長時間勤務軽減の基本は教職員をふやすこと~教育長任命議案に質疑
3月15日の2019年第1回川崎市議会定例会で、川崎市教育委員会の教育長の任命提案について、石田和子議員(高津区)が日本共産党を代表して質疑を行いました。
石田議員は、教育長候補者が所信表明で、支援スタッフの配置や学校全体の意識改革を進めることで長時間勤務の軽減に努めるとしていることに懸念を示し、市長に対して意識改革で長時間勤務を解消できると考えているかと質問、市長答弁を受けて「長時間勤務軽減の基本は教職員をふやすことです」と要望を述べました。
石田議員の質疑は次の通りです。 (議事録ではありません)
代表質疑
私は日本共産党を代表して、議案第68号川崎市教育委員会の教育長の任命について伺います。
ただいま、教育長候補者である小田島満氏の所信表明を伺いました。勤務実態調査で、授業準備などを始業前、終業後、あるいは休日に行なわざるを得ない実態が浮き彫りになりましたが、そのような実態について、「教職員は熱意を持って日々、子どもたちの為に、時間を惜しまず働いてしまいがちです」「そうした教職員の情熱や使命感は大変ありがたく、充分理解するものではありますが、支援スタッフの配置や学校全体の意識改革をすすめることにより、長時間勤務の軽減に努めることが必要と考えています」との考え方に、この長時間勤務の実態をどうとらえておられるのかと違和感を覚えました。
教職員の勤務実態調査の最終報告では、約93%の教員が「休憩が取れない」「ほとんど取れない」状況です。時間外労働が月80時間を超えている実態は深刻で、中でも中学校教員は16%が週当たり40時間以上の時間外勤務、つまり月160時間を超える時間外労働をしています。授業の準備は、8割以上の教員が始業前、終業後に行っており、授業の準備時間をしっかり取りたいと83%の教員が答えています。小田島氏は教職員は「時間を惜しまず働いてしまいがちです」と言われました。
深刻な勤務実態調査からみても教員個人が熱意をもって取り組んだ結果が長時間労働を生み出しているなど捉えられているとしたら、教職員の長時間労働を改善することはできないのでは、と教育長としては疑問を感じざるを得ません。
長時間勤務を解消するのに、学校全体の意識改革を進めれば解消できると考えておられるのか、教育長を任命する市長の見解を伺います。
【要望】
市長の答弁では、「教職員が授業づくりや子どもたちの指導に一層専念できる環境を整える」ということでした。これは、「意識改革を進めることにより」、「長時間勤務の軽減に努める」という立場ではなく、長時間勤務を解消する「環境整備」こそ重要だとの認識を示されたものだと解釈します。この立場から、市長は、小田嶋氏については「教職員の長時間勤務をはじめとする教育を取り巻く昨今の諸課題に継続して対処」するよう期待するとの答弁でした。長時間勤務軽減の基本は教職員を増やすことです。ぜひ、こうした立場で「きめ細やかな教育行政を展開する」よう、私たちもしっかりと注視していきたいと思います。