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議会報告

介護医療院、共生型サービス創設について質す~渡辺議員

IMG_39992月27日の川崎市議会で、渡辺学議員が日本共産党を代表して、追加で提出された議案のうち、議案第59号及び議案第63〜80号までの議案19件について質疑しました。

今回の議案は、2017年5月の「改正」介護保険法・地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の成立を受けたもので、介護保険法を含む31本の法「改正」を1本に束ねた一括法として提案され、具体的な内容の多くを政省令に委ねたというものが、今回省令の一部改正等という形で出てきたものです。

療養病床削減のための新たな受け皿として「介護医療院」の創設、高齢者と障がい者・児のサービスを複合させた「共生型サービス」の創設が今回の議案に関わります。

「日常的な医療管理」「看取り・ターミナル」等の機能と「生活施設」としての機能を兼ね備えた新たなタイプの介護保険施設として「介護医療院」が創設されることについて、2011年度末までに廃止の方向だった介護療養病床は2023器年度までさらに延長されている経過から、長期の療養が必要な要医療・中重度の患者・利用者の受け皿として介護医療院を創設するとしても、結局採算が合わなく、そうそうの退院を余儀なくされることや、必要な充分な医療が提供されなくなり、患者・利用者を「難民化」させかねない危惧などについてただしました。

「共生型サービス」の創設について、利用者へのサービスの低下、「介護保険優先原則」により1割の利用者負担が発生することにより必要なサービスが受けられない事態の深刻化、「介護認定」で軽めに認定される可能性、障害をもつ方の特性を踏まえた人員の今後の対応などについて質しました。

 

渡辺議員の質問原稿は次の通りです(議事録ではありません)。

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2018年第1回川崎市議会定例会

代表質疑

私は日本共産党を代表して、追加提出された諸議案について伺います。議案第59号及び議案第63号から議案第80号までの議案19件についてです。

今回の議案のもとは、昨年5月の「改正」介護保険法・地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の成立を受けたもので、介護保険法を含む31本の法「改正」を1本に束ねた一括法として提案され、具体的な内容の多くを政省令に委ねたというものが、今回省令の一部改正等という形で出てきたものです。

今回の法律は、2つの柱からなり、1つは制度の持続可能性の確保、2つ目は地域包括ケアシステムの進化・推進です。

その政策では、1つに「給付と負担の見直し」、2つに「医療と介護の一体改革」、ここでは、療養病床削減のための新たな受け皿として「介護医療院」を創設するとともに、「自立支援・重度化防止」の名の下に公的サービスからの「卒業」を促す「自立支援介護」を新たに導入されることになりました。3つめには「福祉のあり方の見直し」が新たに加わり、高齢者と障がい者・児のサービスを複合させた「共生型サービス」の創設がこれにあたります。国は、これらは地域包括ケアシステム政策の一環であり、高齢者のみの対象から全世代に対応した地域包括ケアシステムに転換していくこととしていたようですが、すでに川崎市では国の先取りをして地域包括ケアシステムをはじめていたわけです。

創設される介護医療院について伺います。

「日常的な医療管理」「看取り・ターミナル」等の機能と「生活施設」としての機能を兼ね備えた新たなタイプの介護保険施設として「介護医療院」が創設されるとのことです。医療療養病床の一部削減、介護療養病床の全廃のために受け皿として想定されています。医療も提供するため、医療法に基づく医療提供施設となるが、適用保険は介護保険法というものです。介護療養病床は、2011年度末までに廃止の方向だったのに、2017年度まで延ばされましたが達成されず、2023年度までさらに延長されています。厚労省の調査では、介護療養病床の患者全体の85%が「退院困難」であるという結果が示されているようです。このような長期の療養が必要な要医療・中重度の患者・利用者の受け皿として介護医療院を創設するとしても、うまくいくでしょうか。
その適用が介護保険法のもとで、医療部分は包括的なものとなると、結局採算が合わなく、早々の退院を余儀なくされることや、必要な充分な医療が提供されなくなるのでは、さらにこのような患者・利用者を「難民化」させかねないのでは、と危倶しますが、伺います。

「共生型サービス」の創設について伺います。

これによって、介護保険、障がい福祉いずれかの指定を受けた事業所が、他方の制度における指定をうけることが容易になるように基準を緩和するものです。対象となるサービスとして、訪問介護、通所介護、短期入所などがあげられ、川崎市も関連した条例の一部改正をしようとするものです。たしかに、高齢・障害分野における行政の縦割りを是正させる面がありますが、人員体制や介護・障害報酬など、サービスの質が担保され、高齢者・障がい者の願いに敵う事業になるのでしょうか。
障がい者が65歳になると、介護保険優先適用が原則になります。65歳以上になった障がい者が使い慣れた事業所においてサービスをそのままその場所で受けることができるようにと障がい者事業所は介護保険事業所としてみなし指定を受けることができるとしています。介護保険事業所には床面積の基準がありますが、障がい者事業所には床面積の基準はない、とのことです。これは、当座はそのままサービスを受けられるということで、障がい者自身に寄り添う事業であっても、この指定の取得の容易さは結局利用者へのサービスの低下につながるのではないでしょうか、伺います。

「介護保険優先原則」により、1割の利用者負担が生じてきます。こうなれは、障がい者のおかれてる実態からみても、必要なサービスが受けられない事態が深刻化することは目に見えています。このことへの見解と対応を伺います。

介護保険優先原則は障がい者の方も介護認定を受けることが余儀なくされるということではないでしょうか。いま、介護保険の認定はたいへん厳しいものになっています。少なくない障がい者は、介護保険では「要支援」と認定されることになるのではないでしょうか。そうなれば総合事業の対象になるということです。いままでのサービスは受けられなくなります。国会で問題になりましたが、全身にマヒが残り、車椅子を利用しており、夜問は呼吸器が手放せない方が、介護保険で「要支援2」と認定され、サービス提供を大幅に削減され、「基準緩和型」のホームヘルパーが派遣された事例もありました。介護保険に同等のサービスがなければ、障がい福祉サービスが利用できますが、川崎でのサービス低下をさせないことへの見解を伺います。

「共生サービス」は保険優先を貫き、65歳以上の障がい者の介護保険利用をより徹底するものです。「介護保険優先原則」は、高齢障がい者の生活、尊厳を脅かすものにならないか、ということです。「共生型サービス」の本質は、厚労省の「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」のなかで明らかなように、人口減少下でも持続可能なものとするため、生産性向上、業務の効率化を図り、兼務をすすめるなど、少ない人数でサービスの提供のあり方を検討するとしています。強度行動障害のある方や重症心身障害児者などは、とくに一人ひとりに応じた人的な支援が必要なことはいうまでもありません。川崎市の指定障がい福祉サービスと指定通所支援の説明のなかでも「福祉に携わる人材に限りがある中で・・・」というくだりがありますが、この意味合いが微妙です。川崎では「共生型サービス」の実施によっても、障害をもつ方の特性を踏まえた人員の対応は今後も行なわれるのか、伺います。


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