台風19号被害の対策を求める緊急要望
10月18日、日本共産党川崎市議団は、「台風19号による被害への対策を求める緊急要望書」を市長に提出し、要望しました。
宗田裕之団長より、各区で議員が地域をまわって声をまとめたとして、(1)速やかな災害ごみの撤去・回収と住民への情報周知、(2)工場・店舗への支援を急ぐ、(3)被災者に早急な住宅の確保、ライフラインの確保、(4)河川による氾濫・浸水の原因究明と対策、(5)避難所の課題と対策について、の5つの項目を要望しました。
福田市長は、「職員が被災地に出向いて罹災証明の受付を行っており、先ほども報告を受けてきた。思った以上に被害が多いので、職員を増員して対応している。この週末に集中して対応に当たりたい」と述べ、「ごみの撤去は、普通ごみ、事業系など区別なくすべて収集している。消毒などもなるべく市で対応していきたい」「事業者の被害については、国とも相談して救済に当たっていきたい」「被災者の住居に関しては、市営住宅だけでなく、県営、国営、UR住宅にも協力してもらい、入居をマッチングしていきたい」などと述べました。また、今回の大規模な浸水被害の原因について市長は「原因究明については、上下水道局で記録を整理し、報告できるように指示している。住民の方への説明をなるべく早く行いたいと思っている」「3万人を超える避難者がこられた。課題を今後検証していく」と述べました。
市議団として、今後も引き続き被災地域を調査・訪問し、市に要望していきます。
市長宛要望書は次の通りです。
台風19号による被害への対策を求める緊急要望書
2019年10月18日
日本共産党川崎市議会議員団
団 長 宗 田 裕 之
10月13日の台風19号による甚大な被害が起きています。全国的には、16日までに12都県で77人の方が亡くなったほか、行方不明者は6県で10人にのぼっていると報道されています。川崎市でも広範かつ深刻な被害状況がうまれています。市内では高津区の男性が亡くなったほか、転倒などで軽傷者も出ています。中原区と高津区の多摩川沿いを中心に5か所の大規模浸水があり、推定約1355棟に被害が出ています。また、一時市内約2万2400戸が停電し、現在も停電が続いているところもあります。日本共産党川崎市議会議員団は、この間、被災地域を訪れて被害状況を調査するとともに、避難所や被害にあわれた方々のところを訪問し、皆さんの声をお聴きしてきました。この要望書はそうした皆さんの切実な緊急要望をまとめたものです。要望項目に対して速やかに対策をとられるよう要望するものです。
【要望項目】
一、 速やかな災害ごみの撤去・回収と住民への情報周知を
・罹災証明書の交付方法や災害ごみの収集方法などについて、被害地域に的確な情報提供を行ってください。窓口はワンストップで対応してください。
・災害ごみの回収については「生活環境事業所への持ち込み」を市民に求めるのではなく、被災地域で直接回収してください。置き場の設置、運搬支援、ゴミ出しや泥出しができない高齢者世帯などへのボランティアの派遣、散水車の活用などきめ細かく対応してください。泥・ヘドロや工場・店舗などの災害ごみについても、柔軟な回収の対応とともに、市民に回収方法を周知してください。
・市の責任で、床上・床下浸水した地域の住宅・事業所にたいし、消毒用の薬剤の配布を早急に行ってください。公道、私道の区別なく消毒を速やかに行ってください。
二、 工場・店舗への支援を急ぐ
・機械、商品などが冠水で使えなくなった工場などが多くあります。工場・店舗の設備や備品も含めた復旧に市として支援を行い、利用できる制度を早急に被災した事業者等に周知してください。
・事業者が工作機械など事業系の災害ゴミの処理に困っています。親身に相談に乗り、回収できるよう対応してください。
三、被災者に早急な住宅の確保、ライフラインの確保を
・床上浸水など住宅被害が広がっており、15日現在で40人の市民が3カ所の避難所に身を寄せています。市営住宅での対応とともに、被災者が地域のつながりを維持したまま生活再建できるよう自宅敷地への戸建てタイプの仮設住宅を設置してください。また、被災者の自宅周辺の民間アパートを「借り上げ仮設住宅」として活用してください。
・いまだ各地で停電・断水が続いており、高層マンションでの大変な状況も報じられています。ライフラインの復旧に全力をあげてください。
・被災者の住宅清掃・再建ができるまでの間のアパート等への仮入居について、ペット連れでは仮入居が困難なので、動物愛護センターなど短期で預かる施設の確保に努めてください。
四、河川による氾濫・浸水の原因究明と対策を
今回の被害は多摩川が氾濫していないにもかかわらず、広範に深刻な浸水が起こりました。地域ごとの浸水の原因究明を早急に行い、今後の対策と地域防災計画の見直しをしてください。
五、避難所の課題と対策について
・今回はじめて避難所を開設した地域も多く、開設状況や職員の配置状況、避難所の生活環境など様々な課題が浮き彫りになりました。これらの状況を総括し、今後の対策に活かしてください。
・市民の要望を受け、150万市民が安全安心な避難生活を送れるよう、抜本的な対策を講じてください。
以 上