川崎市長選挙の結果について
2013年10月28日、日本共産党川崎市委員会と川崎市議会議員団は「川崎市長選挙の結果について」との談話を発表しました。
川崎市長選挙の結果について (2013年10月28日)
10月27日投開票で行なわれた川崎市長選挙で、わが党も参加する川崎民主市政をつくる会が擁立した君嶋ちか子候補は当選には至りませんでしたが、得票数8万5475票、得票率23.23%を獲得しました。投票率が前回36.09%から今回32.82%へ3.27%も減るなかで、得票数は前回より2万4777票増やし、善戦・健闘しました。
いっぽう、自民党・公明党・民主党の相乗り推薦で盤石の体制で臨み、「阿部市政の継承」を掲げた元総務省官僚・元財政局長の秀嶋善雄氏が敗北したことは政治的に非常に大きな結果であり、マスメディア各紙も注目しています。直近の今年7月参議院選挙での自民党・公明党・民主党の比例合計得票数34万7059票に対し、今回の市長選で三党相乗りの秀嶋候補の得票数は13万9824票と、その半分以下の4割にとどまりました。この結果は、阿部市長自身が「私がやってきたことが失敗だったと市民が判断した」と認める通り、この12年間、「住民福祉の増進」という自治体本来の役割を投げ捨ててきた市民に冷たい阿部市政に市民が厳しい審判をくだすとともに、消費税大増税や原発推進、憲法改悪、集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法など、安倍自公政権の暴走政治への国民・市民の強い危惧・批判が示されたものです。
それに対して、投票率が55.02%だった参院選で躍進した共産党比例票7万3090票より、投票率が22.2%も下がった今回の市長選挙で、君嶋ちか子候補の得票がその1.17倍となったのは、党派を超えた幅広い市民と日本共産党との共同の広がりを示すもので、政治的力関係を大きく前進させました。これは、「子育て支援の遅れ、福祉切り捨ての市民に冷たい阿部市政の継承を許さず、福祉・くらし最優先の市民にあたたかい女性市長を」という訴えと、子育て・教育の充実、雇用を守り増やすなど市民の切実な願いにこたえる君嶋ちか子さんの政策への共感が大きく広がった結果です。
同時に、自公民相乗りの阿部市政継承者が敗北するという今回の歴史的な結果は、この12年間「オール与党」阿部市政の大型開発優先、福祉切り捨てなどの悪政ときっぱり対決し、市民の暮らしを守るために奮闘してきた日本共産党の論戦と、ねばり強い市民の世論と運動の大きな成果であり、政治的には前向きの変化と言えるものです。
中心争点を「官僚天下り市政ノー」に逸らし、松沢成文参議院議員・元県知事の全面的支援で当選した福田紀彦氏(元民主党県議)が、手法など様々な問題点・弱点を抱えつつも、「育ち盛りの栄養バランス中学校給食スタート」や「小児医療費を小学校卒業まで無料に拡大します」などの政策を打ち出さざるを得なくなったのも、長年の市民・団体の世論と運動、政党では市議会で一貫して要求してきた日本共産党の論戦と宣伝、君嶋ちか子候補の政策を無視できなくなったものです。わが党はこれらの市民の切実な要求を前進させる政策についてはより良い方法で実行するよう強く求めるものです。また、選挙結果に示された「阿部行革ノー」の市民の審判を重く受けとめ、これまでの福祉切り捨て、市民・職員いじめの「阿部行革路線」から、きっぱり決別することを強く求めるものです。
同時に、福田氏が「わからない子は何回教えてもわからない」などと公言して子どもを差別選別する「習熟度別クラスの導入」や、公的保育を放棄して金券を支給する保育園「バウチャー制度」導入、介護者をボランティアに置き換える「介護特区」など反市民的な政策を掲げていることについてはその実施を許さず、「国際戦略総合特区」や「船の来ない港」など不要不急の大規模開発の推進を明言していることについては議会内外で論戦と運動を強め、悪政とはきっぱり対決する立場で臨むものです。
日本共産党は、君嶋ちか子候補に託された、「ムダな大型開発をやめ、福祉・くらし最優先の市政に変えてほしい」という市民の願いにこたえ、公約実現に議会内外で全力をつくす決意です。
日本共産党川崎市委員会
日本共産党川崎市議会議員団 団長 市古映美