2009年第2回川崎市議会定例会(6月議会) 斉藤隆司議員の代表質問
2009,06,24, Wednesday
2009年川崎市議会第2回定例会が開催され、6月17日、日本共産党の斉藤隆司議員が代表質問をおこないました。その質問をお知らせします。
私は日本共産党を代表して、2009年第2回川崎市議会定例会に提案された諸議案並びに市政一般について質問を行います。
いま世界は大きな変化の中にあります。アメリカのオバマ大統領が4月5日、プラハでおこなった演説は、全世界に反響を広げ、核兵器廃絶に向けた議論と運動に新たな弾みを与えています。
そうしたなか、北朝鮮による核実験の強行は、北朝鮮に対して「いかなる核実験または弾道ミサイルの発射もこれ以上実施しないこと」を要求した国連安保理決議1718や北朝鮮が「一切の核兵器および現在の核計画を放棄」すると合意した6ヵ国協議共同声明にも明確に違反する暴挙です。同時に、北朝鮮に核開発の口実を与えないためにも核廃絶の取組が差し迫った課題になっていることを示しています。
大統領は演説のなかで、次のように述べました。
「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、米国は行動する道義的責任がある。われわれは、この試みに単独で成功することはできないが、それを導き、始めることができる。それゆえ、きょう私は、核のない平和で安全な世界を米国が追求していくことを明確に宣言する」と。
わが党の志位和夫委員長はオバマ大統領の発言を歓迎する立場から、大統領に、核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして、国際交渉を開始するイニシアチブを発揮することを、強く要請する書簡を送りました。これに対して米政府から、「送られた書簡に感謝するとともに、具体的な前進をつくりだすために、日本政府との協力を望んでいる」との返書がとどけられました。
わが党は、麻生首相に被爆国の政府として、核兵器廃絶の問題を正面からの主題とした国際交渉を国際社会に呼びかけ、開始するためのイニシアチブをとることを求めました。衆参議長との会談でも、演説は米国のなかで冷ややかな受けとめもあると聞いたが、それならばこそ、よりいっそう国際世論を盛り上げて支えることが大切だとの意見も寄せられました。
国会において、「核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議」が全会一致で可決されました。政令市で最初に核兵器廃絶平和都市宣言を行った本市の市長として、核兵器廃絶に向け世論を盛り上げるためのイニシアチブを発揮することが求められていると考えますが、見解をうかがいます。
地球温暖化対策について伺います。
6月4日に環境審議会から「川崎市地球温暖化条例の基本的考え方について」の答申が出されました。その中で、大規模事業者が具体的な数値目標を定めた計画書、報告書を策定、提出し、市長が公表することなどが盛り込まれています。しかし、計画に基づく取り組みについては、市長は必要に応じた「指導」「助言」としています。つまり、事業者の自主的な計画と報告に任されているということです。
東京都は、「地球温暖化対策計画書制度における温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の導入について」で、自主的な取り組みのみを前提とした制度では、今後、大幅なCO₂の削減に必要な基本的なレベルを超える、より踏み込んだ対策の計画化は極めて困難であることも明らかになったとしています。
こうした視点から、東京都は、総量削減義務を含む制度を導入しました。川崎市は公害防止等生活環境の保全条例並みの行政指導を今後検討されている温暖化対策条例に盛り込むべきと思いますが、見解を伺います。
雇用問題についてです。
厚生労働省は、昨年10月から今年6月までに職を失ったり、失う見通しの非正規労働者の数は、21万6,408人で、4月の前回調査より4.4%増加するとの調査結果を発表しました。また、同省の「大量雇用変動届」の提出状況によると、正社員の解雇について、3,4月の届け出分の合計で3万7,346人との見通しも明らかになりました。総務省の発表による4月の完全失業率は、前月より0.2ポイント悪化し、5.0%と3ヵ月連続で上昇しました。
このように雇用情勢は引き続き厳しさを増しています。問題は、現在行われている「非正規切り」の大多数が現行法すら無視した違法行為だということです。契約途中での解雇、偽装請負、期間制限違反、違法「クーリング」、業務偽装、細切れ契約の反復などです。正社員にたいしても工場閉鎖や強制配転などさまざまな手法を用いて退職強要をすすめることも違法です。
こうした違法行為を目の前にしてもなお、「各企業においては、高度かつ自主的な経営判断により様々な経営努力をされているが、雇用調整に違法性が認められる場合には、権限と責任を有する機関が、適切な措置を講ずるものと考える」などとして、静観するつもりなのですか。政治災害ともいうべき事態の広がりに、市長として、雇用における企業の社会的責任を果たすよう、自ら直接企業に申し入れる考えはないのか、見解をうかがいます。
今、深刻な雇用実態の中で、失業と同時に生活や家庭が崩壊しかねない事態に立たされている市民に対して、雇用相談と同時に、生活相談、健康相談、教育相談、生活資金の貸し付けや教育費の支援など、複雑多岐にわたる相談内容に対して、総合的に対応する窓口が必要になっています。各区に総合相談窓口の設置を行うべきですが、伺います。
他都市でも行っているように、土日の開設やハローワークのようにせめて、土曜日と平日夜7時までの開設を行うべきと思いますが伺います。
就職が決まっても、給料は1ヵ月、2ヵ月遅れというのがほとんどであり、その間の生活費がありません。当面の生活費として、10万円程度のお金を貸し付けることができるよう生活資金貸付制度を拡充すべきです。伺います。
中小・零細企業に対する支援策についてです。
2007年度事業所企業統計調査によれば、総事業所の数は4万260社で、そのうち従業員19名以下の小規模事業所数は約9割にもなります。このことからも、小規模事業者に対する支援策の強化が不況対策の要であることがわかります。
これらの事業者の経営の実態は依然厳しく、経済労働局職員が今年1月に行った「中小企業経営環境緊急アンケート」によっても、現在の景況感は8割が「後退」、今後の景気についても8割強が「さらに悪化」、売上高や経常利益についても約8割が「減少」と判断しており、4月に信用金庫が行った業況調査でも、さらに厳しい判断が示されています。こうした下で、融資制度のさらなる充実、経営への直接補助、販路拡大への援助の一層の強化が求められています。
まず、融資制度の改善についてです。
4月の融資制度改正において、「小口零細対応小規模事業資金」の金利の引き下げを実施しました。この融資は、金融機関への確認書が不要など、事業者にも喜ばれているものですが、今なお、金利が返済期間によって1.9%から2.2%と経営安定資金より高い設定です。大田区では、今年度から、「小口零細企業保証制度」の対象となる融資の金利を返済期限の7年間、金利ゼロで実施しています。本市でも小口零細の融資を市が金利負担を行い、金利ゼロで実施すべきですが、伺います。
さらに、経営への支援についてです。地域の経営者からは、「仕事が3分の1になった」など深刻な実態を反映した訴えが増えています。優れた技術を持ちながらも機械を遊ばせるしかない事業所への支援は待ったなしです。川崎市の高度な技術の集積を維持するために、工場への家賃補助や下請け製造業者の固定費補助を早急に検討するよう指示を出すべきですが、市長に伺います。
大企業から地元の下請け中小零細企業への仕事が優先的に確保されるようにすることや、賃金の遅配が起こらないように申し入れや懇談をするなど行政として特別の対策を講じるべきと思いますが、市長に伺います。
私たちは、中原区にある等々力工業会の常設展示場を視察して来ました。“町工場アンテナ”として、36社の町工場の技術が集積した製品・加工品やアイデア品などが展示してあり、素人目にもすごい技術の集積だと感じました。
しかし、この展示場は大家さんのご厚意で1年間だけの契約であり、行政からの支援がありません。そのため、「2年目からどうなるかとの心配」と自らの仕事確保と相まって不安を募らせていました。等々力工業会のこの技術の集積を守るためにも展示場の家賃を補助して来年も常設展示ができるようにすべきと思いますが伺います。
また、川崎で生まれた優れた商品を市のホームページで紹介するなど、市民にも積極的にPRしたり、市内企業が開発した補聴器を区の窓口に設置されているように、等々力工業会と明治大学で共同開発した製品を市が買ってみるとか、地元の中小企業の開発した技術や製品を積極的に活用し、支援すべきと思いますが伺います。
仕事おこしの一環として、企業間の技術を行政が橋渡しをするマッチング事業が挙げられます。訪問により、企業の持つ技術の把握を行い、他企業とのマッチングを進めるだけでなく、その事業者の要望と支援策とを結びつける活動は重要です。昨年度、訪問した企業は224社でした。財団職員3名、市職員2名、コーディネータ4名という少ないスタッフでは、訪問できる企業も自ずから限界があります。経営診断士や企業OBなど経験あるコーディネータを増やすなど、4名以下の零細企業も含め、企業訪問を進め、きめ細かい支援を可能にする体制をとるべきと思いますが、伺います。
勤労者生活資金貸付制度についてうかがいます。
3月議会での答弁では、勤労者生活資金貸付制度の目的と労働金庫の設立目的が勤労者の生活の安定と向上であることから、事業者を加えることは現時点では困難であるが、今後とも調整をすすめるとの答弁でした。
川崎市が運営している川崎市勤労者福祉共済制度では、会員の事業主にも貸付をおこなっています。これは、勤労者生活資金貸付制度と同様に、労働金庫に原資を預託し、労金が窓口になるものです。同様の仕組みを取っている勤労者生活資金貸付制度でも、預託する川崎市が制度の目的に追加を行うことにより、勤労者福祉共済制度と同様に事業主への資金貸付が可能と考えますが伺います。
次は商店街への支援についてです。
商店街街路灯の省エネルギー化は大変重要な意味のあることです。中小企業庁商業課は今後の商店街支援策についての中で「社会課題に対応した商業活性化の取り組みを支援」するとしています。横浜市は発光ダイオードの商店街街路灯設置をする場合の補助約14万円へと大幅に引き上げました。川崎市は6万円です。発光ダイオード街路灯設置の推進と補助の大幅な引き上げをおこなうべきですが伺います。
多摩区での子育て支援パスポート事業についてです。多摩区商店街連合会と協働で行われて、111店舗が加盟していますが、商店街のみなさんがさらに加盟店を増やすように頑張っておられる子育て支援カードは小学生まで行き届いたようです。中学生・高校生にまで広げるべきです。今後の対応について伺います。
多摩区商連が子育て支援カードを有している人を対象として発行した20%のプレミアムがついた商品券はすぐに完売しました。同様に、多摩区商連の10%のプレミアム付き商品券も好調に売り上げが伸びているようで、地域でも大きな期待が寄せられています。商品券が完売した後に増刷した場合、印刷代やプレミアム代などは個別の商店街の負担となります。
神戸市では商品券のプレミアム分の2分の1を補助して商店の負担を軽減し、さらに印刷・広報にかかる事務経費を補助しています。本市でも今後、プレミアム付き商品券を発行する商連などに対して支援を行うべきですが伺います。
小児医療費助成制度の拡充についてです
川崎市は小学校入学前まで医療費を助成していますが、1歳から所得制限があります。東京都では23区すべてで入院・通院とも中学卒業まで所得制限なしで助成しています。病気やけがの多いこどもの時期に小学校1年生から医療費の自己負担が3割というのは、子育て世代に大変重い負担です。中学卒業まで年齢を拡充すべきです。うかがいます。
先日、私たちは、所得制限なしで中学卒業まで無料化している世田谷区の取り組みを視察してきました。担当課長は「医療費はこどもが医者にかかったときにかかるものであり、親の収入による所得制限という考えはこどもの医療費助成にはそぐわない」と言っていました。本市では、09年3月末日現在、所得制限のある1歳から6歳までの対象者7万7,084人中1万9,517人、25.3%が助成をうけられません。東京都のように所得制限をなくすべきと考えますが伺います。
私立幼稚園の保育料等補助の拡充についてです。
先日、私立幼稚園の保育料を所得制限なしで、区単独で補助を実施している江戸川区に伺いました。江戸川区は、園児一人あたり月額2万6000円を限度に補助をすることで、月額5000円程度で、私立幼稚園に通わせることができます。月額3000円の区立幼稚園の保育料との格差是正を目的に私立の補助を手厚くすることで、公平性を維持しています。それに対して川崎市は、「少数の園児だけが安い保育料で通えるのは不公平」と、今年度で公立幼稚園を全廃して、私立幼稚園との公平性を維持するという考え方です。公平性の考え方がまるで違っています。公平をいうのなら、江戸川区のように公立幼稚園を存続し、私立幼稚園に対する補助額を抜本的に増額することこそ、真の公平といえます。川崎市でも、横浜市やさいたま市、千葉市のように市内の全園児の52%を占めるAからDランク世帯に対して国の補助に市単独補助を上乗せすべきです。伺います。
保育事業についてです
4月1日現在、認可保育所に入所申請して入所できなかった児童数は昨年より416人増えて1,954人になり、待機児童数は前年比130人増えて713人にものぼり、2年連続で増加しました。かつて、ゼロを目指したにもかかわらず07年の待機児童が465人にのぼったため、緊急に「保育緊急5か年計画」を策定し、2012年4月には待機児ゼロを目指すとしましたが、策定した07年よりも逆に248人増加しています。
計画では2012年4月の利用申請数を1万6,400人と見込み5年間で2,600人の入所枠を拡大するという計画でした。しかしこの間の人口増加と深刻な経済危機を背景に、利用申請者数は3年も早く約1万6,400人に達したにもかかわらず、今年度の認可保育所の定員数は1万3,605人ですから、この差を埋める抜本的な受け入れ枠の拡大を緊急に図るべきです。計画の前倒しを行い認可保育所整備の規模とテンポを抜本的にあげていくべきです。見解と対応を伺います。待機児の最も多い1歳児の受け入れ枠の拡充は当然必要ですが、同時にゼロ歳児の受け入れ枠を減らすことはあってはなりません。ゼロ歳児も1歳児、2歳児に次いで待機児が多いのですから、増やすことはあっても減らすべきではないと考えますが伺います。
2012年の利用申請数の予測の見直しについてです。
人口急増とともに経済危機のなか不安定雇用が増大し、働かなければ食べていけない状況がさらに広がると考えます。保育所はまさに家計の死活問題でもあるわけです。こうした実態を確実に、的確に判断して利用申請予測を見直すべきですが見解と対応を伺います。
内閣府の08年度の「少子化社会白書」は、急激な少子化の進行の背景に就労と出産・子育てとが2者択一となっていると述べています。非正規労働者は、産休制度があったとしても実際にはほとんどとれないために出産か、退職か2者択一の厳しい決断を迫られます。第2子を妊娠した非正規労働の女性から、出産前には退職せざるを得ず、したがって上の子も認可保育所の退園を余儀なくされる。産休後にまた働きたくても保育所の入所がこんなに厳しくては、目の前が暗くなる」と、第2子の妊娠を心から喜べないという訴えが寄せられました。
こんな状況は一刻も早く解消しなければなりません。希望すれば入所ができるという保育所の整備を緊急に行うと同時に、産休育休制度がとれない非正規雇用者に対し、出産後働く意思を持つ女性にはその期間の保育所入所を継続する手だてが強く求められています。見解と対応を伺います。
東京都では多くの区が認可外保育所に入所している保護者への保育料補助があります。入所児童の保育料階層をみても、所得の少ないランクの多くのかたが認可保育所に入所できず、認可外保育施設に入所しています。東京都のように認可外保育所の保育料補助を実施すべきと考えますが伺います。
保育園の民営化に伴う引き継ぎ期間の共同保育についてです。
今年4月から民営化された宮前平保育園では、指定管理者から引き継ぎのために派遣されていた保育士2名が昨年12月末にやめ、白鳥保育園では主任保育士が10月末で退職、南平間保育園でも12月初旬に1名退職しています。引き継ぎ期間に配置される保育士は、引き継ぎ以降、保育内容を継承する重要な役割を担っています。その保育士が辞めてしまったのでは、引き継ぎ期間を6か月にした意味もなく、保護者が不安を覚えるのも当然です。市は対応策として、引き継ぎ後もそれまで担当していた保育士による巡回を行いました。しかし、保育士の加配があるわけでもなく、転勤先の保育園にも迷惑をかけながらの巡回だったといいます。
看護師も3ヵ月前に配置がされる予定でしたが、宮前平や白鳥では2月に入ってから配置され、南平間では3月中旬に配置され、4月の引き継ぎまでわずか10日余りの引き継ぎ期間しかありませんでした。指定管理を行う事業者にとっても、年度途中で優秀な人材の確保は大変困難で、求人誌に毎回のように載る子どもの通う園の求人に、不安を覚えた保護者も少なくありません。
保育の引き継ぎは、ベテランの保育士でも大変といわれます。引き継ぎには経験ある保育士が当たるようになっていますが、経験年数といっても、途中にブランクがあったり、小規模保育園の経験しかなかったりというのでは、仕様書で想定していた引き継ぎはできません。
引き継ぎには、保護者を含め、関係者の大変なエネルギーが費やされました。しかし、その努力は、本来、市が公立の保育園を継続すればする必要のないものです。このことは、公立保育園の民営化が道理もなく、実態からしても無理を押し通すもの以外の何物でもないことを示しています。公立保育園の民営化は引き継ぎの実態からも破たんしています。公立保育園の民営化はやめるべきです。見解を伺います。
中学校のランチサービスについてです。
はるひ野中学校を除く他の50校の喫食率は下がる一方で、この4月の平均喫食率は1.7%とこれまでの最低の利用となっています。08年6月議会での、「1,600万円以上の費用をかけて、WEBシステムを導入することで喫食率を上げる見通しはあるのか」とのわが党の質問に、「WEBシステムの周知を図り、利用方法が定着していくことにより、喫食率は向上していくと考えている」と答弁していましたが、導入後の状況をみれば、まったく効果がなかったことがわかります。
また、1日平均食数が、1校で2食か3食のところもあり、菅中学校では、全生徒数457人のうち、たった1食しか申し込みがないとのことです。事業者が1食2食を各校に届けることは大変なことと思いますが、このような状況で採算がとれるのでしょうか。すでにこの事業は破たんしているといえます。改めて食育ということからも中学校給食に踏みだす時期だと思いますが、伺います。
高校改革に関連して、教育長にうかがいます。
市立高等学校の再編整備のなかで、社会状況の変化に伴う新たなニーズに対応するため、川崎高校を中高一貫教育校とし、併せて二部制定時制課程を設置し、生徒にとっての新たな選択肢も提供できるようにするとして、検討がすすめられています。さらに、この学校用地に南部地域療育センターの整備の調整が進められています。はじめての中高一貫教育校、専門学科である生活科学科・福祉科、そこに二部制定時制を有する学校、さらに南部療育センターとの複合化と、1つ、1つが難しい事業です。
「基本構想準備委員会」でも「中学生、全日制生徒、定時制昼間部の生徒、あるいは定時制昼間部と夜間部の生徒それぞれが落ち着いた学校生活を送るための居場所づくりに十分配慮してほしい」「ほんとうに体育の授業や運動部の活動ができるか心配している。グランドや3つのアリーナの確保を必ずお願いしたい」という意見がでています。ひとつの学校用地にこれほどまでの機能を持つ学校というのは、いまの現状からみてハード面とソフト面について、学校教育としてほんとうに成り立つのか、うかがいます。
中高一貫教育校についてです。
川崎市立中高一貫教育校の教育理念として学校づくりの視点、育てたい生徒像、目指す学校像などが列記されています。現在の市立中学校の教育理念とどこが違うのでしょうか、うかがいます。
この4月には県内でも中高一貫校が2校開設しました。平均倍率は11,32倍と高い倍率でした。入学選考の適正検査は2種類で、その内容はトレーニングを積まなければ限られた時間内で解くのは難しいというものでした。「中高一貫校を受けるために塾に通い始める子どもたちがでてくるのでは」など危惧する声があがっています。
川崎の教育委員会は中高一貫教育校の入試選考にあたっては「受験競争の低年齢化をまねくことのないよう配慮していく」と、言明されてきました。全市から入学者は募集するということですが、改めて入学選考の方法を伺います。
先日総務委員会の視察で、鹿児島の中高一貫教育校も訪問しました。この学校について市教委も学校側も「進学校です」と、明言していました。川崎ですすめようとしている中高一貫教育校はそのようなかたちで他の市立中学校と差別化するものではないと思いますが、うかがいます。
特別支援教育についてです。
特別支援学級の教員の配置は、国基準は8人に一人ですが、一昨年度までは県の加配があって、およそ4人に一人になるくらいの配置ができていました。ところが昨年度は県の加配が足りず、市の非常勤講師の配置も少なかったため、19ものクラスで、5人もしくは6人になったことから、昨年の6月議会でわが党は、どのクラスも4人以下になるよう必要な配置を強く求めました。ところが、今年4月からは、市は1人も非常勤講師を配置しませんでした。そのため、5人以上のクラスは小中あわせて39クラスにふえました。なかには、小学校1年生から6年生までの子ども7人を1人の担任が受け持つという学校もでるなど、昨年度は1クラスだけだった6人以上のクラスが13クラスになってしまいました。
今からでも遅くはありません。特別支援学級の担任の経験のある退職者など、知恵を絞って、非常勤講師を募り、39クラスに配置すべきです。うかがいます。
介護保険についてです。
この4月からスタートした新しい要介護認定制度についてです。危惧されたように、利用者の生活実態を反映しない軽度の認定が頻繁にでることが、各地で問題になっています。
今回の見直しは、①認定調査項目と調査内容の変更 ②一次判定コンピュータープログラムの変更 ③認定審査会による二次判定方法の変更です。これらの見直しにあたっては多くの関係者から批判が相次ぎ、部分的な見直しを余儀なくされましたが、本質的なところは変わらず、実施されました。
川崎ではどうでしょうか。介護認定審査会審査結果での一次判定から二次判定への変更率は平成20年度では29.6%でした。いままで35件審査を行えば12~3件は変更になっていたのが、新様式になった5月のある審査会では変更した件数は3~4件に留まったと聞きました。この変更率の変化をどう考えますか、伺います。
認定審査会において、コンピューターが算出する第一次判定の「基準時間」で、事実上判定のあたまを抑えることはないか、うかがいます。
「主治医の意見書」といっても、主治医が該当者の全体像をつかむことは事実上不可能ではないでしょうか。調査員の特記事項は特段尊重し、状態像にあった、判定ができることが必要と思いますが、うかがいます。
特別養護老人ホームの整備についてです。
特養ホームの入所申請者は、4月1日現在で5,134人ですが、今年度の開設予定は麻生区王禅寺の120床だけです。来年度の開設予定は小規模特養3ヵ所で86床と片平地区の130床、さらにもう1ヵ所、民有地での提案を募集中とのことですが、用地の手当てまで、開設者頼みで本当に実現できるのか、不安です。2011年度開設予定で、いま明らかになっているのは、幸区の2か所で最大125床、宿河原の80床で、いずれも公有地活用方式です。新たな用地は取得せず、現在保有している公有地を活用するとのことですが、今後の見通しについて、伺います。定期借地方式の活用も検討すべきと考えますが、伺います。
認知症高齢者の在宅生活支援の充実についてです
認知症高齢者への生活支援の充実は第4期計画の課題のひとつです。これまで取り組んできた知識の普及、徘徊高齢者の探索、権利擁護、相談事業等のほか、第4期では認知症サポーターの養成を行うとしています。しかし一人住まい,老老世帯、さらに認認世帯が増加しているなか、今後ますます増加するといわれている認知症高齢者が在宅で暮らすうえで欠かせないのが、実際に、話し相手や散歩に付き合い、徘徊の見守り、ゲームの相手などを行うサポートです。これらは介護保険のメニューには含まれていないサービスです。
私たちが先日視察した武蔵野市は、そうした支援はボランティアではなくプロの力が必要であり家族支援を重視して1回4時間まで、ヘルパーを派遣する「認知症高齢者見守り支援ヘルパー派遣事業」を市の単独事業として行っています。利用料は1時間500円とのことです。認知症高齢者の在宅生活の支援の充実には介護保険を補完するこうした事業を行うべきですが伺います。
高齢化が進み介護を必要とする高齢者が増大していくなか、介護を担う人材不足の解消は一刻も猶予できない課題です。「ヘルパーになりたいと思っているが、ヘルパー養成講座の受講料が5~7万円かかるのは厳しい、補助をしてほしい」という要望がたくさんあります。先の武蔵野市は2級ヘルパーの資格取得後、市内事業所で50時間以上勤務した人に受講料の8割をキャッシュバックする事業を行っています。担当課長は「70人のヘルパーを増やすのに280万円あればできる」と言っていました。
本市もヘルパー養成講座の受講料補助を実施すべきと考えますが伺います。
成人ぜん息患者医療費助成制度の一部見直しについてです
居住要件の3年についてですが、検証を行うということでしたが、検証の内容といつまでに行うのか伺います。
関連して空気中に漂い、吸い込むと肺がんや循環器疾患の原因にもなる微小粒子状物質「PM2,5」について、特に肺の奥まで入り込み、ぜん息を引き起こすといわれ、規制が大きな課題となっていました。環境省は先行する米国と同レベルの環境基準を設ける案を固めました。観測地点を増やして監視を強化すべきと考えますが、今後の対応を伺います。
公共工事入札制度についてです。
新年度から予定価格を事前公表するものと事後公表にするものと半々にしましたが、それぞれの入札結果の評価について、うかがいます。
予定価格を事後公表とした27件の「改札状況表」をみましたら、全参加者が予定価格を下回ったのは8本しかありませんでした。残りの19本は予定価格を上回っての入札がありました。
なかには、こういうケースまでありました。7社が入札に参加した案件は、第1回入札では全社が予定価格を上回り、第2回入札では、3社が辞退ないし不参加となり4社が参加しましたが、ここでも3社が予定価格を上回り、1社が落札率96.49%で落札となりました。
また、6社が参加し第1回入札では、全社が予定価格を上回って入札し、第2回入札では4社が辞退し、参加した2社のどちらも予定価格を上回ってしまい、第3回入札でやっと96.71%で落札となりました。
なぜこうした事態になったのか、それは、川崎市の設計見積もりが実勢価格より下回っていることを証明したものと考えますが、見解をうかがいます。
また5月1日から、「最低制限価格取扱要綱」が国の基準どおりに改正され、現場管理費が60%から70%に10%アップとなりましたが、この影響額をどのように評価しているのか、うかがいます。
多摩川連絡道路についてです。
大田区が08年11月に発表した「羽田空港跡地利用OTA基本プラン」によりますと、海老取川と多摩川に隣接している第1ゾーンのエリアに導入すべき施設として、跡地発生の経緯を踏まえて旧穴守稲荷神社の鳥居を現位置に保存し、羽田の歴史を伝える展示施設、航空博物館等文化施設、親水護岸・公園等やすらぎ空間、避難広場などが配置され緑豊かな空間と歩車道分離のイメージ図も発表されています。第2ゾーンは国際交流機能や商業機能、第3ゾーンは空港連携機能として整備する計画になっています。
08年2月に京浜臨海部基盤施設検討会が発表した上流部、中央、下流部のいずれのところに連絡道路が来ても、「私どもが進める空港跡地利用を阻害するものであるとの大田区の考え方を関係機関へ公文書でお示しをさせていただきました」と大田区長が述べています。
市長は、昭和20年、48時間以内の強制退去命令を受けた歴史的経緯や住民感情を理解しているなら大田区民の考えを尊重し多摩川連絡道路計画を見直すべきと思いますが伺います。
(仮称)道路公園事務所及び(仮称)都市基盤整備事務所の機能整備実施方針についてです。
市内4か所の公園事務所で行われている、維持管理等を各区の建設センターに移し、道路管理と公園管理を一体化させていくとの計画ですが、公園・緑地面積の増加に伴い、公園整備員が対応を行う陳情・要望の処理件数も増え続け、平成12年から平成19年までの8年間で公園数は189ヶ所、要望は1989件と増えています。ところが、職員数は、73人から74人へと1人しか増えていません。建設センターでは平成14年度10,294件から、平成20年度14,799件と陳情処理件数は増え続けているにもかかわらず、職員数は375人から325人へと50人も減らされています。
職員を増やさないまま、公園事務所を各区に分散させるだけでは、職員への負担を増やし、市民サービスの低下を招くことにならないか、伺います。
公園、土木とも高度の専門性を持つ職種であり、業務移管と同時に業務を一体化することにより、その専門性の向上は確保できるのか、それぞれの研修は建設・環境と所管局が全市的に統一して行い技術研修はいっそう充実させることは保障できるのか、伺います。
市税事務所整備方針についてです。
人口増に伴う納税義務者の増加で、市税の業務量が増加しました。税制度の複雑化などで、窓口相談件数も増加し続けています。
ところが、平成15年から平成19年までの5年間で、納税窓口相談件数は7710件から11,037件へと3,327件増え、市税調定件数も3,726,921件から4,029,557件へと302,636件も増えています。このように、年々増え続けているにも関わらず、職員数は5年間で61人も減らされています。なぜ減らし続けてきたのか伺います。
今後も人口増が見込まれ、市税の業務量の増加や制度改正も予想されるとしていますが、そうであれば職員を増やすことこそ必要ではないでしょうか、伺います。
職員を減らしたままで、新たに市税事務所を作ったからといって、問題が解決するとは思えません。「支所・出張所をなくして区役所に集約することで市民サービスを向上させる」と言っていたことからいえば、市税事務所への再編は、区役所中心の市民サービスと矛盾するのではないでしょうか、伺います。
宮前区、多摩区、幸区の区民にとっては、市税事務所が遠くなり、不便になるのではないでしょうか、伺います。
水道事業について伺います。
今回示された「水道事業の料金制度の見直し」について、上水については、3年間だけ基本料金相当分の10%程度の値下げ以外は、9トンのところだけが、ほんのわずかな見直しで、500トンまでの水量区分については、全く変わりません。一方、501トン以上の大口利用者については、逓増度の緩和によって、改定率2.1%、年間約1億5000万円の料金値下げが際立っています。これでは、大企業など大口利用者への値下げが目的ということになります。
逓増度を変えずに、501トン以上の改定分を500トンまでの改定にあてた場合は、500トンまでの改定率は、どのくらいになるのか伺います。
工業用水については、水道法に基づく直接契約に基づく補てん水の削減、2部料金制の導入など、年10%の値下げになる予定です。今回の工業用水の見直しで、どうしてこれだけの値下げができるのか、伺います。
補てん水37億円を減額することは、本来市民への値下げにあてる分を工業用水の値下げにあてることに等しいことです。これは、二重に、大企業・大口利用者に対して手厚い値下げになりますが、見解を伺います。
以上で質問を終わります。
********* 再質問 *********
核兵器廃絶のとりくみについてですが、
本市の「核兵器廃絶平和都市宣言」でも、「川崎市はすべての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求め、核兵器廃絶の世論を喚起するため」と宣言の目的を強調しております。オバマ米大統領が「核兵器のない世界」を国家目標にすると宣言し、日本政府に「具体的前進をつくりだすために、日本政府との協力を望んでいる」と述べていることからも、政府に核兵器廃絶にむけオバマ大統領と協力するよう申し入れる考えはないか、うかがいます。
総合相談窓口の設置について、再度市長に伺います。
経済労働局長は、総合相談窓口の開設について、雇用相談窓口を開設しているが、生活や健康などについては、専門の相談窓口を紹介し、それ以外についても関係機関と連携し、適切な窓口を紹介していると答えましたが、これを世間ではたらい回しというのです。
市長は、「フロンティアプラン」の中で、各業務窓口、各事業所との連携を確保し、ワンストップサービス化を提案しています。
道路公園事務所への機能再編についても、地域の方々のご要望への対応の一元化と市民サービスの向上を上げています。
だとすれば、助けを求めている市民に対し、ワンストップで要望にこたえる総合相談窓口の開設は、市長の提案そのものですが、各区役所に総合相談窓口の設置を至急指示すべきですが、市長の見解を伺います。
中小零細企業に対する支援についてです。
市長の答弁では、「中小零細企業の経営安定化は重要な課題」「積極的な支援を行ってまいりたい」とのことでした。経営が切迫している中小零細の事業者から出されているのは、経営を継続させるための工場の家賃補助であり、固定経費への補助です。この具体的な声に市長はどうこたえるのか、改めて伺います。
特別支援学級の複数加配についてです。
ある情緒学級の5人のクラスの担任は、隣の肢体障害児のクラスに手伝いを頼み、なんとか一日を過ごしているという状況です。そうなるとわかっているから、市もこれまで手厚い配置を行ってきたのでしょう。いま、39ものクラスで1人1人にあった指導ができなくなっている、これは重大な事態です。昨年は非常勤講師を配置していたのになぜ今年は配置しないのか、うかがいます。
答弁で言われている特別支援教育サポーターというのは、あくまでも補佐でしかありません。担任のように授業をすすめ、1人1人の個別の状況にあった指導ができるわけではありません。知的障害の児童生徒が増え、養護学校がいっぱいになり、各学校の特別支援学級も増えています。クラスが増えているのですから、人は増やすしかないことを、うけいれるべきです。
苦肉の策のような、加配とは全く違う特別支援教育サポーターでなんとかするというのではなく、教育的配慮からなんとしても非常勤講師を配置すべきです。再度うかがいます。
ランチサービスについて再度伺います。
2005年1月から始まって丸4年です。質問するたびに、複数メニューの導入、WEB方式の導入、周知の徹底、生徒の嗜好に合わせた当日メニューの充実、などが言われ、今回は男女の食事量の違いが伸びない原因と応え、そしてまた新しいメニューを盛り込むといいます。質問の度に喫食率を上げる方法を答弁されてきました。
しかし、この間ずっと喫食率は上がるどころか下がるばかり、業者も撤退しているではありませんか。今の経済状況を考えれば1食400円という値段は高すぎます。一方、子どもたちを巡る食と健康の実態はたいへん深刻です。教育の一環としての、中学校給食の実施を真剣に考える時期です。伺います。
私立幼稚園の保育料等補助の拡充についてです。
川崎市の2009年度の入園料・保育料の合計額は、平均で47万4800円です。全国平均が29万4000円ですから、川崎市は、保護者負担が全国で一番高く、その差は18万円です。毎年拡充を図り、負担を大幅に軽減したと答弁されますが、私立幼稚園の全園児2万5069人に対し、保育料値上げ分よりも補助額が増えた人数は、5230人で20.8%です。全市平均の8600円の値上げによって、1万9839人の79.2%が、保護者の負担が、前年度よりも増えています。
市単独の補助額は、横浜市、さいたま市、千葉市などと比べても、大幅に負担したなどと、到底言えるものではなく、政令市最低です。この事実をどう受け止めているのですか。再度、伺います。
保育所の待機児童解消についてです。
答弁では、必要とする保育サービス量を検討し夏ごろまでに保育緊急5カ年計画の見直しの骨子をまとめていくとのことです
報道では、市長は、「人口増加に加え、不況で共働きしないと生活が苦しいという人が増えている」と会見で述べたとのことです。しかし現状の認可保育所の選考基準は「不況で共働き」に沿うものになっていません。
仕事を求める「求職中」は、選考基準からすると最低のEランクだからです。生活の厳しさから、一刻も早く預けて仕事をしたいと保育所の入所申請に行くと、就労先が決まってないとだめだと言われ、ハローワークに行っても預け先がなければ仕事がみつからないという厳しい状況は少しも改善されていません。さらに経済状況が厳しい中、「あづけ先があれば働きたい」と考えている方々は多数います。こうした方々まで「必要とする保育サービス量」にしっかりいれなければ、「予想を超えた申請だった」と毎年のように見直さざるをえなくなります。Eランクや潜在的なニーズも「必要とする保育サービス量」に入れるべきですが見解と対応を伺います。
また1歳児の受け入れ枠の拡充に関連してですが、育児休業制度がない職場、あっても実質的にとれない職場はたくさんあるのですから、ゼロ歳児の枠も拡充すべきと思いますが伺います。
保育園の民営化に伴う引き継ぎの問題についてです。
初回の質問で、引き継ぎ期間に保育士や看護師が辞めてしまい、6カ月間の引き継ぎの意味さえ問われる事態を生じ、保護者との約束も果たされない状態での引き継ぎになっていると指摘しました。どんなに「仕様書」に盛り込んでも、その約束が果たされなければ意味がありません。来年度、民営化が予定されている坂戸保育園の保護者からは、仕様書の内容が実行されない場合の、市のリスク管理について質問が出されましたが、それに対する市の答えは、「指定管理者を指導してゆく」というもので、何ら疑問に答えたものではありませんでした。
民営化後も職員の定着率の低さが問題となり、下作延中央保育園でも、保育士の退職が問題にされ、一昨年、民営化された塚越保育園でも、15人の在籍者のうち6人が退職するという異例の事態が生じました。こうした、事態は今後も繰り返される危険があります。民間の保育所における保育士不足は今や社会問題となっており、その根底には、低賃金など待遇の問題があります。人材の確保を事業者任せにし、労働条件も事業者任せ、市は「指導」すればいいといった、無責任な姿勢は許されません。仕様書に定められた水準の保育を行うためには、保育士の待遇にも踏み込んだ改善が必要です。対応を伺います。もし、それができないのであるならば、公立保育園の民営化方針を改めるべきです。再度、伺います。
続いて、商店街への支援についてです。
多摩区商連が中心になって進めている10%のプレミアム付き商品券は、1,000セット用意し、20%のプレミアム付き商品券は100セットが完売しています。これにより地元商店街へ1,220万円の売り上げ促進につながるわけです。神戸市は事務経費全額と、印刷・広報費、プレミアム分2分の1を補助し合わせますと1億3,700万円補助しています。プレミアム分の補助は5パーセントで金額にして5,000万円です。このことによって11億円の経済効果を地元商店街にもたらすものです。川崎市でも、神戸市と同様に予算を組んで取り組めば、11億円もの経済効果を生み出すことになると考えられます。商店街振興につながり、その上、経済不況で苦しむ消費者にとっても、喜んでいただけるこのような施策こそ必要なのではないですか。先ほどの答弁でプレミアム商品券の発行が「消費を刺激し」「地域商業の活性化に有効」としているわけですから川崎市でも今後計画を希望している商連も含め、プレミアム分2分の1の補助に踏み出すべきです。再度伺います。
同様の冷房化工事を他に10件したが、すべて1回の入札で落札されたということですが、問題は、その中身です。事後公表の5件中、4件では、ほとんどの参加者が予定価格を上回って入札しています。すべての参加者が予定価格を下回ったのは1件だけでした。
予定価格を上回った入札があった4件には18社が参加しましたが、予定価格を上回って入札したのは13社(72%)にのぼっています。これでも、適正な設計価格というのか、まちづくり局長に、うかがいます。
建設局長についても、すべての参加者が予定価格を下回って入札したのは7件、1社でも予定価格を上回った入札があった11件、うち1件は2回目の入札で落札されましたが、これ自体、1回目は7社全てが予定価格を上回り、2回目の入札でも落札者以外は全社が予定価格を上回っての入札という、考えられない事態でした。残りの10件も、4件は、落札者以外の全参加者が予定価格を上回っての入札でした。これでも本市の設計価格は実態に則したものと考えているのか、うかがいます。
水道局長に再度伺います。
補てん水を維持したまま、受水費負担軽減など費用削減効果を維持したまま、500トン未満の水道料金値下げにあてた場合、改定率はいくらになるのか、伺います。
********* 再再質問 *********
中小・零細企業への支援についてです。
答弁では、「市内の中小・零細企業は、ものづくりを支える重要な存在」と言いながら、工場の賃貸料や固定経費への補助など、具体的な要求に対する答えはありませんでした。現状は深刻です。私たちの聞き取りでも、工場をたたまざるを得なくなり、1台1000万~2000万円もする機械を下取りに出したら、3台で100万円だと言われ、怒りが込み上げてきたという社長さんもいました。やめることさえ許されないほど、苦境に追い込まれています。また、ある社長さんは「3月以降に期待もあったが、6月を迎え一層厳しくなった。家賃の補助があれば、ありがたい。今から準備して、秋口にも実施してほしい。」と訴えていました。「工場を閉めては、今まで培ってきた技術が消えてしまう。景気が回復するまで耐え忍んで、事業を続けたい。そのために、支援がほしい」これが、川崎の技術を支えている中小零細企業の率直な声ではないでしょうか。必死の思いで、持ちこたえている中小・零細事業者の切実な声に応えることこそ、行政の役割です。事業を継続するために、家賃補助や固定費への補助制度の創設を検討すべきです。再度、市長に伺います。
********* 最後の意見 *********
世界的な不況の中で、大企業は体力がありながら、派遣切り、下請切りを行い、職を失う人々が多数生まれています。地域経済にも深刻な影響が広がっています。
仕事を失って、家族を養い、生活を続けていくために、必死で就職活動を続ける市民。なんとか、子どもだけは高校を卒業させたいと相談に来られる市民。
下請けの仕事がなく、家賃も払えず、工作機械の返済に追われている町工場の経営者。
生きるために必死の思いで、歯を食いしばって頑張っている市民の願いに少しでも応えたい。そういう思いで、市民のみなさんの要望をもとに、自治体がその気になればできる具体的な提案をしてきました。
商店街支援と同時に、苦しいやりくりを強いられている消費者にとっても喜ばれる、5%プレミアム助成の提案。モノづくりの技術を絶やしてはならないとがんばる町工場への家賃補助の支援。小口融資制度の金利をゼロにすること。
また、子育てにお金がかかるなか、子どもの医療費を所得制限なしで、中学校卒業まで無料にすること、高い保育料のもと私立幼稚園保育料補助の拡充などなど。
いずれも、他の自治体では、市民の願いに寄り添い、知恵を絞り、工夫を凝らして取り組まれている施策ばかりです。市長が決断すればできることです。
市長は、厳しい雇用環境の中、離職された方々が、雇用労働問題をはじめ、健康や子育てなど、日々の暮らしに様々な課題を抱えておられることは、十分認識しているとか、市内の中小企業は、川崎の産業を支え、日本のものづくりを支える重要な存在であるとか、述べながら、市民の切実な願い実現のための、こうした具体的な提案には全く応えようとはしませんでした。
一方、体力のある大企業に対しては、水道料金、工業用水道料金の大幅値下げで、さらに支援しようとしています。
自治体の役割は住民福祉の増進です。市民の願いには背を向け、国基準を超える施策については、市独自で取り組もうとはしない。これでどうして地方自治体の役割を果たしていると言えるのでしょうか。
私たち日本共産党は、市民の願いにこたえる自治体本来のあり方への転換を目指し、これからも全力を尽くしていくことを表明して、後は委員会に譲り質問を終わります。