「中学校完全給食実施方針・素案」について、せめて中学校単位、あるいは 小学校単位での保護者説明会を行なうことを求める緊急の申し入れ
川崎市教育長 渡邊直美 様
川崎市立中学校完全給食実施方針(素案)保護者説明会が各区の市民館大ホールを利用して各区 1 ヵ所・夜7時開会で企画され、9 月 15 日(月)第 1 回説明会が宮前市民館でスタートしました。しかし宮前市民館では定員 910 人収容の大ホールに参加者はわずか 40 人程度で大ホールはガラガラの参加状況とのことでした。開催通知には「当日先着順」などと書かれていますが、そんな心配は無用でした。
日本共産党が今9月議会代表質問前の聞き取りで、保護者説明会のあり方について、小学生やそれより小さい幼児などを抱えた保護者が夜7時に市民館大ホールまで行くのは困難であり、せめて中学校区単位で開催すべきと指摘していましたが、その警告と指摘通りの事態になっています。
川崎市の一大事業となる中学校給食の実施に向けた説明会が、このように始めから集まりにくい会場で開催され、各区1ヵ所ずつ参加者はガラガラで保護者説明を打ち切るようなことは絶対にあってはなりません。
このような保護者説明会の開催方法と参加状況では、9 月 29 日(月)を締切とする市民意見募集(パブリックコメント)も関心が高まるのか、意見が集まるのか心配です。昨年 12月に教育委員会が学校を通じて実施した事前の中学校給食アンケートに比べても、今回の実施方針素案を発表後の保護者説明と意見集約の方法が、あまりにおざなりです。
中学校給食は、実施すれば約3万2千人余が毎日食べることになる、子どもたち・保護者にとって大きな問題です。とりわけ、市長がめざす2年後実施の場合でも、現在の中学1年生及びそれ以下の現在の小学5・6年生、さらにそれ以降も今の小学生が食べることになるのですから、とくに小学生の保護者には丁寧に説明し、意見をよく聞き、方針に反映させる努力を尽くすべきです。
今回の説明会開催の持ち方は、実施時期のスケジュール先にありきで、形式的に説明会を開いているだけと思われても仕方ないやり方です。それは宮前区説明会で参加者から意見・質問が出ても、市教委の担当課長が「素案の方向で進めていきたい」の一点張りだったことにも現れています。保護者・子どもの目の届かない大規模センター方式が前提になると、こうした市民不在の説明会の持ち方でもいいという発想になるのではないでしょうか。
学校単位で調理され提供される自校調理方式ならば、このようなやり方は絶対ありえません。益々、子ども・保護者からは遠いところで給食が作られ、市民の声が届かない給食が実施されようとしているのではないかと、不安はつのるばかりです。
学校で給食を食べるのは子どもたちであり、それに関心を持って説明を聞きたいのは保護者であり、業務にかかわる現場の教職員です。福田紀彦市長も「対話と現場主義」を掲げています。行政側の方針や思惑、スケジュール先にありきではなく、市民・関係者がたくさん参加できる説明会を、時間をかけて、丁寧に開催するのは行政側の最低限の務めです。
以上のことから、中学校給食を享受することになる子どもたちと大多数の保護者にきちんと説明が行き届き、意見をくみつくすために、せめて中学校区単位(その学区の小学校も対象)あるいは小学校区単位で学校体育館も活用して、土日も含めて保護者が歩いて行ける範囲で説明会を開催することを求めます。
2014 年 9 月 18 日
日本共産党川崎市議会議員団
団長 市古映美