公立保育園の民営化を考え、保護者の声をきくシンポジウム~80人参加し熱心な討論
2008,12,08, Monday
ゲストに、立教大学教授の浅井春夫さん、ジャーナリストの猪熊弘子さん、過労死で亡くなった元サクセスアカデミー保育運営部長の夫の小林忍さん
12月6日、日本共産党川崎市会議員団主催で「公立保育園の民営化を考え、保護者の声をきくシンポジウム」が開かれ、保育園の保護者、職員、子どもを含め、80人以上が参加し、熱心な討論がおこなわれました。
石川けんじ議員が、前日(12月5日)の共産党代表質問での論戦を含め開会あいさつをした後、ゲストの3氏が基調報告を行ないました。
立教大学教授の浅井春夫先生は「公立保育園を守ることは、子どもを大切にする大人の責任」と題して、公立保育園の民営化、最低基準の廃止、直接入所契約の導入など政府の保育制度改悪の動きを説明し、民営化の論理を批判しました。
川崎市内のハッピースマイル保育園の閉鎖を取材した記事を週刊誌に掲載したジャーナリストの猪熊弘子さんが、取材でわかったずさんな企業参入・運営の実態を報告し、「やっとの思いでこの園に入れた保護者への裏切りを絶対許してはいけない」「これ以上、川崎市がおかしくなっていくのを見ていられない」と語りました。
塚越保育園や南平間保育園などの法人である、サクセスアカデミー(株)の保育運営部長をしていた昨年10月30日に過労死で亡くなった小林たづ子さんの夫=小林忍さん(社会福祉法人・鎌倉たんぽぽ会、たんぽぽ共同保育園理事長)が、企業がいかに無理をして保育事業への参入をすすめているのか、その裏側の実態を明らかにし、生前、たづ子さんが「急激な業務の拡大は、保育の質が保障できないので、人材を育成することと併せて進める」ことを主張していたも紹介しました。
このあと、エムケイグループの上小田中ハッピースマイル保育園の閉鎖で被害を受けた保護者が、この間の経過を詳しく報告。「スマイルの閉園は市の責任です。市は、つぶれたら次の会社を見つければいいという態度。子どもはモノじゃない」と怒りをあらわにしました。
保育園の保護者や、裁判でたたかっている民営化園の小田中保育園の原告の父母、保育園職員などが次つぎ発言。助言者の浅井春夫先生が、「子どもや高齢者、いのちにかかわる部門に、競争、もうけ主義を持ち込んではいけないというのが、国際的なコンセンサスになっている」「たたかう場面、機会はいっぱいある。いまが踏ん張りどころ」と述べ、激励しました。
最後に、竹間幸一市議団長がお礼のあいさつを述べ、市民委員会の審議でも全力でがんばる決意を表明しました。
石田和子議員が司会進行をつとめ、市古てるみ、佐野よしあき、斉藤たかし、井口まみ、勝又みつえ、大庭裕子の各議員が参加しました。