2月6日、明石市(リフォーム条例)、西宮市(しごと相談室)を視察
日本共産党川崎市議団は、2月6日に明石市と西宮市を、7日に神戸市を視察しました。竹間幸一、佐野仁昭、石川建二、井口真美、大庭裕子各議員が参加しました。
明石市
明石市では産業振興部商工労政課から、明石市産業活性化緊急支援事業(住宅リフォーム助成)について説明を受け質疑しました。同市は2000年度に緊急経済対策として5年間実施。景気が回復基調にあることから一時廃止していましたが2008年度から世界同時不況への緊急経済対策として2009年度に再開しました。
20万円以上の工事に費用の10%を10万円を上限に助成。市内の施工業者を利用することが条件。
市では施策の経済効果について、「助成金があるので、家のリフォームをしよう」と需要を創出し風呂や給湯器、システムキッチン等高額な製品の購入につなるだけでなく、「リフォームをしたし、部屋のものも新しくしよう」と工事後の備品の購入にも繋がっており、この助成制度は建設業だけでなく、製造業や小売業等の多岐にわたる業種に波及効果があると分析しています。実際、助成者へのアンケートから、工事後に520万円縲・60万円の物品(内約80%が市内小売店から)を購入していることがわかっています。
また経済波及効果額について明石市産業連関表を使って検証。利用者アンケートから、助成制度があるのでリフォームしたとする人の割合(53縲・2%)や金額などをつかみ、市の助成総額と消費喚起額などから経済波及効果が助成額の11縲・2倍(2009縲・010年度)であると算出しています。施工業者にはほとんど大手は入っていないこともわかっています。
東播建設労働組合を訪問し、助成制度創設や再開に取り組んだ工務店や職人の人たちからお話をうかがいました。1995年の阪神淡路大震災の復興需要の反動で仕事が一気になくなった頃、生活と営業をなんとかしなくてはと建設労働者は東京板橋区の助成方式を学び市に助成制度創設を要求。震災時に建設組合等が果たした役割の重要性が認知されていたこともあり2000年度に緊急経済対策として助成制度が創設されました。10%上限10万円総額1000万円の予算(100件分)で始めたところに500件以上の応募がり2000万円を補正予算で追加。市民もよろこび業者も仕事が増え地域全体への影響もあらわれていました。しかし市長が代わると制度は打ち切りに。でも組合員は熱心に運動を続けて復活を実現、いまは「自分たちが作った制度だから市が納得する効果をだそう」とこれをテコに、得意先を訪問し営業活動をおこない仕事起こしに取り組んでいます。「営業のツールができた」と勇気を持って営業活動に踏み出す業者、「やっぱり地元の業者は安心」「(応募者多数のため)抽選ではずれたけれど、やはりリフォームしたい」と工事を決める市民等、助成制度の効果はさまざまに現れているといいます。
西宮市
西宮市では、市立勤労会館で、西宮市の雇用・就職状況や同市しごと相談室の取り組みの内容を、勤労福祉課や、委託を受けている地域の企業と結びつきがありニート支援などでも実績のあるNPO法人コミュニティ事業支援ネットから説明を受けました。
西宮市は、かつての造船業などが撤退したため、飲食・サービス業の求人が多く、非正規労働の比重が高いこと、また市内に10大学をかかえるため若年者の失業率が比較的高いため、この事業を重視している、とのことでした。
「しごと相談室」は、2年前からはじまった国の緊急雇用事業を機にはじめた事業で、昨年は1800~2000人の相談にのってこられたそうです。
国の「ふるさと雇用基金」が今年度で終了するもとで、これだけの相談者たちのために継続してサポートする必要性がある、と市が独自の予算措置をとって来年度も事業を継続するとのことでした。
詳細はそのNPO法人コミュニティ事業支援ネットの方にうかがいました。
運営の苦労について、「経済状況が深刻なうえ、厳しい雇用情勢の中で精神的に辛い思いをされている方も相談に来るため、ひとり一人の相談に時間がかかる。2時間話を聞くことも当たり前、『半年をめどに支援を』ということになっているが実際は相談で生まれた関係を半年では切れない。時間をかけて長いスパンで支援していくことが大事だ」と、また市が独自に事業を継続したことに対し「なかなか数字や効率では測りにくい事業だが、予算をつけてくれるので頑張れる、本当に感謝しています」と、いいます。