫しない水量でも、河川の整備が不十分であれば氾濫もありうるのです。多摩川、鶴見川では、国の浚渫などが行われてきましたが、毎年の台風で砂が堆積しています。直ちに浚渫を行うべきですが、国に対応を求めているのか、また、県が管理する河川も、草や木が茂っていないか、市として監視し、対応しているのか伺います。市の管理している河川では、流れの阻害要因の除去は随時行っているのか伺います。
先の議会で「避難所に人権を」と求めました。すでに国が指針であきらかにしているように、指定避難所は学校だけでなく、公民館等の集会施設、福祉センター、スポーツセンター、図書館等の公共施設にすべきであり、それでも足りないのですから、旅館、ホテル、企業の社屋ロビーや会議室、研修施設、福利厚生施設などを活用できるよう事前に協定を締結すべきですが、伺います。
貯留型マンホールトイレについてです。市内14の中学校には、10基ほどのマンホールトイレの下に大きなタンクが併設され、下水管につながっています。一定の量を貯めておくことができ、水で流すことができる仕組みになっています。できるだけ多くの指定避難所内にこうした施設をつくり、災害時のトイレを確保すべきです。設置可能な学校はどのくらいあるのか伺います。
羽田空港新飛行ルート案についてです。
政府が2020年までに実施を狙う羽田空港の新飛行ルート案は「B滑走路から川崎臨海部コンビナート方面に、南風時の午後3時から7時までの間に、3分間隔で80便ほどが離陸する」というものです。
私たちが川崎区民を対象に行った市民アンケートには526人が回答し、このルート案を「知らない」と答えた方が60%に上りました。「今回のアンケートをいただくまで、飛行ルートの変更等について知らなかった。説明会等該当地区以外の住民にも知ってもらう必要があると思う」「もっと住民へ詳細を届ける手段が必要。昭和45年に市長が国に対して止めるよう要望して回答を得たのに、現市長はどのように考えているのか、甘く考えているのか」などの声が寄せられています。また74%の方がルート案に「反対」と答えており、「騒音・振動」「墜落事故」「落下物事故」の影響を心配する回答が多く寄せられています。
国土交通省が示しているルート案では、離陸直後にキングスカイフロント、日本冶金、旭化成、日本ゼオン、JXTGエネルギーなど危険な化学物質を扱う高圧ガスタンクやプラントなどの真上を通ることになっています。世界の空港のなかに同じように石油コンビナートに向かって離陸する空港はあるのか、あるとすればどのような安全対策をしているのか、伺います。
日本全国で起きた落下物事故はこの8年間で451件が記録されています。飛行機の世界では「魔の11分間」と言われ、着陸直前の8分間・離陸直後の3分間に事故の7割が集中しています。今年5月には、キューバで離陸直後の飛行機が人為的ミスで墜落し、112人が死亡。7月にメキシコでも離陸直後の墜落事故が起きています。国は落下物対策を行うといいますが、落下物事故も航空機事故も完全にゼロにすることは不可能であり「起こりうるもの」として対策を講じなければなりません。
県石油コンビナート等防災アセスメント調査報告書は、東日本大震災時の市原市のLPガスタンクの爆発火災を理由に、「評価上の発生確率はきわめて小さい災害であったとしても、発生したときの影響が甚大な災害については想定災害として取り上げ、影響評価を行う」として「大規模災害に発展するおそれのある危険源を把握しリスクアセスメントを行うべき」だと述べています。
羽田新飛行ルートを実施した場合の落下物や飛行機の事故を、こうしたリスクアセスメントの対象となりうる危険源だと認識していないのか、市長に伺います。川崎市臨海部防災対策計画は、この県の石油コンビナート防災アセスメント調査を前提としているのですから、国と県の責任で航空機や落下物による被害想定調査を行うよう強く求めるべきですが、市長に伺います。国がコンビナートで落下物・飛行機事故が起きた際の被害想定を明らかにすることもなく、その上空を飛行するルートを強行するなど言語道断であり、認めるべきではありません。市長に伺います。
1970年に当時の金刺市長が住民からの不安の声を受け、また、市議会からも飛行制限強化の声が上がっていることに鑑み、市民の安全を考慮して、東京航空局長に要望し、「東京国際空港に離着陸する航空機は、原則として、川崎石油コンビナート地域上空を避け、適切な飛行コースをとらせる」という通知を出させています。
同じ川崎市の市長としてこの通知の立場を堅持して、新飛行ルート案の撤回・中止を国に求めるべきですが、市長に伺います。
川崎アプローチ線計画についてです。
この計画は、JR南武支線の川崎新町駅から川崎駅間の新設などを含め総延長3.3㎞、総事業費は少なくとも300億円というものです。鉄道新設予定ルート周辺には民間住宅、4年前に移設されたばかりの視覚障害者情報文化センターや日進町こども文化センター、高齢者等の福祉施設が入る「ふれあいプラザかわさき」が建っており、実施されればそれらの施設は立ち退きを迫られます。また、総事業費300億円は、国土交通省の交通政策審議会で「大づかみで把握するための建設費」で、それより大きく膨らむ可能性があります。市は「アプローチ線」整備の理由として、「JR南武支線が脆弱であることから輸送力増強を含めた改善が必要」としますが、現在でも南武支線は上下線で1日78便あり、市営バスは川崎駅への同様の路線が平日1日296便も走っており、市営・民間を合わせてバス路線で十分カバーされています。
結局、不要不急のアプローチ線先にありきで、つくる理由は後付けの計画といわねばなりません。最低でも300億円もかけてアプローチ線を整備する必要はないと考えますが、市長に伺います。
以上で質問を終わります。