脳外傷友の会と懇談
日本共産党川崎市議団は7月10日、NPO法人脳外傷友の会ナナ川崎地区会(連絡代表 八巻至)の皆さんと、同会の「川崎市における高次脳機能障害児・者のQOLを高めるための施策についての要望」について懇談しました。
同会は、交通事故による脳外傷や脳卒中、低酸素脳症、てんかん重積発作などにより高次脳機能障害や遷延性意識障害を発症してしまった当事者の家族の皆さんの集まりです。
川崎市においては5,600人と推定される高次脳機能障害児・者を対象に「北部リハビリセンター」(麻生区百合ヶ丘)、「れいんぼう川崎」(中原区井田)、「高次脳機能障害地域活動支援センター」(高津区)などを中心に支援施策が進められていますが、北部地域中心であり、新たな患者数が増え続けていることから、市内に散在する患者や家族の要望に応えられるよう対応する施設を増やすことを求めています。昨年度から新規事業として中部リハビリテーションセンターが開設され、2020年度には南部リハビリテーションセンターが開設予定です。これらの施設の機能として高次脳機能障害にも対応できる支援施策を展開して、地域にかかわらず平等に利用できるよう要望しています。
要望事項は、急性期・回復期の救急・救命医療体制及び医学的リハビリテーション体制、社会復帰のためのリハビリテーションについての要望、地域、日常生活の場での社会的リハビリテーションについての要望、社会復帰・参加に向けての要望、啓発活動を推進するための要望、居住の場の確保や日常生活などの生活支援を充実するための要望、学校教育への要望、など多岐にわたっています。
1. 急性期・回復期の救急・救命医療体制及び医学的リハビリテーション体制について、居住地の近くの病院で治療が受けられるようにしてほしい。市内の大学病院と連携してほしい等。
2. 地域、日常生活の場での社会的リハビリテーションについて、市の行政区ごとの設置、保健福祉センターでのリハビリテーションの体制づくり、専門知識をもった支援コーディネーターの配置等。
3. 社会参加に向けては、日中の活動の場の提供、送迎のための配車、就職情報の提供、市の職員への採用を等。また、ジョブコーチなど当事者支援システムをつくってほしいとの要望が。
4. 啓発活動を推進するために、講習会を行ってほしい。当事者と家族はもちろん、事故によって誰でも起こりうる障害なので、ひろく市民にも知ってもらいたい。パンフレットの作成も行なってほしい。
5. 居住の場の確保や日常生活などの生活支援を充実するために当事者の親亡きあと安心して生活できる施設を。高齢者の施設に入居枠を確保してほしい。横浜のように、障害者自立生活アシスタント事業を行ってほしい。
6. 学校教育への要望として、学齢期の児童が高次脳機能障害になった場合の支援方法などの確立を等。
7. 高次脳機能障害者に係る施策を企画・策定する時は、当事者や家族の意見を聴取してほしい等。
以上でした。懇談では、「高次脳機能障害についての理解がなかなか得られない」。「他の障害との違いをわかってほしい。アシスタントのような方がいれば仕事もできる。」「安心カード、家族などの緊急連絡先、身体の状況、かかりつけ医、常用している薬など必要な情報を記入するカードをつくってほしい、記入しておくことで救急時や災害時に、救急隊や警察の迅速な対応が望めるから」との要望がありました。共産党は、市の職員でこのような要望に対応してくれる方をお願いしている。今後も川崎市に要望していきますと述べました。