「自治体の使命 投げ出し予算」 テレビ番組で佐野議員
2008,02,20, Wednesday
川崎市議会の各会派代表者が出席して新年度予算案について見解と評価を語りあうテレビ番組の座談会「予算議会を前に」(TVK、2月19日)に共産党から佐野仁昭議員が出席して共産党の見解と評価を述べました。
「自治体の使命 投げ出し予算」
佐野議員は「自治体の使命 投げ出し予算」と新年度予算案にたいする評価をを簡潔に表現したパネルを示して「敬老パスの有料化、敬老祝い金の見直し、川崎市老人医療費助成制度の廃止、重度障害者の食事療養費補助の廃止、在宅介護援助手当ての実質廃止、結核・精神病療養費付加金制度の廃止など、住民の幸せを支える制度として目的を持って作られてきたものが、根こそぎ見直されました。中でも、介護が必要な高齢者の現状は、老老介護の末、痛ましい事件が発生するなど深刻さを増しています。特に、施設整備の遅れが深刻で、特別養護老人ホームの待機者は、約4700人で、毎月20人前後増え続けています。何年まっても入れない状況です。ある認知症のお年寄りを介護するご家族から相談を受けました。『かけがえのない家族のために何とかこらえて続けてきたが、仕事をしながら来る日も来る日も介護を続け、いっそ一緒に死ねたらどんなにいいかと思いつめている。せめて、入れる施設があればいいのだが、いったい福祉ってなんですか。行政は何をしてくれるのですか』と涙ながらに訴えられました。本当に切羽詰った状況に追い詰められています。しかし、開所する(大規模な)特養老人ホームは早くても2年後です。市長は、今度の予算で、大盤振る舞いを見直したといっていますが、見直された福祉事業のどこが大盤振る舞いでしょうか。それより、水江町の土地を一気に買い戻すことができるなら、なぜ、特養ホームを増やさないのか、ビジネスホテルを建設したり、50億円の利息は市民の税金で負担して、国に対して羽田空港際拡張に無利子で100億円貸し付けることこそ、大盤振る舞いではないでしょうか。今、市長にこの人たちの声は届いているのでしょうか。市民の生活実態がまったく見えていないと思います」と新年度予算案を批判しました。
子育て施策の抜本的拡充を
市が重点戦略としている子育て施策について、佐野議員は「保育緊急5カ年計画ではCランクの人たちまで対象にしていません。経済的理由から保育園に預けて働きたいという人はCランクです。Cランクでは門前払いにひとしい。入れなければいつまでたっても働けない。働かなければ貧困から抜け出せない。貧困世帯はいつまでも貧困から抜け出せない事態になっています」「幼稚園は、今どこでも定員を超えて受け入れざるを得ない状況です。定員超過116%というのは、政令市の中でも川崎市以外にありません。それなのに公立幼稚園を廃止し、幼稚園補助が少ないので東京や横浜より父母負担が高い」「マンションラッシュにより子育て世代が急増しています。まちづくりを誘導しているのは川崎市ですから、当然それに見合った施設整備をするべきですが、事業者に負担を求めず、川崎市も取組まない。これでは、新たに移り住んできた子育て世代がだまされたと思うのは当然だとおもいます」と川崎市の姿勢を批判しました。他、地域経済、環境対策についても意見を述べました。
最後に「今後の課題」として「自治体の一番大事な役割とは市民の声に応え、福祉の向上、つまり住民がどうしたら幸せに暮らせるかを考え、具体化することではないでしょうか。住民の生活を守る自治体としての一番大事な使命をちゃんと果たせる川崎市となるよう予算の組み替え提案も見据えながら、予算議会に臨みたい」と締めくくりました。