川崎市の発注公共工事の分析と発注のあり方について研究報告会開かれる
9月2日、共産党市議団が研究委託した成果報告書「川崎市発注公共工事分析報告書」と「川崎市における公共事業発注のあり方について」の学習会がひらかれ、辻村定次建設政策研究所副理事長が報告しました。また、地域経済振興策として行われている岩手県宮古市「住宅リフォーム促進事業補助金」制度の視察報告を竹間幸一市議団調が行いました。
辻村氏は、2005~2008年度の川崎市公共工事発注のデータを発注側、受注側、入札・契約面から分析し、長期的には発注総額は減少傾向にあるもののこの4年間は増加傾向にあること、増額の半分はまちづくり局発注にあること、小規模工事が少なく大規模工事が多いこと、大規模工事の多くが川崎区(臨海部)で行なわれていること、入札参加希望業者の半数以上が1年間で1件も受注できないこと、工事規模1千万円未満の工事でも資本金1~3千万円の業者が多くを受注していること、1億円以上規模の工事はJVを除けば市内業者の受注が少ないことなどをデータを示して指摘、市内業者アンケートでは大規模工事の分離・分割発注をもとめていると述べました。
また発注政策のあり方について、予定価格制度を維持しつつも上限拘束性緩和の検討が必要であること、入札価格の適性化のために積算数量の公表と完成工事原価の調査を行うこと、13年連続して下落している設計労務単価ではなく建設労働者の適正な生活費と技能評価を基準とした設計方式に転換すること、ランク別発注を7業種以外にも広げること、総合評価方式を本格実施に向け拡充を推進することなど提言しました。
パブリックコメントに付された公契約条例の考え方について、1人親方を対象に含めている事は評価しつつ、作業報酬の最低額の考え方と具体的金額、重層下請を特徴とする産業秩序の課題などについて論及しました。