川崎市発注公共工事分析報告書の発表・報告会
日本共産党川崎市議団がNPO建設政策研究所に委託して研究した「川崎市発注公共工事分析報告書」の発表・学習会が、4日、開かれました。
報告書の執筆に関わった辻村定次建設政策研究所副理事長、市村昌利同研究員、庭野峰雄同研究員が、川崎市発注公共工事分析報告書の概要についてそれぞれ担当した部分を説明、村松加代子同専務理事が公共工事、建設産業をめぐる政策動向について報告しました。
報告によれば、全国的に地方自治体が発注する建設工事金額は減少しているにもかかわらず川崎市は異例の増加傾向を示しており、1億円以上の大規模工事が増加しており、浄水場やポンプ場の建築、小学校の新築・改築・耐震改修事業等が目立ついっぽう、市民生活の安全性や利便性にきめ細かく対応する区役所からの発注事業が減少傾向にあるとしています。市内事業者向けの発注量は確実に増加しているけれど、受注できている市内業者はの入札申請者の半分であり、B~Dランクの市内中小業者(多くは資本金5000万円以下)には十分仕事が行き渡っておらずランク分けとこのクラスの発注量を増やす改善が必要であること、最低制限価格率を工事規模が小さくなる程高くなるように改めること(現実は逆)、指名競争入札の原則廃止と小額工事での随意契約活用など提案しました。
質問に答えて、低賃金、社会保険無加入、高齢化など中小零細の建設業者が苦境に立たされているのは社会の投資額に比べて多すぎる業者がダンピング競争を続け労働者への賃金・労働条件等にしわよせしているからだとする報告が出されているが、真の原因は、元請け業者の低価格受注がさらに低い価格による重層下請のもとで価格を引き下げながら取引されていく構造に問題があると述べ、建設労働者の賃金・労働条件切り下げに歯止めをかけるため、そのためのルールづくり、最低基準賃金の合意づくり、公契約条例の制定などにとりくむ必要があると見解を述べました。