【第2回】いよいよ川崎でも中学校給食が始まります!(JCPかわさきチャンネル)
<お話>
市古てるみ議員団長…病院の元管理栄養士17年、専門家の立場から安全・安心の中学校給食実現に執念を燃やし、7期28年、中学校給食の必要性を訴え続ける。
勝又みつえ議員…毎朝5時起きで子ども4人と夫婦の6人分の弁当を作ってきた経験から「愛情にも限界がある」と中学校給食の論戦で力を発揮。
勝又 いよいよ川崎市で中学校完全給食が、2年後の2016年度の全校実施に向けて動きだしましたね。
市古 川崎市での中学校給食の実現は、なによりも20年以上に及ぶねばり強い市民運動が市政を動かした、歴史的な大きな成果と言えますね。
川崎市で念願の中学校給食が実現されることを喜びたいですね。
勝又 先日、川崎市の教育委員会が「中学校完全給食実施方針」の素案を決定しました。川崎市内に3つの給食センターを整備し、各学校に配送するセンター方式を基本にすることが打ち出されました。9月から保護者説明会やパブリックコメントの実施など市民の意見を募集して、11月に実施方針を決定するというスケジュールになっています。
市古 子どもたちにとって、本当にいい給食を実現するためにぜひ保護者の皆さんや、関係者の皆さん、市民の皆さん、どんどん意見を出していただきたいと思います。
去年私たち議員団がアンケート調査を行いました。そして暮には教育委員会がアンケート調査をやってたわけですが、その中でもやっぱり小学校のような中学校給食を実現してほしいとの声が一番大きかったわけです。
そのためには各学校で調理して提供される「自校調理方式」が最も有効ということで、自校調理方式による実施を求める運動が広がり、署名も短期間に1万8千筆以上集まりました。
勝又 そのような中で、今回の実施方針の素案ではセンター方式を基本にしつつ、可能性が検討されていた3校のうち2つの中学校で自校調理方式を採用する方向が出されたことは重要ですね。
市古 共産党市議団として、東京都の江戸川区や群馬県の高崎市など自校調理方式で実施している中学校給食を視察して、実際に試食もしてきましたけれども、自校調理方式は子どもたちにとって素晴らしい方法です給食時間に教室を見てまわると、どの教室でも、生徒たちが次つぎおかわりをして、食缶の中は空っぽになっていました。
勝又 高崎市では、周りの自治体と合併した際、そこがセンター方式でやっているところも、順次自校方式に切り替えていったということを聞いたのですが、あの徹底ぶりには本当に驚かされました。高崎市の教育委員会の方が、「子どもにとって良いものを作ろうと思えば、調理場を作るのにいくらお金がかかったとしても、自校方式にこだわってるんですよ」という自信に満ちた話し方は本当に印象的でした。
市古 今後川崎市で実施する中学校給食も、やっぱり自校調理方式がいいと思いますね。 自校調理方式のメリット、優位性をあげれば、例えば…
- 出来立ての温かい給食が食べられる。
- 食物アレルギーへの対応ができる。
- 給食を通して、生きた食育が実践できる。
- 各学校に栄養士を配置できる。
- 災害時の避難所になる中学校で食事の炊き出し施設になる。
勝又 自校調理方式のメリットをあげると、いっぱいありますね。子どもからは栄養士さんや調理員さんの顔が見える、栄養士さんや調理員さんにとっては現場で中学生の顔が見え、様子がわかる、会話ができる。もちろん、食育の授業にも協力できる。こんなにすばらしい食育が充実した環境は他にはできないですね。
市古 それに比べて、給食センターで調理して各学校に配送する方式や、1つのセンターで約1万食も作っている大規模センター方式の中学校給食も視察して試食をしてきましたが、きめ細かいアレルギー対応が困難など、いろんな問題がわかりました。
1万食もつくるようなところでは、食材がやっぱり限られているようです。冷凍食品だとか大量に購入してつくらなければいけないという方式にならざるを得ないとか、センターに配置されている栄養士さんは「各学校に食育なんかでは足を運べない」とこんな問題点も明らかになったのではないでしょうか。
勝又 今回の実施方針の素案では、3つの給食センターのうち、多いところは1ヵ所だけで1万5千人分の給食を作るセンターもあります。おそらく国内でも最大規模の給食センターになるのではないかと思いますが、個々のアレルギー対応や栄養士の配置はどうなるのかなど心配がありますね。
市古 2016年度から全校で始めたいということで、どうしても給食センター方式でスタートするにしても、今後もやっぱり自校調理方式の可能性は追求してほしいと切に思います。地域経済の活性化という視点からも、自校調理方式は効果抜群です。 例えば…
- 各中学校への調理場整備は地元建設業の仕事おこしになる。
- 調理員の確保は地元の雇用創出になる。
- 地産地消で、市内農家や地元商店から食材が購入される。
どう考えてもこれからの中学校給食は自校方式に勝るものはないと思いますし、私たちがこの暑い夏、各区の中学校を全部訪問しました。校長先生とも色々な意見交換をしてきました。校庭を見せていただいたら、工夫をすれば調理室ができるんじゃないかというところがたくさんありました。各区に1か所ありましたし、私は教育の一環だということになればもっともっとこの可能性は広がってくるのではないかと実感しました。
勝又 給食は教育の一環で、給食施設は教育施設ですからね。
市古 何人かの校長先生は、うちでは99%お弁当を持ってきているんだ。ランチサービスも使っていませんと誇らしげにおっしゃっていましたが、保護者の皆さんがそれだけ食に関する関心が強いのだろうと思います。だとしたらやっぱりこれから始めるのは自校方式をできるだけ拡大してほしい。やっぱり一万食つくるのは限界があるのではないかということを率直に思わざるを得ないのです。
勝又 子どもたちにただ何かを食べさせればいいというような、安易な経済効率優先のやり方ではだめですよね。
市古 安全・安心、地産地消の食材、栄養バランス、出来立ての温かい給食、そして生きた食育を実践できる、しっかりした給食を実現しなければと思います。
勝又 私たち共産党市議団としては、子どもたちの豊かな成長にとってよりよい中学校給食を実現できるよう、ひきつづき全力を尽くしたいと思います。