議会報告

2015年9月1日

マイナンバーカードの交付で大庭議員が代表質疑


DSC04831川崎市議会第4回定例会が9月1日に開会し、川崎市より議案提案説明が行われた後、分割先議議案(第125号「川崎市手数料条例の一部を改正する条例の制定について」)の質疑が行われました。日本共産党から大庭裕子議員が代表質疑に立ち、いわゆるマイナンバー制度の導入によって、行政サービスの行き届きに不備が生じることはないか質問しました。

マイナンバーの利用が始まるとさまざまな手続きの際に個人番号が必要になってくるため、すべての国民は12桁の番号が記載された「カード」(通知カード、又は、個人番号カード)を保管・携帯しなければならなくなります。

大庭議員は、「カード」を保管・携帯していない場合はどうなるのか、住所地を離れている人への番号通知はどうなるのか、盗難・紛失などないように「カード」の保管・管理を強いられることは負担軽減とは言えない、など質問しました。

市民・こども局長は「行政事務の手続きにおいて、申請書等へのマイナンバーの記載が必要になる」とする一方「カードが届かないことにより、行政サービス等が制限されることはない」「大切に保管していただく必要」があると述べ、「市民の皆様にご理解いただくことが重要」と答弁しました。

大庭議員の質疑は次の通りです。

代表質疑 大庭裕子

私は日本共産党を代表して、議案第125号川崎市手数料条例の一部を改正する条例の制定について質問します。

本条例案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の施行に伴い、個人番号カード及び通知カードの再交付にかかる手数料を新設し、住民基本台帳法の一部改正に伴い、住民基本台帳カードの交付及び再交付にかかる手数料を廃止するために改正するものです。

いわゆるマイナンバー制度は、住基ネットとは扱われる情報が桁違いに拡大され、現段階では、社会保障、税、災害の3分野98の行政事務となっています。そのため、現時点においてもシステム運用に必要とされるネットワークの構築費用は、住基ネットが約390億円だったのに対し、本制度では約2900億円と7倍以上となっています。

本条例案の対象となる個人番号カードには、①写真付き身分証明、②ICチップ電子認証、証明の機能③ICチップ内の空き領域を活用した行政サービスの提供など、個人番号カードの多機能化の3つの機能があるとのことです。

今後、さまざまな手続きの際に個人番号の記入が求められることになるので、すべての国民は、「通知カード」や「個人番号カード」の保管・携帯が必要になるとのことです。

高齢者や障害者にとっては、利便性よりも不便さの方が勝ることになります。「通知カード」や「個人番号カード」を保管・携帯していない場合の対応はどうなるのか、伺います。

住民票がない住民や、DVによって住所地を離れている人たちに対して個人番号通知が届かない人が出てしまうことやDV加害者に個人番号通知が渡ってしまう危険性が予想されますが、トラブルを回避するための対策はとられているのか、伺います。

また、個人番号通知が届かない市民への対応についても伺います。行政サービスから排除されることはないのか、個人カードの発行・再発行は可能なのか、伺います。

以上で質問を終わります。

再質問

答弁では、「行政事務の手続きにおいて、申請書等へのマイナンバーの記載が必要となり」、このことで「申請時に提出する書類が減る等、行政手続きが簡素化され申請者の負担軽減が図られる」とのことです。

しかし、個人番号マイナンバーを持たされることにより、「通知カード」に記載された番号を紛失したり盗まれたりすることがないように保管が求められることや、DV等被害者の方など居所の市区町村に転入の届けをしたうえ、DV等支援の申し出をするなど、今までする必要がなかった、新たな負担を市民に強いることになり、負担軽減になるとはいえないのではないでしょうか。見解を伺います。