議会報告

2020年3月23日

中東海域への自衛隊派遣中止・撤退を~後藤議員が意見書提案説明


IMG_38583月19日の川崎市議会第1回定例会で日本共産党の後藤まさみ議員が、日本共産党川崎市議団が提出した意見書案第4号「中東海域への自衛隊派遣の即時撤退等を求める意見書」について提案説明をおこないました。後藤議員の提案説明原稿は以下の通りです(議事録ではありません)。採決では日本共産党以外の議員の反対で否決されました。

提案説明

 私は、ただ今議題となりました意見書案第4号「中東海域への自衛隊派遣の即時撤退等を求める意見書」につきまして、提案理由の説明を行います。

アメリカは、2018年5月にイラン核合意から離脱した後、ホルムズ海峡を通過するタンカーへの攻撃等が発生していることから、ホルムズ海峡の航行安全のため、日本を含む同盟国や友好国に対して有志連合による艦隊派遣を求めてきました。日本は、有志連合には参加しなかったものの、昨年12月27日、防衛省設置法第4条に基づき「調査、及び研究」を行うこととして、自衛隊を中東海域に派遣するとし、今年1月21日にはP-3C哨戒機が、2月26日には海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が同海域で活動をはじめました。

しかしながら、このような自衛隊の派遣は、中東地域の緊張をいっそう高めるばかりか、日本がアメリカの誤った中東政策に賛同したとみられ、アメリカの戦争に巻き込まれるリスクを高めるものです。昨年の派遣前から日弁連、憲法学者125人や宗教者が反対声明を出し、平和憲法をないがしろにするものとの世論も高まっています。

そもそも日本国憲法第9条の恒久平和主義の下、自衛隊の活動は、自衛隊法で定めるものに限定されており、防衛省がつかさどる事務を規定する防衛相設置法第4条を法的根拠とすれば、その活動に対する歯止めがかからなくなり、憲法が国家権力を制限するという立憲主義の趣旨に反する危険性があります。

日本はこれまでイランと良好な関係を築いてきており、憲法9条の理念に基づき、日本の中東における信頼を活かしながら対話と外交による平和的解決をめざすべきです。また、アメリカに対しては中東の軍事的緊張を高める行為を止めて「イラン核合意」へ復帰するよう求めるべきです。

よって、国におかれては、中東地域に派遣されている自衛隊を即時撤退させるとともに、平和的な解決に向けて関係国に働きかけるよう強く要望するものです。

以上、議員各位におかれましては、意見書案の趣旨をご理解いただき、ご賛同いただきますようお願いをいたしまして、私からの提案理由の説明といたします。