保護者立場の教育関係者を委員に~かつまた議員が質疑
3月19日の川崎市議会第1回定例会で、かつまたみつえ議員が追加提案された「議案第63号 川崎市教育委員会委員の任命について」の質疑をおこないました。かつまたみつえ議員の質疑原稿(初回)は以下の通りです(議事録ではありません)。
代表質疑
私は日本共産党を代表して、追加提出された議案について伺います。
議案第63号 川崎市教育委員会委員の任命についてです。
この議案は、教育委員会委員の任命にあたり議会の同意を求めるものです。
今回の提案理由は、川崎市で外国籍の児童生徒・外国にかかわる児童生徒が増加しているもとで、国際協力の経験を持ち少年事件にも対応できるから、とのことです。しかし、国際理解にかかわる経験や少年事件の対応の経験があったとしても、それらの活動はあくまで警察の業務の一環として行ってきたものであり、その目的は教育ではなく治安維持におかれているものです。
教育委員に求められるのは教育的な立場から児童の発達や成長、学術・文化にかかわる教育行政の運営や意思決定を行うことであり、警察官の任務である治安の維持とは本質的に異なるものと考えます。
そこで、本質的には治安の維持を目的とする警察の出身者を教育委員会委員として任命した例が、過去に本市であるのか、伺います。また、政令市で同様の例があるのか、伺います。
そもそも自治体の行政が、市長が所掌する一般行政と教育委員会が所掌する教育行政に分けられているのは、教育の自主性・自立性を確保し、国民の学習権・教育を受ける権利を保障するためです。また教育委員会が子ども・若者の育ちと学びを支える行政機関として適切に機能していくために、教育や行政の専門家だけでなく保護者など地域住民が教育委員会委員となり、専門的な行政官による事務局を指揮監督する制度とされています。
今回退任される小原委員はまさにPTA・保護者の立場で教育に関わってきた方であり、この制度の考え方からすれば、その退任後も同様に地域で教育に関わってきた方を選任するのが当然だと考えますが、そうではなく警察行政の立場にいた方を任命提案した理由について、市長に伺います。
現在の教育委員会委員には、教育長を除いては川崎市の教育現場を教職員として経験された方は一人も入っていません。長らく川崎市立学校の現場では多くの外国人児童生徒が教育を受けており、全国的に見ても先駆的に多文化共生の教育実践が行われています。そして教育現場にその経験も蓄積されてきています。こうした現場の経験を持つ有能な教職員経験者が市内には多数おられると思いますが、なぜこれらの有能な方々から教育委員会委員を任命するのではなく、外部から任命しようとするのか、市長に伺います。