市政と市民のくらしを結ぶ
トピックス

会計年度任用職員の条例に反対~勝又議員が代表討論

IMG_55446月28日の第3回川崎市議会定例会で、勝又光江議員が日本共産党を代表して諸議案にたいする討論を行いました。

川崎市会計年度任用職員の給与等に関する条例の制定について(議案73号)、「非正規職員制度」を合法化するものであり、公務の運営は「正規職員を中心」とする原則からも逸脱していて、根拠となった「法令改正」に共産党は反対していることから条例の制定にも反対を表明しました。

勝又議員の討論原稿は次の通りです(議事録ではありません)。

 

代表討論

私は日本共産党を代表して、今議会に提案された諸議案について討論を行います。

議案第73号川崎市会計年度任用職員の給与等に関する条例の制定について、議案第75号地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定についてです

この条例改正は、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正し、一年任用の「会計年度任用職員」という新たな仕組みを導入し、臨時・非常勤の地方公務員の大部分を移すために制定するものです。会計年度任用職員制度の導入は、第一に非正規職員に対して、法的な根拠を与え非正規雇用を合法化し、非正規化を進めることにつながりかねないこと。第二に、1年限定の雇用制度であり、市は任用期間の限度を最長1年、5年と定めて雇止めすることにつながります。フルタイム無期雇用が原則という国際的なルールからも、「公務の運営は任期の定めのない常勤職員を中心」とする原則からも逸脱した法改正のため、わが党は反対しました。よって、この法律に基づく条例改正には反対します。

議案第74号川崎市行政手続きにおける特定個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正する条例の制定についてです。

この議案は、マイナンバーの利用を外国人生活保護関係情報、精神障害者保健福祉手帳に関する情報に拡大するための条例制定です。マイナンバー制度の導入・拡大すること自体、深刻なプライバシー侵害やなりすましなどの犯罪を招く恐れがあるため、反対します。

議案第77号川崎市市税条例等の一部を改正する条例の制定についてです

この条例改正は地方税法改正に伴うものです。この法改正は消費税率10%引き上げに合わせ自動車の保有課税を恒久的に引き下げるとし、この恒久減税により生じる地方税減収分を補う措置として、エコカー減税等の見直しなどで地方税財源を確保し、加えて消費税引き上げに伴う対応として環境性能割の税率の見直しをするものです。本条例では、これらの措置のうちグリーン化特例と環境性能割の見直しをするもので、グリーン化特例では減税対象が狭められ、環境性能割でも軽自動車は増税となり、消費者にとってはともに負担増となります。さらに消費税増税を前提とした条例改正であるため、本義案には反対します。

議案84号川崎市保育・子育て総合支援センター条例の制定についてです

この議案は、大島保育園及び大島乳児保育園を統合し、「保育所機能」、「地域の子供・子育て支援機能」「民間保育所等への支援機能」「公立民間保育所の人材育成機能」を一体的に行う保育・子育て総合支援センターを設置するというものです。私たちは、これまで、機能強化に伴う施設整備と、人員増が必要と繰り返し求めてきました。委員会では、地域子育て支援スペース、医療・処置室、個別相談室等については、施設の中に配置したこと、保育士については、3名の増を行うとの答弁がありました。

川崎区の次に予定される中原区のセンターについては、保育児童の増が予想されることから、さらなる、施設整備、人員増を求めたのに対し、検討していくとのことでした。施設整備、人員増が実現するよう強く求めて、議案には賛成します。

議案第85号川崎市保育園条例の一部を改正する条例の制定についてです

この議案は、保育園の民営化に伴い、川崎市保育園条例から南加瀬保育園、南河原保育園、虹ヶ丘保育園の3園を削除する議案です。私どもは、保育の継続性と公平性を担保し保育の質を確保するとともに、地域の子育て支援等にも大きな役割を果たす公立保育所を民営化すべきではないと反対してきました。よって、この議案には賛成できません。

議案第91号東扇島堀込部護岸築造その1工事請負契約の締結についてです

この議案は、東扇島堀込部土地造成事業の護岸整備において、護岸をハイブリッドケーソンにて築造するものです。これまでも堀込部の埋立事業については、反対をしていることから、この議案については賛成できません。

議案第96号黒川地区小中学校新設事業の契約の変更について、議案第97号川崎市立小学校及び聾学校冷房化等事業の契約の変更について、議案第98号(仮称)川崎市南部学校給食センター整備等事業の契約の変更について、議案第99号(仮称)川崎市中部学校給食センター整備等事業の契約の変更について、議案第100号(仮称)川崎市北部学校給食センター整備等事業の契約の変更についてです

これらの議案は、消費税率の改定による、契約金額を変更するというものです。私たちは、もともと消費税の引き上げに反対していることから、これらの議案には賛成できません。

議案第105号 川崎市建築基準条例の一部を改正する条例の制定についてです

この議案は、建築基準法の改定により、引用条文の変更を行うものです。この建築基準法の改定は、『3階以上の階を病院、ホテル、旅館、劇場、児童福祉施設、物販店舗等の用に供する特殊建築物は耐火建築物等としなければならい』とした法律を、階数が3で、延べ面積が200㎡未満のものについては、警報設備や防火区域等の規定を講じれば、耐火建物等とすることを要しないとしたのもで、安全上の基準を緩和したものです。この緩和は、既存の住宅のみでなく新築住宅にも適用され、また、警報装置などは政令でその技術的基準を定めているものの、その基準を満たしているかどうかの確認は基本的には所有者任せであり、安全性が損なわれる危険のあるものです。今回の条例の改定は、その建築基準法の改定によるもので、その改定自体に反対であることから、この議案には賛成できません。

報告第15号 地方自治法第180条の規定による市長の専決処分の報告についてです

この報告には、東扇島堀込部地盤改良工事の契約金額の増額変更が含まれています。わが党は、東扇島堀込部の土地造成事業に反対してきました。その経過から、この報告にも同意することはできません。

以上の立場から、議案第73号、議案第74号、議案第75号、議案第77号、議案第85号、議案第91号、議案第96号、議案第97号、議案第98号、議案第99号、議案第100号、議案第105号については反対し、報告第15号については不同意、その他の議案及び報告については賛成・同意することを表明して討論を終わります。


ご意見・ご相談