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2011年7月20日

保育園と老人施設の建設・運営の経済的効用について研究発表~山口不二夫教授


aaa7月13日、明治大学大学院の山口不二夫教授が、日本共産党川崎市議団から委託をうけて研究した「保育園と老人施設の建設の必要性と建設・運営の経済的効用について」の研究成果を講演しました。
山口教授は、「宇沢弘文氏が、著書で大気汚染や交通事故など市場で認識されない自動車の社会的費用を認識し測定する事の重要性を主張することで、無制限な自動車の増加をくい止め生活の豊かさにつなげようとした。今回の研究は、その設立と運営には多額の税金と保険料が必要な保育所と老人介護施設が、実は社会的には多くの効用を生み出していることを明らかにすることを目的にした報告書です」とはじめに述べました。

報告会ではシミュレーションの結果として次のようにまとめています。
1、保育所や介護施設建設はそれによって介護や保育を解放されるものの所得水準が高ければ、経済効果が大きい。必要な保育施設・介護施設の建設は、保護者・介護者の雇用が確保されれば、川崎市の経済を約1%押し上げる可能性がある。
2、特別養護介護施設は建設コストが保育所の6倍程、運営費は3倍強かかる。初期投資が大きいが、運営上の雇用創出効果も大きい。
3、120人定員の保育所では、一人当たり、土地を除く建設コストは217万円、1日の運営費は0.42万円。120人定員(20人のショートステイを含む)の特別擁護施設の建設は、一人当たり、土地を除く建設コストは1271万円、1日の運営費は1.23万円。この数値は保護者・介護者1人を解放する(就労できるようになる)コスト。財政的には保育所建設の方が、保護者の解放コストが少なく、早急に現在の倍の増設が望ましい。介護では、我が国では社会的に未発達である北欧型の在宅自立・支援の投資や補助の選択肢・水準を選択・検討する事が可能になる。