母子生活支援施設・情緒障害児短期治療施設を視察~女性と子どもの福祉の充実に向けて~
11月4日、母子生活支援施設「ヒルズすえなが」へ、石田和子・佐野仁昭・石川建二・井口真美・勝又光江・大庭裕子・渡辺学・宗田裕之・片柳進の9人の議員で視察にうかがいました。その後、情緒障害児短期治療施設「川崎こども心理ケアセンターかなで」へ石田和子・佐野仁昭・石川建二・井口真美・渡辺学・宗田裕之・片柳進の7人の議員で視察にうかがいました。
「ヒルズすえなが」は今年4月から新たな指定管理者のもとで管理・運営されています。施設長の方からお話をうかがい、施設を案内していただきました。
母子生活支援施設は、児童福祉法第38条にもとづいて設置され、「地方自治体は、社会的養護を担う施設として、入所された母親と子どもを保護し、よりよく生きることを保障しなければならない」と厚労省の運営指針で定められています。子どもの最善の利益のために、同法第1条の「児童は等しく生活を保障され愛護されなければならない」のもとで、母子の安心した生活とともに、自立に向けた支援もおこなっています。川崎市は10年前に直営から指定管理者による管理・運営にしました。
自立に向けて、育児や家事への支援、履歴書の書き方など、丁寧な就労支援、保育支援等を行なっています。母親や子どもの心理的課題に対する専門的な支援が必要という立場で、心理職として2名の方が、母親や子どもの支援をおこなっているとのことです。
館内には本や遊具があり、ガラス窓にいろいろなシールが貼られていたりして、和やかで明るいイメージでした。建物は築29年とのことで、居室の床の老朽化や「使用不能」の洗面所があるなど、市が修繕をすべきところがあるとともに、居室は定員分の入所がいつでも出来る環境を整えることが必要です。市が指定管理者と話し合い、居住環境の改善が必要です。
「川崎子ども心理ケアセンターかなで」は中原区井田に新設したばかりで、施設長の方から施設の概要等をお聞きし、きれいで大変立派な施設内を見学させていただきました。ここは、児童福祉法第43条の5に規定された施設で、川崎市が社会福祉法人横浜博萌会に運営を委託しています。
心理的な困難や苦しみを抱え、生活の中で生きづらさを感じている子どもたちに、入所あるいは通所してもらい、治療を行なう施設として整備されました。児童相談所との連携により入所するとのことです。幼児から高校生までが入所できる施設で、幼児は全国初の試みとのことです。大きな特徴として、学校に行けない、学校に行ってもうまくやれないお子さんが、主役になることが出来る学級が必要という観点から、施設内に、井田小学校の特別支援教室を設置するとのことです。これは教育委員会の「教育」と児童福祉の「福祉」の観点から話合いを重ね、来年度の開設に向け教育委員会と準備を行なっているとのことです。
施設長さんは、川崎市に大変立派な建物を作ってもらったので、これからいろんな試みができるだろうとおっしゃっていました。設計士さんが女性だということもあり、細部にわたり考えぬかれていて、各部屋にはユニークな名前がつけられていたり、壁が移動して、大ホールとして使用できるようになっていたりしていました。子供たちが安心して、学び生活できる場となり、専門的で温かな支援により回復していけるようになるために必要な施設であると思いました。