2009年第4回川崎市議会定例会で宮原春夫議員がおこなった代表質疑
私は日本共産党を代表して議案第181号川崎市職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について質問を行います。
本議案は、人事委員会からの報告及び勧告にもとづいて本市職員に対して12月に支給予定の期末手当の支給割合を夏の0.2月分に続いて0.15月分、合計0.35月分を減額しようとするものです。
公務員の特別給(ボーナス)は人事院勧告で決められています。夏季でいえばその年の7月までの1年間の民間給与実態調査にもとづく人事院勧告で決められます。ところが今年は、「昨年来の世界的な金融危機を発端とした景気の急速な悪化に伴い」「過去20年以上にわたって見られないほどの大幅な前年比マイナスとなることがうかがえた」として、人事院は従来のルールを破り、4月に臨時調査を実施。しかも、通常では1万1000企業を対面調査するのに、今回は2700社を対象に郵送調査しただけで、前倒しで減額するという前代未聞の勧告をおこなったのです。「サンプル数が少なく、しかもボーナスを決定した企業は1割しかない。調査がずさんだ」という、国会でのわが党の質問に対し、人事院の総裁自身、「全体を反映したかと言えばそうではない」と、自ら信頼性や精確性に問題があることを認めていたほどです。 にもかかわらず、本市人事委員会は、今年5月本市の「職種別民間給与実態調査」の結果を待たず、人事院の勧告など勘案した結果、6月に支給する期末手当などの支給月数の一部を凍結する特例措置を講ずる必要があるとした「意見」をだしました。
そして、今回の「勧告」では、「職種別民間給与実態調査」の結果を受け、民間企業における給与との較差(-0.19%)を解消するため3年ぶりに月例給の改定を行い、期末手当を6年ぶりに合計0.35月分減額する措置をとるよう「勧告」しています。
その結果、本市職員の期末勤勉手当の支給月数は民間の特別給の支給割合(4.17月分)を下回り、4.15月分となります。そこで伺います。
第1に、人事委員会による給与勧告制度は、労働基本権が制約されている公務員のための代償措置として、中立・公正な第三者機関である人事委員会が「職員の適正な処遇を確保するため」に勧告を行なうものであり、「職員の給与水準を民間の給与水準に合わせること」にあるわけではないと思いますが、人事委員会委員長の見解を伺います。
第2に、民間の給与水準に合わせるといいながら、民間の特別給の支給割合(4.17月分)を下回る勧告をおこなったのは何故なのか、についても伺います。
第3に、職員の給与を人事委員会による勧告により決定する仕組みは、「公務の公正かつ能率的な運営に寄与する」としています。しかし他方で「給与勧告時において時間外勤務の縮減やメンタルヘルス対策等についてその取り組みの必要性を指摘しているところだが、依然として改善までに至っていない」として指摘をしています。
時間外勤務の縮減やメンタルヘルス対策の改善がなされていない現状で、給与だけは減額される事態がどうして公務の公正かつ能率的な運営に寄与する」といえるのか、見解を伺います。
第4に、今回の人事院勧告によって、公務員労働者だけでなく、間接的に民間労働者の一時金引き下げの口実に使われる公算が大きく、民間企業の下げ率を上回る下げ率にすることは、深刻な経済危機の中で生活破壊が急速に進んでいる状況をみれば、市民の消費の低迷と景気悪化の悪循環を加速させることになるのではないか懸念されますが、市長に伺います。