杉田衆院議員の差別発言に抗議~有志女性市議
川崎市議会の女性有志議員は、自民党杉田衆院議員のLGBT差別発言抗議し、撤回を求める意見書を、7月30日公表しました。有志議員は、市古映美議員、石田和子議員、井口真美議員、勝又光江議員、大庭裕子議員(いづれも日本共産党)、渡辺あつ子議員、小田理恵子議員(いづれも無所属)の7名です。意見書は以下の通りです。
杉田水脈自民党衆院議員のLGBT差別発言に抗議し、撤回を求める意見書
杉田水脈衆院議員が「新潮45」(2018年8月号)に「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した論文を寄稿。性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者に対して侮辱的・屈辱的な主張を展開しています。
杉田氏は、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同を得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がないのです」と断定しています。
そもそも、子どもを持つかどうかで人の価値を測り、「生産性」という経済の尺度で線引きをするなど許されることではありません。
また、杉田氏は、「LGBTだからといって実際そんなに差別されているものでしょうか」と主張していますが、当事者や2017年10月の内閣府「人権擁護に関する世論調査」では49%の人が差別的言動をされると回答、様々な統計調査でも差別の実態が明らかにされています。
さらに、「LGBTは性的嗜好の話」と決めつけていますが、性的指向・性自認は本人の意思の問題ではなく、本人に選択できるものではないことはこの間の運動や研究で疑いのないものとなっている明白な真実であり、このような事実に反する主張を公然と行うことは許されないものです。
性的指向や障がいによって人は差別されてはならないことは先進民主主義国に共通する社会規範といってよいもので、LGBTへの差別や暴力の解消を国連が呼びかける中、日本も積極的な取り組みを求められているところです。そうした状況で、国会議員が逆に差別を助長するような主張を公然と展開するのは、主義・主張のレベルで済ませられるものではありません。杉田議員の主張は特定の少数者や弱者の人権を侵害するヘイトスピーチの類いであり、きわめて危険なものだといわなければなりません。
以上より、私たちは本件論文での当事者の権利を侵害するこれらの主張について強く抗議し、撤回を求めるものです。
2018年7月30日
川崎市議会議員
市古映美
石田和子
井口真美
勝又光江
大庭裕子
渡辺あつ子
小田理恵子