介護報酬の改定に関する意見書案を提案〜市古議員が提案説明
12月14日の第4回川崎市議会定例会で日本共産党の市古映美議員(中原区)が、意見書案第15号「介護報酬の改定に関する意見書」の提案説明を行いました。
同意見書案には日本共産党のほか民主みらい、無所属議員が賛成しましたが、自民党、公明党などの反対で否決されました。
提案した意見書は次の通りです。
「介護報酬の改定に関する意見書」(案)
国において、平成30年度からの介護報酬の改定について検討が進む中、介護の現場から、社会保障財源を確保し、介護報酬の引上げを求める切実な声が広がっている。
繰り返される介護報酬のマイナス改定のため、多くの介護事業者は経営困難を強いられ、利用者が必要な介護サービスを利用できない事態が相次いでいる。
このような状況でも、政府は、介護サービスの利用制限により介護報酬を削減する動きを強めており、厚生労働省は、訪問介護で洗濯や調理を行う生活援助のサービス抑制の方針を示した。
その内容は、生活援助について、要介護1で月26回、要介護3で月42回など、要介護度別に通常の利用状況と著しく異なるものとして回数を設定した上で、ケアプランを作成するケアマネージャーに対し、これを超えるケアプランについて保険者である市町村に届出をさせ、市町村は地域ケア会議などで検証を行い、サービス内容が不適切な場合は是正を促す仕組みを設けるものである。
これは、財務省が、1人当たりの平均利用回数が月10回であるのに対し、月31回以上の利用者が2万4,000人に上るなど、利用状況に大きなばらつきがあり、効率的なサービス提供が行われていないとして適切な利用の徹底を求めていたことに沿った見直しであり、利用抑制につながりかねないものである。
また、利用回数が月90回以上の被保険者がいる市町村に対する調査結果によると、48件中46件が適切なサービス利用であると回答するとともに、独居で認知症のため服薬の管理が必要である、配偶者も介護状態で支援が受けられないなどの回答もあり、回数制限により介護給付が受けられなくなれば、在宅での生活が立ち行かなくなり、重度化を招きかねない現状が示されている。
よって、国におかれては、誰もが安心して利用できる介護保険制度の実現を図るため、生活援助のサービス抑制を伴う介護報酬の改定を行われないよう強く要望するものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。