共産党川崎市議団が札幌市中小企業振興条例などで視察調査
共産党川崎市議団が札幌市中小企業振興条例などで視察調査
2008,02,06, Wednesday
札幌市の「中小企業等振興条例」について、昨年12月の議会で全面改正された内容や改正にあたってのいきさつ、市民・中小企業者の意見の反映の実態を調査するために、共産党川崎市議団は2月4~5日、札幌市を視察し札幌市経済局や業者と会談しました。市古映美、宮原春夫、大庭裕子、石田和子、石川建二、斉藤隆司、勝又光江の各議員と政務調査員が参加しました。
「自治基本条例」を反映した札幌市の「中小企業等振興条例」
札幌市は、1121平方キロメートル、人口188万人で、一般会計だけで約7800億円の予算規模を持つ政令市です。
視察団は、札幌市役所を訪問、経済局産業振興部産業企画課長ら他2名から「中小企業等振興条例」の骨組みについて説明を受けました。
札幌市では全企業数の98%以上を中小企業が占めており、85%以上が小規模事業者ということで、同条例は基本的に中小企業を対象としています。同時に、政令市ではめずらしく、大企業の役割や責務などが盛り込まれるなど、内容的にも調査の参考とすべき点が多く見られます。
経済局産業振興部産業企画課長より、同条例を制定するにあたっての詳細が説明され、条例が特定の具体策を実施するためでなく、基本的理念・基本的事項を定めるものであることが明確にうたわれており、同条例の内容と主なポイントとして、中小企業の振興に関する施策としては、首長の交代による影響を避けるために、(1)中小企業者等の自らの創意と自主的な努力を尊重すること、(2)札幌市の産業構造の特性に配慮すること、(3)経済活動における国際化の進展その他の経済的社会的環境の変化への的確な対応など、大きく3つに集約されたということです。相互の努力により、中小企業者等の健全な発展と市内産業の振興を図ることが目的とされています。
大企業の役割明確に
具体的には、市が中小企業の実態を把握することがうたわれており(第4条)、札幌の商工会議所のほかにも、民主商工会にも会員の実態調査の協力依頼がされています。行政も、日曜日に相談窓口を開設するなど「相談活動」などを通じて実態の把握に努めていること、市のスタッフによる中小企業応援隊の派遣の他さまざまな場での意見交換会などで実態の把握に努めています。また、登録アドバイザー制度を設けて現役をリタイヤした専門家の派遣などを実施しています。
さらに、大企業の事業活動についても、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚するとともに、中小企業振興施策への協力を盛り込まれています(第6条)。
札幌市の4民商の幹部のみなさんに話を聞く
魅力ある振興策に取り組む商店街の取り組みについて、札幌民主商工会の4民商の副会長や事務局長のみなさんと交流。主に札幌市の「中小企業等振興条例」制定との関わりについてお話を伺いました。
札幌市では、小売業・商店のドーナツ型の傾向が進んでおり、将来的に自家用車を持たない消費者への影響が危惧されるということです。事実、まちの形成過程が、(株)ジャスコなどの大型店の進出による影響を大きく受けており、住民の消費生活の大部分を大型店に依存せざるを得ない実態が紹介されました。
さらには、実態のない商店街も目立ちはじめ、民商会員も商店の減少で建築関係者が4割を占めているそうですが、冬場は出稼ぎにより、市内の実態がなくなるということもわかりました。
「中小企業等振興条例」の改定にあたっても、民商として、「下(小規模事業者)に目線を置いた振興条例になるよう」要望を提出したことも報告され、札幌市が実態把握のため、それまで商工会議所以外との接点を持たなかった札幌市が「民主商工会」にも会員への実態調査の依頼がされるようになったことなど、市長の取り組みの姿勢が垣間見える内容も報告されました。
日本共産党札幌市議団の井上ひさ子団長ら5名とも「中小企業振興条例」改定の背景などについて意見交流しました。