「気候危機の打開に関するシンポジウム」を開催しました!
川崎市総合自治会館にて5月21日(土)、日本共産党川崎市議会議員団の主催で『気候危機の打開に関するシンポジウム』を開催しました。会場での参加者70人、zoom配信での参加者は20人でした。
シンポジストとして、東北大学教授の明日香壽川(あすかじゅせん)氏、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏、『Media is Hope』共同代表のuka(ゆか)氏の3人をお呼びし、前半はそれぞれお話しをしていただきました。
明日香氏は地球規模での温暖化による被害の解説や、世界各国の対策を紹介し「重要なのは雇用創出・雇用転換だ」と話します。ご自身も製作に携わった『レポート2030~グリーン・リカバリーと2050年カーボン・ニュートラルを実現する2030年までのロードマップ~』を紹介し「グリーン・リカバリーとは、新しい投資がどれだけ雇用を生んで経済的にプラスになるかということ。具体的には、現時点での再エネ産業による雇用は約27万人。一方、エネルギー転換で新たに創出される雇用の方は、2030年までに年間約254万人の雇用が10年間維持される。こうした面からも、再エネへの転換が必要」と話しました。
飯田氏は「再生可能エネルギーで効率がいいのは、やはり太陽光発電。一般家庭にも導入しやすいことから海外では急拡大が続く一方、日本では政策の失敗により市場は縮小しつつある。他方で、世界の原子力発電所数は現在415基あり平均稼働年数は31年。今まで廃炉になった198基の平均使用年数は27年であることから、稼働中の原発も寿命間近。そんな原発を新しく作るよりも、その時間とお金を再エネ普及に費やすべき」と話しました。
uka氏は「2019年に気候変動の深刻さを知り、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの言葉に突き動かされ、活動を始めました。メディアとスポンサーと視聴者が新しい関係性を構築し、気候変動を解決に導くための団体『Media is Hope』を発足しました。川崎市議団と懇談した際に聞いた、川崎市は政令指定都市でもダントツのCO2排出量、というのにとても驚きました。同時に川崎市が変われば日本が変わる、ここに希望があります。一緒に行動しましょう」と呼びかけました。
後半、冒頭に宗田市議団長より「臨海部だけで市内の75%ものCO2を排出しており、脱炭素戦略は待ったなしの状況。しかし川崎市は水素発電を第一に掲げ、しかも水素は海外からの輸入に頼ろうとしている。私たち市議団が提案しているのは、臨海部の広大な土地を活用して、太陽光発電と風力発電・バイオマス発電を組み合わせれば、市内電力使用量の70%は供給できるというもの。地産地消での再エネ整備を進めたい」と話しました。その後、シンポジストから全体を通してのご意見、感想などを伺いました。
市議団では秋にもシンポジウム開催を予定しています。今後も様々な取り組みを行い、気候危機打開のため川崎市への政策提案を行っていきます。